第2章

第6話

 二人で缶を片手にホッと一息つきながら流れ行く人波をながめること数分。



 ミクルちゃんは、まろやかで優しいミルクティーにのどうるおした事によって、オレの見た感じじゃ本人もまろやかになってきたように思う。





 バトル第一フェイズでは怒涛どとう先制せんせい攻撃こうげき優勢ゆうせいこまを運んだが、まだまだ相手の戦力は未知数。どんな隠し兵器が飛び出すか分かったものじゃない。



 まずは相手の性能を把握はあくする事が先決だ。


 さぁ、弛緩しかんした空気を震わす第二フェイズの開幕だ!





「もう一息つけたか、ミクル?」


「うん、のどやわらかくなった感じ。」


 その言葉通り、ミクルちゃんの表情も、先程さきほど撃墜げきつい寸前すんぜんの時より、随分ずいぶんやわらかくなったように見える。





「良し、じゃあさっきの続きをするぞ?」


「う…うん…。」


 コクリとうなずくミクルちゃん。


 その表情は、さっきと打って変わって、とても明るい。





 よし、では、片瀬少尉! ”恋愛ラブ戦争ウォーズ”、第二フェイズ、第一射…発射‼


「まず、分からないのが当たり前とオレは言ったが、それはさっきの問いに対しての言葉じゃない。さっきの問い自体の答えはそれまでのオレの言葉の中に答えがちゃんとふくまれていたんだ。オレはさっきこう言ったはずだ。『全ての情報を共有する存在そんざいなど、二つに分ける必要がそもそも無い。そんなモノは一個の存在そんざい事足ことたりる』と。つまりだ、オレとミクルは別個の情報を持つ存在そんざいるがゆえに二つにかたれているんだ。ここまではいか?」





 即席そくせきの、オレの無茶苦茶むちゃくちゃな説明に、


「う…うん…なんとなく…。」


 この理解りかいしめしましたよ、おくさんッ⁉





 だが、それを、オレは、全面的に『し』とする!

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