第5話

 彼女を家まで送り届けて。駅前にもう一度向かう。通信。


『彼女さんは落ち着いたか?』


「ええ。思春期って、いいですね。青春って感じで」


『お前も一応思春期で青春じゃないのか?』


「今からやることの、どこが思春期で青春なんですか」


『見えたのか』


「ええ。仕方ないですよ。見えたものは対応しなきゃ」


『お前も大変だな』


「いいえ。正義の味方は、私が好きでやってる仕事ですから」


 自分の死が、見えた。

 自分にしかできない仕事。街を守って死ぬ。

 ちょうどいいのかもしれない。彼女も海外へ行くし。


 これで、彼女の悲しむ顔を見なくて済む。

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