ソニーの研究員とジョブズ

第41話：マニング問題とシリコンバレーからバンクーバーへ

　そもそも仮想通貨の取引が、禁止されている中国は、マイニングに関しては世界最大の市場。電力消費や廃棄物の多さといった問題が明らかになるなか中国だけでなく各国の規制当局も監視を強め始めた。中国のビットコイン採掘「マイニング」業者は、以前から大きな矛盾を抱えてきた。

　この国では仮想通貨「暗号通貨、暗号資産」の取引は法律で禁じられている。金融機関もこの分野のプロジェクトには関与できない。一方で、中国はマイニングに関しては世界最大の市場でもあり、新たなコインを生み出すためのコンピューターが最も多く稼働している。

　マイニングとは、仮想通貨の新規発行と取引の承認をコンピューターで実行し、その報酬を仮想通貨で受け取る行為のことを指す。この作業は驚くべき量の電力を消費するだけでなく、大量の電子廃棄物が産出される。ただ、仮想通貨相場の激しい値動きが、この計画の足かせとなっている。

　ビットメインは２０１９年１月、人員削減に加え、テキサス州ロックデールで計画していたマイニング設備の新設をとりやめる事を決めた。そして３月には一転して、計画を復活させる方針を示した。プリンストン大学で中国のマイニング産業の影響を研究してきたベン・カイザーは、マイニングが禁止されれば、仮想通貨産業全体にとって長期的にはプラスになるかもしれないと話す。

　中国でマイニングが盛んになったのは２０１３年で先進国と比べて電気代がかなり安い頃に加え最新のマイニング装置が安価に入手できるから、四川省を中心にたくさんの大規模な採掘プロジェクトが行われている。カイザーは、こうした大規模なマイニングが停止されれば、国内外で中小の事業者にもチャンスが出てくると説明する。

　そして中国の仮想通貨禁止にも抜け穴があるとも言われている。電力消費や廃棄物といったマイニングを巡る問題が一般にも知られるようになるにつれ、中国だけでなく各国の規制当局も監視を強めている。これは、マイニングは世界のどこでも規制の対象になる恐れがあるということを意味する。

　米国やカナダではこれまで、アラスカ州やブリティッシュコロンビア州といった太平洋岸北西部地域がマイニングのメッカになってきた。背景には豊富な水資源を利用した水力発電のおかげで電気代がほかの地域に比べてかなり安いことがあったが、ここにきて電力料金の急激な値上げが相次いでいる。

　また、つい最近もモンタナ州ミズーラで、マイニングに新たに参入する事業者に再生可能エネルギープロジェクトへの投資を義務づけた新たな法案が可決されたばかりだ。今回のアメリカ・シリコンバレーの訪問では、多くのプログラマーが、本来のプログラムで稼ぐよりも手っ取り早く、大金を稼げると噂されている仮想通貨・ビットコインのマイニングの話ばかりだった。

　世界中で、この問題の禁止や再生エネルギーにへの投資の義務づけなど条件をつけても、直ぐに抜け道を考えて、金儲けに走る連中が、アメリカ。シリコンバレーにも多く存在することが解った。この話を聞くたびに、達也は、シリコンバレーに対して抱いた憧れ、夢が壊されていくような気がしてたまらない気分になった。

　そのため、予定よりも１週間早く、シリコンバレーのプログラマーとの面会をキャンセルして、奥さんと新婚旅行を楽しむことにした。そこで、２０１９年７月２６日にサンフランシスコからカナダ、バンクーバーに飛んだ。７月２６日、朝７時に起きて、朝食をとって、ホテルの支払いを済ませた。

　その後、タクシーでサンフランシスコ空港行きのバス停まで行き、９時半に空港に到着し、登場口にに行き、登場手続きを済ませ、空港内の近にあるカフェで、搭乗開始のアナウンスまで待ち、飛行機に乗り込んだ。バンクーバーに、１４時過ぎに到着してスカイトレインに乗って、１５時前にホテルに入った。

　部屋に入り達也は、艶子さんと観光の話をすると、是非、ブッチャードガーデンに行きたいと言うので、明日、６時に起きて出発することにした。ホテルで１時間程、仮眠して、部屋でゆっくりし、ホテル周辺を散歩ていると、博多ラーメンと書いた店が目に入った。

　そこで、達也がここに入ろうと言い、中に入ると、懐かしいらメンの臭いが鼻をくすぐった。席に着きラーメンを２つ注文した。普通の豚骨ラーメン程度だろうと思っていた。しかしラーメンが、出てくる、と麺の太さ、麺の茹で具合、つゆの濃さや油の量などを選ぶ、まさに博多ラーメンだった。

　さらに、なつかしい、替え玉まであった。試しに、食べてみると、まさに、正統派の博多ラーメンで、豚骨味のスープも美味しかったです。達也は、替え玉と餃子まで注文した。