第33話:木谷先輩との話合いと思わぬ出会い

 しかし、その理由を聞くと、自分達のグループのレベルアップのためという理由が多いので、そういう時には、全て考えておくと言って、即決を避けた。すると中国人と韓国人は嫌な顔をしたり、直接的に不快感を示した。こう言う考えであるためか、

木谷先輩は、欧米人の友人を増やしていた。


 木谷先輩に、大勢の欧米人の友人を紹介してもらった。そして、ユダヤ人のトミー、スペイン人のケントス、ポルトガル人のアンドレ、スウェーデン人のハンス、アメリカ人のケント、イギリス人のクラークと仲良くなった。そして、メールアドレス、スカイプアドレスを交換し合った。


 その後、計画した2週間のシリコンバレーの旅が終わり、8月4日、日本に帰国した。その後も毎日プログラムの勉強に専念した。Pythonの多くのプログラムを見て、特長を掴むようにした。夏休みは、自宅で、PHP,Ruby、Java、C#、JavaScriptをまとめた表を確認して、忘れないようにした。


 また、他の人の作ったPythonのプログラムを見て特長や上手な使い方をまとめて、一覧表にした。そうしているうちに、2018年9月の新学期になり、学校生活が始まった。学校が終わると、遅くまで、プログラムのスキルアップの勉強に没頭し、疲れたり煮詰まったときには、散歩に出かけた。


 特に家から近い、川の流れを眺めていると、いろんな事が思いつくようになり、必ず、頭に浮かんだことは直ぐにメモ帳に書き込む習慣をつけた。でも、冒頭しか書かなかったり、上手に書かないと、頭に浮かんだことの肝の部分を忘れてしまうことが、しばしば起こることを体験した。


 そのため文字だけでなく図解して忘れない様な工夫をすると多くのアイディアが整理できた。このシステムが、思った以上に自分のプログラマーとしての資質をあげるのに役立った。というのは、そのメモに書いた新し発想を木谷先輩と話し合うと、そのアイディアに、いくつもの幹ができて、さらに多くのアイディアが浮かんだのだ。


 それは、まるで木が生長して枝葉をつけるような感じに多くの新しいアイディアとして花ひらく気がした。その後、1つずつ、そのアイディを具体化して、図解し、まとめていくと、アイディが今までの数倍のスピードで増えた。そのアイディアを生かしたプログラムの詳細に書くと、その後、応用しやすい事が良くわかった。


 やがて、2018年12月26日、木谷先輩と忘年会の席で、達也が、その話と、まとめたノートを見せると木谷先輩が、お前は、素晴らしいプログラマーになれると絶賛してくれた。ただし、この話は、他人に話したりメモのコピーも絶対に渡すな忠告した。このメモは、プログラマーにとっては宝箱の様なものだと言明した。


 そして、大学の卒論も、この話でまとめられるねと言ってくれた。そして、君がここまで腕を上げたのだから、Pythonのプログラムの下請けのアルバイトをやって欲しいと言われ了解した。もちろんアルバイト料は送金する心配するなと方をたたいた。やがて、2019年を迎えた。


 新年も机に向かう日々と散歩して、川辺でぼーっとして、アイディを生み出す作業の連続の日々だった。そして、4月になり、大学の寮にも新しい学生が入ってきた。4月10日、学食で昼食と食べているときに、達也のテーブルの横を歩いていた女子学生のお盆の上の珈琲カップが倒れて、達也のズボンにかかった。


 熱いと言うと、そこ娘は、ごめんなさいと言い、名前と電話番号を教えてくれた。その娘の名前は河合艶子と言いトランジスタグラマーで妙に色気のある娘で、達也も好きなタイプだった。河合艶子さんは、東京工業大学に2016年3月から発足したリベラルアーツに合格し入学した。


 そこでリベラルアーツとは何かと調べため大学のホームページ開いた。そこには、日本の大学教育は、専門性に重点を置くが、その結果、「人間としての教養」を軽視する傾向への反省が語られ始めている。東工大リベラルアーツセンターは、このような社会的背景の認識にもとづいて設立されました。


 本学の学生は、理工系分野の高い資質をもちつつ現代社会の諸問題に正面から立ち向かう事のできるリーダーとなることが期待されている。リベラルアーツセンターでは、その様な東工大生の人間としての根っこを太くする教育を担うという使命がある。つまり個人の人間性を高め堅固な社会性を培うための教育と書いてあった。

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