絶対に成長しない物語。

渋谷かな

第1話 成長するから終わる。

なぜ物語は終わる?


レベルアップして、強くなって、インフレを招き、もう次が考えられないからだ。


毎回同じで成長しなければ、永遠に続くのだ。


人間って、そんな簡単に強くはならない。

レベルなんて簡単に上がるものではない。


人間って、そんなに強い生き物ではない。


人の選択は良い結果も、悪い結果も産む。

その選択の責任は自分で負わなければいけない。


「どうしよう?」

人間自身が強くなるのではなく、武器や呪文に使用回数があり、使ったら無くなる。

「まあ、中には使用制限のない武器・魔法もある。」

 ドラえもん。


「それか、最初から強すぎるパターン?」

 努力は過去にしてきた。

 北斗の拳。るろうに剣心。シティーハンター。


「努力しながら強くなる。」

 聖闘士星矢。毀滅。



breaking the World(世界を壊す)BKW(世界を壊す王)


20XX年。地球は異世界ファンタジーに犯された。

魔王ノストラが現れて世界各国に魔物を放ち世界征服を始めた。

対抗するべく人類も化学兵器、剣と魔法を手に取って戦うことになった。


ゲームとの一番の違いは、人間は魔物にやられると死んでしまうということである。

まさに生身の人間システム。


街を歩けば魔物に当たる。

誰もが憧れた? 

スライムと戦える日々がやって来たのである。


誰もが勇者になり魔王から世界を救うことができる物語。



「今日は魔法の授業を行います。」

「はい!」

 小学生に入る頃。魔法の授業は必須科目だった。

 魔法だけではない。剣とスキルの授業もある。代わりに国語や数学、英語などの生きるために必要ではない教科は消え去った。

「それでは佐藤。おまえ、火の魔法を使ってみろ。」

「はい。」

 佐藤渉は、7才の小学一年生。



 次にキャラクターを作らなあかん。


 剣、魔法、槍、弓・・・・・・武器で分けるのは無理だな。


 運命を引き裂かれる子供たち。


佐藤蒼 

鈴木愛 

高橋格 

田中泉 

伊藤 

渡辺初

山本

中村

小林

加藤


吉田先生。


おいおいだな。



「蒼の名のもとに命じる! 全てを燃やし尽くせ! 火の魔法! ファイア!」

 大袈裟なフリのくせにポッと、小さな火が出る。

「ワッハッハー!」

 それを見ていたクラスメイトに笑われる。

「あれ? おかしいな。想像ではできたつもりなんだけどな?」

 不器用な佐藤渉は魔法が苦手だった。

「渉はお子様だから仕方がないわね。」

「何を!? なら希は魔法が使えるのかよ?」

 鈴木希は渉の幼馴染でお隣さん。

「もちろん。」

 ボボボボボッ! っと火をつけてみせる。

 パチパチパチパチ! 他の生徒たちから拍手してくれる。

「おお! さすが鈴木だ。」

 優秀な希の魔法に高橋先生も大満足である。


「どうせ俺なんか。」

「大丈夫よ。きっと渉も強くなれるよ。剣も魔法を使えるようになるよ。」

 いじける渉を慰める愛。

「強くなられたら困るんだよ。」

 その時、変な男が現れる。

「なんですか!? あなたは!?」

「俺は魔王ノストラ様の配下ダムスだ! 将来、強くなるかもしれない子供たちを皆殺しにしろという魔王様のお告げだ!」

「なんだって!?」

 現れたのは魔王の使い魔のダムスだった。

「死ね! 幼気な子供たち! いでよ! 魔物たち! 魔物召喚!」

「魔物だ!?」

 ダムスはスライムやゴブリンなどの魔物たちを呼び出していく。


「みんな! 逃げて! 子供たちには手出しさせません! 火の魔法! ファイア!」

 先生の高橋が必死に魔物を倒そうとする。

「スラスラ。」

「ゴブゴブ。」

「カーカー。」

 しかし魔物の数が多くて先生一人ではどうにもならない。

「ウワアアアアア!? 死ぬ!?」

 渉にも可愛いスライムが襲い掛かってくる。

「ファイア!」

「愛!?」

 愛が魔法でスライムを倒し渉のピンチを救う。

「ありがとう。愛。」

「渉一人くらい私が守ってみせるわよ。」

 頼もしい愛。

「それはどうかな? ケッケッケ。」

 ダムスが現れる。

「先生!?」

「そんな!?」

 既に高橋先生は殺されていた。

「先生の死を悲しむな。今からおまえたちも大好きな先生の元にいかせてやる。火の魔法! ファイア!」

 ダムスが魔法で攻撃を仕掛けてくる。

「キャアアアアアアー!?」

 渉と愛は炎に包まれる。

「これで未来の勇者を育成する学校も終わりだ。火の魔法! ファイア! レベル10!」

 強大な火が学校を燃やしていく。

「さあ、魔物ども。次の学校に向かうぞ。」

 魔物たちは学校から去って行った。


「愛!? 大丈夫か!? 愛!?」

 愛は火の魔法に火の魔法でバリアを作り出し、魔物にバレない様に火の中で生きていた。

「わ・・・・・・渉・・・・・・一人くらい・・・・・・私が・・・・・・守るって・・・・・・言ったでしょ。」

 しかし渉を守る為に小学生で魔法力を使いすぎた愛の命は尽きようとしていた。

「愛!? しっかりしろ!? 死ぬな!? なんで俺なんかを守るんだよ!?」

「渉・・・・・・大好きだよ・・・・・・。」

 そう言うと愛は笑顔で瞳を閉じた。

「愛!? 愛!? 愛ー!?」

 弱い渉は泣き叫ぶしかできなかった。

















 








 






















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