さくらの桜

には

板を踏んだ日

ゆうぐれ突撃隊にようこそ

 ある春の曇り空の日の事。その日もバイト終わりに、家の近くにあるいつものコンビニに向かい缶チューハイを買った。今日はちょっとした贅沢だ。何故なら二本も買ってしまったのだから。あとは唐揚げ弁当に、酒のつまみとしてチーズ鱈を買った。全部で千円もした。正に贅沢三昧という言葉が相応しい今日という日。今日は引っ越しのアルバイトの給料日の日だ。給料日くらい、晩飯に千円くらい使ってもいいと思う。それに二本のお酒付きだ。

 六畳一間のアパートの一室に戻り、唐揚げ弁当を胃に掻き込んだ。久しぶりの肉はやはりうまかった。それから新発売のレモン酎ハイを喉に流し込む。その味はその日一日の仕事の疲れを一気に消し去ってくれた。

「めちゃうめーじゃん、これ」。昔、大好きだったお笑い芸人の漫才がやっているTVを見ながら一人そう呟き、残った一本とチーズ鱈を大事に食べそして飲んだ。

 思えばちゃんとした酒を飲むのは久しぶりである。金のない俺がいつも飲むのはみりんだった。みりんは安いのだ。アルコールが入っているのに酒税が掛かっていないためである。しかしみりんはやはり調味料であって、とてもじゃないが飲めたものではなかった。味が甘く濃すぎる。それもそうだ、みりんは何処までいっても調味料なのだから。

 ある日、家の近くに実っていた梅の実をみりんにつけてみた。結果は成功だった。立派な梅酒となった。だけどそれも尽きてしまった。みりんさえ買う金も無くなった。思えば梅の実は勝手に採ったものだし、思えば、俺が勝手に作った梅酒は密造酒になるのではないかと頭に過ったが、酒をどうしても飲みたかったので自分の中で良しとした。金が無くても、腹がどれだけ減っても、酒は飲みたいのだ。だから、日々もやしだけのもやし炒めを食べていた俺からしたら今日という日の贅沢は、何だかまともな人間に戻れた一日に思えた。


 シケモクに火を点け、二階の部屋の窓から見える隅田川をぼんやりと眺めていた。“どうしてこうなったのか”。そうやって自問自答している毎日が日課となっている。今日は二本も飲んだので酔いが回っていたらしく、いつもより深く考え込んだ。

 バブル崩壊。俺はその言葉にどれだけ振り回されてきたか。平成初期、この国、日本はかつてない程の不景気に見舞われた。民間企業のリストラや倒産が相次ぎ、就活生の学生も諸にその煽りを受けていた。変わりに人気になった職は公務員になった時代。その時の俺はまだ高校二年生の十七才で、漠然とした自分の未来に明確なビジョンが浮かんでこなかった。変わりに浮かぶのは『今が楽しければそれでいい』ということ。そう、俺は当時から刹那に時代を生きていた。どうせバブル崩壊の不景気の煽りで俺達世代はロクな就職なんてできやしない、公務員は敷居が高くなってきたし、俺みたいなのが今を頑張っても“良い未来”が待っている保証はない。だったら刹那に今を生きてやる、精一杯“今”を楽しんでやる。とどのつまり、俺はバブル崩壊という時勢を言い訳に何もしてこなかったのである。


「で、大学を卒業して就職活動は案の定失敗。その結果がこれですか。人生やってらんねぇなぁ。ああ、そして金もない。俺の人生はどうしてこうなった?」


 金がないなら働けと皆はいうが、そもそも働きたくないのが俺という人間だ。寝て食べてお金を貰える生活があるというならば、俺はその生活を目指したい。最近流行の啓発本だとかには、自分自身を高めるだとか、幸せを運ぶだとか、それでお金持ちになれるだとかなどとほざいていやがるが、動機が不純な人間にお金も幸せも降ってきやしない。そもそも生来怠け者の俺は、働いても週に一日が限界だ。だから週に一日の日銭も貰える引っ越しのアルバイトをしているのだ。


「同情するなら金をくれか。きっと同情もされないだろう俺には、その内に同情を訴える相手さえもいなくなるだろう。これは何もしてこなかった俺に与えられた罰だ」


 お決まりの台詞を呟き、次のシケモクを求め山積みの灰皿からまだ長い煙草を探す。果たして俺には住む場所が与えられているだけで、本質は浮浪者と変わらないのではないかと思えた。この住む場所もこのままでは追い出されるだろう。家賃滞納が何ヵ月分か、もはや計算さえもしていない。もう直に俺の人生は終わる気がした。窓から見える、隅田川はいつものように流れている。漆黒の川面には無数のネオンの光がキラキラと輝き、余計にその闇を際立たせていた。世間が大変な事件や天災で大変な事になっていた時代の中、俺の人生も大変な事になっていると気が付いた。

 遠く離れた故郷の京都に住んでいる両親の顔を思い出し、もうとっくに就職していると現状に胸が痛んだ。俺はこの東京で何をしているんだと必死に叫んだ。でも手遅れであるとも分かっていた。この先も、この六畳一間の空間で、もやしだけのもやし炒めを食べ続ける生活なら、密造酒を飲み続ける生活ならば、明日だけは今日よりも“とびっきりの贅沢”をしようと決めた。

 そうだ、駅前の屋台のおでん屋でおでんと酒をしこたま飲もう。その後は自死をしてよいのではないだろうかと、東京の下町を流れる隅田川を見て本気で考えた、ある春の日の真夜中の事。





「嘘でしょう……座長。幸子ゆきこが白血病だなんて」

「こんな時に嘘なんかつくかよ。嘘じゃねーからいよいよやばいんだ」

「じ、じゃあどうするんですか! 本番まで二か月を切っているんですよ!」

「そんなことは、言われなくても分かっている」

美鈴ミ・リンも足の骨折で本番は絶望的なんですよ……。よりによって看板役者の幸子まで。そもそも白血病ってなんなんですか、風邪じゃなかったんですか、幸子は助かるんですか……」

「落ち着け、加藤かとう

「やっと此処まで来たんですよ、俺達。夢みたいな劇場をやっと借りれて、ここから這い上がるつもりだったじゃないですか。座長はどうしてそんなに冷静でいられるんですか」

「だから落ち着け加藤。まだ本番が出来ないと決まった訳じゃねぇ。どんな状況になっても本番はやる。必ずやり遂げる。これは幸子からの伝言でもあるんだよ」

「……幸子は助かるんですか?」

「助からなかったら、それこそ俺達は終わりだ。一度見舞いにいってやれ。好きだったんだろ」

「好きになった事なんて、一度もありませんよ。いないと困るだけです」

「それを好きって言うんだよ。とにかく『ヨダカの星』は必ず公演する。――津田つださん、何か打開策はありますか」

「打開策も何も、抜けた穴は塞ぐしかねぇだろう、座長よ」

「“代役”ですか」

「誰がいるんです。幸子とミリンの穴を埋めれる役者なんて。そもそも、はじめましての奴に任せたくない。俺達だけでやりたいんですよ、俺は。そのための今までだったはずじゃないですか……」

「“いますかね”。津田さん。この劇団の空気に馴染む、適材な奴が」

「んー……思い当たる奴が。名前も連絡先も知らないけど」

「では、任せます。もう一人はこっちで何とか探します」

「ああ、いや。上手くいけば多分。一石二鳥かな」

「津田さんの“勘”を信じます。加藤が言った通り、『劇団ゆうぐれ突撃隊』はこの公演から這い上がるつもりですから」

「心得ているよ、座長。俺もそのつもりだ」





 枕元でうるさく鳴る携帯のバイブレーションで目覚めた二日酔いの朝。画面を見ると久しぶりの『石田大全いしだたいぜん』からだった。大全とは、大学時代からの親友で今も俺と同じフリーター。いや、今の俺は九割が無職か。大全はちゃんと週六で居酒屋のアルバイトをしている、歴としたフリーターだ。だけど俺と同じで就職に失敗。それが何故なのか、俺には分からない。大全は俺と違い、他人とのコミュニケーション能力がずば抜けている。何故この様な人間が就職出来なかったのか今でも不思議に思うが、人には人の描くそれぞれの将来があるのだろう。それはともかく、俺と大全はうまがあった。それとも波長が合うと言った方が正しいのであろうか。面白いことにお互い口にこそ出さないが、お互いがそう思っていた。それこそ確認した事はないが、そうだと確信しあえる仲だった。


石田いしだー。今起きたー」

「知ってる。俺は、今日休み」

「おー。今日は月曜日か。それはあれか、今日は御馳走か」

「おう、いつもの居酒屋で」

「財布は持っていかねー」

垂水たるみの財布に中身があったことがあったか」


 毎度の会話をしつつ、実は内心、心から喜んだ。なぜなら居酒屋でご飯が食べれて飲めるからだ。それも大全の奢り。親友である俺達だが、一つの決まりがある。収入が多い方が奢る事。こいつの月収は二十五万はくだらないだろう。正に夢のような数字だ。フリーターではあるが。そして大学卒業後、収入で勝ったことのない俺はいつも奢られている。

両国駅りょうごくえきでいいか? いつもの居酒屋」

「こっちまで来てくれんのかよ」。俺の最寄り駅は東京墨田区の両国駅で、大全の家は池袋いけぶくろである。離れてはいるが山手線に乗って、総武線に乗り換えたらすぐなので、俺はいつも大全に家の近くの両国駅まで来てもらっていた。

「どうせ、お前電車賃さえないじゃん」

「明日を生きる金さえねー」

「引っ越しのバイトを増やせよ。じゃあ夜の七時に両国駅の改札で」

「おう、じゃあ七時で――」。そう言いかけて俺は昨日、自ら決めた事を思い出した。屋台のおでん屋に行かなければならない。一人だけのとびっきりの贅沢をしなければならない。その後の――、一旦死ぬのはやめよう。大全に来週奢ってもらうために。


「石田、ごめん。今日は行く所がある」

「行く所って、一人で?」

「うん、そう。今日は其処に行くって決めてた」

「そうか。じゃあまた来週誘うわ」

「ありがとう。月曜日だよな、石田の休み」

「おお。……金、あんのか?」

「昨日は給料日」

「そっか、じゃあ来週だな。また連絡する! あ、あと」。そう言って大全は電話を切った。完璧に俺の心の内を見透かされていた。こやつの人の心理を見抜く術は素晴らしい。そして、それに甘えている自分がいることにも重々分かっていた。石田大全がいなければ俺の人生なんて、とうの昔に終わっていた。大全がフリーターなのもこの俺のせいだ。あいつは俺の為に同等の立場でいようとしているのだ。だから、この関係はきっと親友ではない。ならば何なのかと考えたが、すぐには浮かんでこなかった。

 ブラウン管TVに流れている漫才番組を見ながら、そんな事を考えていたが答えは出なかった。ふと思ったのは、目の前にいるTVに出ている漫才師を子供の頃も見たなという、そういえばの懐かしいという感想しかなかった。





 総武線の両国駅東口を出たところに、不定期にやっているおでん屋の屋台があった。地元の京都から上京してすぐの頃、俺はこの屋台に足蹴なく通った。学生時代は親の仕送りで毎晩ここに通い詰めていた。俺自身が酒を好きなのもあるが、店主の人柄も良く、常連の客もまた気さくで居心地が良かった。上京したてで色々と不安だった頃、この屋台には本当に助けられた。酔っぱらって色々と話したものだ。だけどそれも昔。金が無くなった俺には遠い懐かしい“たゆたの思い出”だ。

 だから今日はこの屋台に来るのは本当に久しぶりだ。今日は沢山食べて、しこたま飲もう。金はなくなるが、またもやしだけを食べればいい。一週間すれば大全と出会える。そうだ、居酒屋ではなく寿司でもお願いしてみようか。そう思いながら俺は屋台の暖簾をくぐった。


「あら、いらっしゃい。垂水君、久しぶりじゃない。相変わらずベイビィなお顔」

「こんばんは。お久しぶりです。すみません、中々来れなくて」

「“苦学生”じゃなくなったもんねぇ」

「嫌味はやめてくださいよ」

「あらぁ、嫌味じゃないのに。さすが京都人だわぁ」

「俺はそんなんじゃないですよ。熱燗を一合と、あとは適当に盛り合わせを」

「はーい。二合にしとくわよ、垂水君はだから」

「お金無かったんですよ。ごめんね、マスター」


 久しぶりの屋台はやはり居心地が良かった。ちなみに店主であるマスターの五郎丸さん(“マスター呼び”は本人希望)はもう五十台を迎えるおっさんでオカマである。しかも俺と同じ京都の出身であるため、ちょくちょく嫌味を言ってくる。それでも根は良い人だ。本人曰く、生まれは良いとのこと。


「はい、熱燗ね。そうそう、今日は垂水君に会いたい人がいるの。覚えてるかな、このおじさん」

「ちょっとマスター、おじさんはやめてくれ。こう見えてまだ四十代だ」

「あら、私の十歳も年上じゃない」

「下だよ。さば読むなよ、おばはん」

「お姉さん。つぎいったらころす」

「……うす、すみません。ああ、いやすまんな。実は、君とは“前に会った事がある”」

「僕とですか? ええと、いつごろに――」

「君がまだ学生の頃で、上京したてのころじゃないかな。君は君の好きな映画の話をしていたよ。かなり酔っていたが」

「ええっ! そうでしたか、ごめんなさい。酔うとつい語ってしまう癖があって。それもあまり覚えていなくて……」

「酔わないと、話せない?」

津田つだ君、あんまり若い子をいじめないでよ。口説きには順序があるっていつも教えてるでしょう」


 来て早々、よく分からない状況になった。なったが、この津田という人に俺は会ったことがあるらしい。とにかくよく分からないので、二合の熱燗を飲み干した。そしてまた一合を頼んだ。それもまた飲み干した。とにかく状況が分からなかったし、俺は酒が無いと喋れない。根は暗い人間なのだ。酔うと饒舌になるとは、正にこの俺の事だ。


「ええっと、それでなんか俺に会いたいって、さっき五郎丸さんが」

! ぶっ飛ばすぞてめぇ!」

「すみません。それで、さち子さんが言ってた俺に会いたいってのは」

「単刀直入に言うよ。今日は君をスカウトしにきた。いや、まさか会えるかもしれないと思い足を運んだが、本当に今日に来るとは」

「私の勘は外らないのよ」

「これは、マスターが結んでくれた“縁”だ。さぁ、この書類にサインを」

「いやいやいや、なんのサインなんですかぁ。それにスカウトって、まさか芸能人とかですかぁ?」

「そう、芸能界。これにサインすると君は晴れてウチの所属劇団員となる。売れれば一流のスターだ」

「まぁ飲みなさい、垂水君。今日は私の奢りよ。はい二合」

「何すかぁそれぇ。何時も俺は奢ってもらってばかりでぇ!」

「そうね、それで酔っぱらっているわ」


「“俺だってねぇ、さち子さぁん、自分の金で酔っぱらいたいんですよぉ。だから今日は自分の金で来たんですよぉ! 偉いでしょ、誉めてくださいよぉ。それでぇ、死のうと思ったんすよぉ、でも石田が俺に電話してくるから俺はそれをやめようと思って、あれ、なんの話でしたっけ」


「合格だ。絵に描いた様なクズ人間。ゆうぐれ突撃隊は君みたいな人材を欲している。さぁ、この書類にサインを」

「津田君が“外側”だけで認めるなんて、この子は本物なのかしら? あら、

「使えるか使えないかは、俺次第。こんな子がいるとね、本当に演出家冥利に尽きるよ」

「半ば強制じゃない。勝手にサインさして。訴えられてもしらないわよ」

「強い人間はそんな思考にはならない。上昇志向がある人間はとくに」

「まるで詐欺師ね。追いかけても良い事は起こらないわよ」

「演出家だ」

「売れない変態集団の?」

「……座長は、五郎丸さんを何時までも待っているよ」

「私は“さち子”だって言ってんでしょうが。それと、垂水君のお代は津田さんにつけておくから」

「おお怖い怖い。でもこれは未来の投資だ。『』か。育て方によっては化ける」

「幸子ちゃんより? そうそういないでしょう、本物の中の本物なんて」

「その幸子を見つけたのは俺だ」

「まぁ期待しているわ。ハリウッドスターにでもならして、この店が原点だと宣伝してちょうだいな。お金、欲しいもの」

「夜の店に戻れば、さち子さんならすぐに稼げるだろうに」

「おでんのお金で儲けたいからこうしているのよ。それに、夜のお金にはもう飽きたわ」





 今日も二日酔いのお昼ごろに、昨日に連絡先を交換した津田さんから電話がかかってきた。重たい体を全身で持ち上げ電話に出ると、津田さんは電話越しに改めてこう言った。


『よぉ、舞台演劇やらねぇか? 何かって? 役者だよ役者。お前は舞台役者に向いている。金が欲しいんだろう? 売れたら儲かるぜ。金があれば好きな食い物も酒も女も抱き放題だ。役者をやりゃあ、将来はハリウッドスターだ。サインは貰っているし、契約は完了済みだ。一度ウチに来い。劇団ゆうぐれ突撃隊にな。俺の名刺がお前の財布に入っているはずだ。じゃあまたな。あと、交通費は出ない』



 自分の人生に絶望していた1999年の春の日の事。屋台のおでん屋で酔い潰れた俺は、次の日の朝に小さな劇団と契約を交わしてしまった事実に気づく。内容は、最終的には俺をアメリカのハリウッドまで連れてってくれるらしいということ。でも、それは出来高でもあるだろうと思った。


 とにもかくにも、1999年――ノストラダムスの大予言は世界が滅ぶといったが、正にその通りで、世紀末に俺の世界は津田源三郎つだげんざぶろうという演出家に出会ってしまったがために刷新され上書きされた。それは、桜舞い散る欠片が希望を積み重ねる序章であり、始まりの物語と言えるだろう。


『ゆうぐれ突撃隊にようこそ』。そう言った津田の言葉を今でも覚えている。きっと、この時の世界の岐路は津田が握っていた事であろう。それ程の言霊が当時の津田には宿っていた。

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