秘恋スクランブル!! 〜学園一の美少女の秘密を垣間見てから、俺の周りの美少女たちのアプローチが激しい〜
和雪
プロローグ 学園一の美少女の秘め事
放課後の図書室――
そんな、しんと静まり返った室内に時折響き渡る、何かを我慢しているようで、どこか艶のある声。
この日、新学期を迎え二年生になった
そんな異様な光景に充輝は図書室の本棚の陰に身を潜めて、じっとその様子を伺っていた。
図書室の隅にぽつりと隔離されたように存在する席に座る女子生徒。絹のように白く綺麗な長髪と、瑠璃色の双眸。ほんの少しだけ、紅潮した顔が妙に色っぽく見える。
「あれって、うちのクラスの
そんな彼女は、クラスでも感情を表に出すことがほとんどなく、話しかけても基本的には、スーパードライな対応をされることが多い。そして、名家のお嬢様という肩書を持っているからか、近寄りがたい雰囲気を放っているように感じるクラスメイトは多いようだ。
しかし、目の前にいる彼女は、そんなクールな姿とは異なり、誰もいない図書室で一人、手にしているデジタルペンと机に置いてある、タブレットに何かを書き入れては、興奮したように声を上げていた。
「う、うん……。すごく良い!! アリスティアちゃん、やっといい感じにエッチになってきた、かも……」
イラストレーターの母に持つ、充輝からすると、絵を描きながらハイになっている姿はわりと見慣れたものだった。母は、仲の良い同業の人からは、「絵を描くだけでこんなにうるさい人は初めて見た」と、言われたこともあるそうで、絵を描きながらハイになる人はわりと珍しい部類の人間であるということに、しばらくの間ショックを受けていたことは、充輝の記憶に新しい。
真崎さんも同じ部類の人間なのだろうか。と、そんなことを勝手に考えてみる。
そして何より、真崎さんが、クラスでは絶対に目にすることがないような、テンションで話す真崎さんはとても新鮮だった。
「真崎さん、イラストを描いているのか……。しかも、アリスティアって今日リリースされたあのゲームのヒロインか?」
充輝は、意外なところに同好の士を見つけたことに驚くと同時に、あの、真崎さんから、「エッチになってきた」などと言われてしまえば、気にならないわけがなかった。
充輝は、どんなイラストを描いているのだろうという好奇心に押され、周囲を確認してから更に、真崎さんの近くへと移動する。
相変わらず静かな図書室内に艷やかな声が通り抜けていく。窓から差し込む夕方の陽光に、室内を浮遊している
何とかバレずに移動できたことに安堵しつつ、ほんの少しの罪悪感と、秘密を垣間見ているという背徳感がない交ぜになり、普段感じることができないような気持ちの
「さて、どんなイラストを描いて――!?」
窓から差し込む光の関係で、顔を出したときに、自分の影が出ないことを確認しながら、本棚の陰から、おそるおそる顔を出す。
すると、充輝の視線の先には、頬を赤く染め、熱い吐息を漏らす、真崎さんの姿があった。
「んっ……あっ……あぁっ! んんっ、すごく、いい。ん、ふぅ……。はぁ、すごく、んぁっ。いい、かも――」
「えっ!?」
エッチなイラストに期待を寄せていた充輝の目の前では、エッチなイラストよりも非現実的で、
椅子に深く腰掛け、ペンを持った手がスカートの中へと運ばれていく。それによって、わずかにたくし上げられたスカートから、真崎さんの白く瑞々しい太ももが覗く。真崎さんの座っている椅子も、小さく身体を震わせるせいで、カタカタを音を立てていた。
見てはいけないものを見ている、という意識はありながらも、充輝は、目を離すことができなかった。真崎さんは、そんな俺をよそに更に高みへと上り詰めていく。
「んっ。あぁっ!! 声が、出ちゃう。そろそろ人がくる、んんぅ、かもぉ」
そんな言葉を漏らしつつも、真崎さんは、なおも、もぞもぞと動いては、切なげな声を上げる。
「あっ……。あぁん。ん、んんっ!! も、うぅん。あっ!! いっ――」
一際大きく身体を跳ねさせると同時に、今までで一番大きな声が真崎さんの口から漏れた。
普段では絶対に見ることができない裏の姿に、釘付けになっていた充輝は、自分のいる場所が学園の図書室であるということを完全に忘れていた。
それなりに長い時間、図書室に留まっていれば、いくら放課後の人の少ない時間であるとはいえ、誰も来ないなんてことがあるわけがない。
そんな単純なことにも意識が回っていなかった充輝は、自分の背後にすでに人がいることすら、気づくことができなかった。
ドスッ――
「うっ、あ……」
「――えっ!! だ、誰!?」
何かが風を切る音と、頭部に走る鈍い衝撃。分厚い辞書のようなものが、突然、本棚の高いところから落ちてきたようなそんな感覚。目の前の視線がぐらつき、真崎さんと思われる驚いたような声が遠くから聞こえてくる。
「く、久野島、くん!?」
真崎さんが慌てて駆け寄ってくる足音が、冷たい木の床を通じて届く。
いろいろと情報過多になった頭の中に、さらに外部からの強い衝撃を受けて、意識と記憶が現実から遠ざかっていくように感じた。
最後に充輝の記憶に残っているのは、図書室の埃っぽい匂いと、何度も声をかける真崎さんの心配そうな声だけが、響いていたことくらいだった。
そして、なぜかこの日の出来事をきっかけに、充輝の
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