LIVING BY NECK HUNTING リヴィア帝国制圧戦 後編

SEN

Living by neck hunting リヴィア帝国制圧戦 後編

Living by neck hunting リヴィア帝国制圧戦 後編


台本:SEN  声劇7人台本(男4・女3) 所要時間:60分






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※アドリブ等はストーリーを捻じ曲げない、雰囲気を壊さない程度であればOKです。


※【Living by neck hunting~首狩りこそ生きるということ】~の続編となっております。あらすじ等ございませんのでストーリー等はそちらをご覧ください。



キャラクター紹介





ミアナ(女・18歳)

明るく陽気で優しい最年少。母親の仇であるリヴィア王を打つ為、カイユ・ネイアとリヴィア帝国を陥落させる作戦を立てる。


ネイア(女・20歳)

冷静沈着だがキレると人が狼に見え手がつけられなくなる。居合いの達人。元暗殺者。ミアナの姉で共にリヴィア帝国に乗り込む。


カイユ(男・39歳)

オカマ。元テンペスト副リーダー。【大盾】の二つ名を持つ。旧友デスタとアネミナに託された二人の娘を守るため二人に同行する。剣の腕は凡人だが体を一瞬鋼鉄化できる。


フラス(男・36歳)

リヴィア帝国七騎士団長の一人【義心】のフラス。正義とは何かを常に考えて行動している…が?とある計画を企む。彼の実力を見たものは少ない。剣の腕は神域クラス。


ラウト(男・28歳)

リヴィア帝国七騎士団長の一人【蜥蜴】のラウト。口が悪いが情に脆い。ウサチの兄貴分で妹のように可愛がっている。ナイフと火薬の使い手。


ウサチ(女・27歳)

リヴィア帝国七騎士団長の一人【変激】のウサチ。普段はかわいこぶっているが戦いとなるといろんな人格が出てくる。色々な武器を持っているが一番は愛用の大剣キールを使い変幻自在の攻撃。


ロウガ(男・36歳)

リヴィア帝国七騎士団長の一人【頑槍】のロウガ。槍の使い手。愛槍【アハル・イベルト】は神業武器の一つと言われている。槍で距離を取る戦い方が得意。元カイユの部下、兼弟子。





後編





ネイア

ミアナ

カイユ

フラス

ロウガ

ラウト

ウサチ



■扉閉SE


フラス

「3人とも・・・・・・よく戻った」



カイユ

「なっ!?・・・・・・残りの騎士団長が・・・帰って来たのか」



ラウト

「おーおー!今戻ったぜー・・・おい、それよりこりゃぁ・・・何だ?軍勢でも相手してんのかと思ったら・・・たった3人じゃねぇか・・・リヴィアの七騎士団も墜ちたもんだなぁ?えぇ?ひっははははっ!!」



ウサチ

「ここに来るまでにぃあの嫌ぁなやつらの死骸があったからビックリしたよ~焦ったよねー?ラウ兄ぃ♡」


ラウト

「だな・・・まあクソ雑魚野郎共はどうでもいいとして、だ。そこの3人・・・特に大男・・・見てわかるぜ・・・中々やるなぁ?えぇ?楽しみだっ!ひははっ!!」


ロウガ

「戻りました・・・で、加勢した方が良い感じですか?勿論しなくてもあなたなら余裕でしょうが」


フラス

「もちろんだ・・・余裕すぎて刃こぼれしていないか剣を見ていたところだ・・・俺の剣技は・・・やはり、見えないらしいな」


カイユ

「よぅロウガ・・・久しぶりだなぁ。元気してたか?」


ロウガ

「ん?………あ…ぁあっ!!?あ、あんた・・・っ!!」


ラウト

「お?お?何だ何だ?知り合いちゃんか?」


カイユ

「こんなところで騎士団長しているとはなぁ・・・どんな心境の変化だ?しかし生きててくれたか。ロウガ・・・リヴィア軍にされた屈辱・・・・・・お前は覚えているはずだ・・・ルエホジアの戦いを」


ロウガ

「・・・・・・」


フラス

「ほぅ?これはこれは・・・お知り合いでしたか」


ロウガ

「え、えぇ…俺の・・・命を救ってくれた恩人です。そしてここまで強くなれたのも・・・その男の教えがあったから・・・です」


フラス

「ほぉ・・・これはまた面白い」



○間3拍



ミアナ

「カイユ、あの人は?」


カイユ

「ロウガちゃんのこと?・・・あたしの元部下・・・というか、デスタと私の騎士団の斬り込み隊長よ。」


ネイア

「今は一国の騎士団長・・・凄いわね」


カイユ

「凄いこと、よねぇ・・・全く。誇れる部下だこと」


ミアナ

「一緒に、戦ってくれないかな?」


カイユ

「ロウガちゃんに何があったか知らないけど・・・どうだろうね。あの子はあぁ見えて、こうと決めたら…てこでも動かないわ」


ネイア

「どちらにせよ・・・この状況はまずいわ。剣も無し、オマケに前後で挟まれてる・・・策はあって?カイユ」


カイユ

「策?そんなのいつもデスタの役目よ・・・私はいつも。守り、戦うだけ。とにかく前のフラスとかいう男はあたしがやる・・・勿論加勢はするけど後ろの3人……いえ、2人ね。大丈夫?あなた達で」


ネイア

「愚問ね・・・と、いいたいところだけど・・・どうかな。これまたかなりの手練れだ、油断できない……ん?…どうしたの?ミアナ…ずっとうつむいて」


ミアナ

「お姉ちゃん・・・カイユ…」


ネイア

「何?」


ミアナ

「・・・・・・私、気づいちゃったの」


ネイア

「今は哲学を語ってる場合じゃないわ、敵をしっかり見て」


ミアナ

「もう・・・やめよう?あの人も引けば許してくれるって言った・・・・・・こんな、こんなことしても・・・憎悪しか生まれない・・・・・・父さんは、母さんは戻らない」


ネイア

「はぁ!?ちょっとミアナ・・・あんた正気なの?!目の前でデスタを殺されて・・・母さんも酷い目にあわされ死んだのよ!?アンタは憎くないの?!」


ミアナ

「もぅ・・・・・・もぅ失いたくないよぉ・・・カイユも、お姉ちゃんも・・・死んで欲しくないよぉ」


カイユ

「……ミアナ」


ネイア

「・・・・・・こんなとこで戦意喪失?…ダメな子。実質4対2だわ。いいわ・・・ミアナは私の後ろに居て」


カイユ(小さい声で)

「ミアナ・・・あなたはアネミナの生き映しね・・・・・・」




○間3拍




フラス

「話は終わりましたか?えっと・・・」


カイユ

「カイユ…よ、昔は世話になったわねぇ【無情のフラス】さん」


フラス

「・・・そんな昔の名前まで知っているとは・・・フッ。今は【義心】の────」


カイユ(被せて)

「どっちでもいいわ。………あの時の屈辱は忘れんぞ」


フラス

「あの時・・・・・・そぅ、か・・・あの時のルエホジア城に居たのだったな・・・お前は。そぅか・・・・・・ふむ、気が変わった。…昔の良からぬ噂を広められては私の計画が台無しだ。・・・・・・お前だけは、生かしては返さない。」


カイユ

「貴様の計画がどうなろうとしったこっちゃぁない…叩きのめすだけだ」


フラス

「絶望を味わって、死ね」


カイユ

「オアスに詫びて、死ね」





○場転 間3拍





ウサチ

「ちょっとあんたら話長すぎぃ~待ちくたびれちゃったぁ!やるの?やらないの?どーっちーなーのー♪」


ミアナ

「私達は─────」


ネイア(被せて)

「戦う」



ラウト

「ほぉ?素手で、か?お前の剣は……あぁ…なるほど、フラスに弾かれたのか。あいつの居合は剣を握る間も与えないからなぁ」


ネイア

「ミアナ、構えて…敵をしっかり見て。やらなきゃ、やられる。」


ミアナ

「うん…ごめんお姉ちゃん……足は引っ張らないようにするから」


ウサチ

「そーろーそろいーいかなー?!よっっとぉぉぉぉおおお!」



◆SE大剣抜刀



ラウト

「いよっ待ってました!ただでかいだけの剣みたいな鉄板っ!ひっはははっ!」


ウサチ

「ちょっとぉ?!ラウ兄ぃ?いつもキルちゃんに失礼じゃない?こう見えて立派な剣なんですからねっ!ねぇ~キールちゃーん♡」


ミアナ

「凄い…あの剣…あの子の姿が隠れるほどなんて……それを持ち上げるあの子も凄い・・・ほんとただの鉄板にしか見えない」


ネイア

「ただでかいだけじゃ意味ないわね!身の丈に合わない剣など!」


ウサチ

「ちっちっちっちー甘いな~♪戦ってもないのにそいつを知ろうなんて~あさはかやでー?あさはかやー♡」


ラウト

「出ましたいつものチダイの真似!いただきましたよぉえぇえぇ!エンジンかかってきたな~ウサよぉ!?ひっはっはっははー!」


ウサチ

「ウサのキールちゃんまで見たおなごは…あんた達が初めてよ。ま、最初で最後になるだろうけどね♡」


ラウト

「で?ロウガ、お前はどうすんだ?え?やんのか?やらんのか?あ?」


ロウガ

「3対2じゃ…卑怯極まりない。見てるよ。お前らが負けたら俺がやろう」


ラウト

「相変わらずの正義っぷり…虫唾が走るぜ」


ロウガ(小さい声で)

「この子たち…まさか……あの時の子供なのか」




○場転 間3拍




◆SE剣交


フラス

「なるほど…本当に剣を通さない体なのだな。見事だ。」


カイユ

「そりゃどうも…しかし……本気に見えないのだが気のせいか?」


フラス

「当たり前だろう。本気を出すと一瞬で勝負がついてしまう…つまらないではないか。フフッ」


カイユ

「へっ…じゃぁ…本気を出させて、やるっよぉぉぉおおお!!!」


◆SE岩砕音


フラス

「ほぉ?ユクロを粉砕したやつだな。それで…フフッ、何をするつもりかな?」



◆SE振る


カイユ

「即席の武器だよ…いくぞぉぉぉおおおりゃぁああああ!」


フラス

「なんたる戦い方。野蛮で品が無い」


カイユ

「殺し合いに品なんていらねぇんだよ!如何にして殺るか、だけだぁっ!」


フラス

「そんな大きな物に、私が当たるわけにはいかない。舐めているのかな?」


カイユ

「ヘッ、後ろに跳んだな?終わりだ…ぉぉぉぉおおおおおおおおりゃぁあああ!!」


◆SE岩砕


フラス

「なるほど…フフッ」


◆SE岩が乱れ飛ぶ


カイユ

「なっ……全て……かわしてやがる……並大抵の反射神経じゃない」






フラス

「ふむ…良い運動になりました。が、そろそろ飽きてきたな…少し話さないか?あの戦いについて」


カイユ

「……貴様と相見えた…あの卑怯で下劣な戦いをか?……ゲスと話すことなど、何もない」


フラス

「そうですか。折角時間を与えてあげようと思ったのに……なら、そろそろ本気でいきましょうかね…その面白い体、斬ってみせましょう」


カイユ

「面白い、返り討ちだ…デスタの分までぶん殴ってやる」




○場転 間3拍




ウサチ

「じゃ、いっくよぉー!っせぇぇぇのぉぉぉぉ!っぇぇええええええいいい!!」


◆SE投げる


ネイア

「来たっ!避けて!!ミアナ!!!」


ミアナ

「わ!剣だけ投げてきたっ!?そんな大きな物に当たるわけが────」


ラウト(被せて)

「じゃぁこれは?」


◆SE投げナイフ+刺さる


ミアナ

「ぐっ!!」


ネイア

「っ!?どこからナイフが飛んできたの!?」



◆SE大きな剣が壁に刺さる音


ウサチ

「ん~よぃっしょっとぉぉぉ!」


◆SE大剣抜刀


ウサチ

「ど~う?これ投げられた瞬間~私達の姿見えた~?…見えないよね~?見えてるわけないよね~?……見えたかどうか聞いてんだよぉぉおお!!!!あ゛ぁ゛ん!!?」


ネイア

「み、見失った…あの男の方……この場からいなくなった……」


ウサチ

「私を…無視…しないでよねぇぇえええええ゛!!!」


◆SE大剣振り


ネイア

「また来た!!ミアナ避けてっ!!!!」


ミアナ

「ぐっ…」


◆投げナイフ+刺さる


ネイア

「ぐぁっ!!」


ミアナ

「姉さんっ!!!」


ラウト

「ひっはっはははははー!!!見事なまでに当たる!!面白いほど当たるじゃないかー!!!どうした?どこから飛んできたかわかんねぇか~?そのナイフに毒でも塗られてたらお嬢ちゃん達終わってたな~?」


ネイア

「くっ……はぁ、はぁ…」


ウサチ

「あ~もう!ラウ兄ぃぃ出てきちゃだめじゃない隠れてないとー!」


ラウト

「いっやー我慢できなくてつい、な!ひっはっはははー!!しっかし…こんな奴等に負けるとはな、イーアもチダイも。やはり雑魚だったな。なれ合わなくてよかったぜ」


ウサチ

「幻滅だよねーありえないしー」


ミアナ(呟くように)

「汚い…やり方が」


ラウト

「あ?何か言ったか?」


ウサチ

「何か聞こえたよねぇ~?もう一回言ってみてぇ~?」


ミアナ

「やり方が汚いって言ってるの!!いいかげん頭にきたわ!」


ネイア

「ミアナ…」


ラウト

「…汚い?どこをどう見て言ってる」


ウサチ

「そーだそーだ!戦いってのはこういうもんよ!」


ミアナ

「騎士ってのは剣を持たない相手をいたぶって楽しいものなの?!手負いの、剣を持たない者にこれだけの攻撃…恥と思わないの!?まださっきのユクロって人やフラスってやつの方が騎士道があるわ」


ラウト

「ふむ、なるほど…剣を持ち体調が万全であれば勝てる、と……そぅ聞こえたが………ふざけるなよ?」


ウサチ

「あーほんと知能が足りない低俗のやつらはこれだから。君達何様だい?王の首を狙う賊だろ?騎士道も何もない。賊は殺すのみ、慈悲なんてないよはい論破。」


ラウト

「あ、ユクロやなそれ。ん?ウサ、お前もぅ入ってんのか?」



◆SE剣が飛んできて刺さる×2



ラウト

「っ!?」


ミアナ

「え……これは」


ロウガ

「使え、七騎士団にしか与えられない【七桜剣(シチオウケン)】だ。チダイとユクロから拝借したものだ。もっともな事を言う…リヴィア騎士団に足りていないのは騎士道だ……こんな娘達から教えられるとはな。お前達の腕を見せてみろ。」


ネイア

「……」


ラウト

「ロウガっ!!貴様っ」


ロウガ

「ハンデがありすぎたな、これくらいでちょうどいいんじゃないか?じゃぁな…二人とも、頑張って賊を倒してくれ。もっとも、お前らにこの二人が倒せるとは俺は思わないがな…頑張れよ」


ウサチ

「なっ!?…くっそ…馬鹿にしやがって……いいよ、見せてあげる…私の全力で…何かよくわからない肉の塊にしてやるっ!!!!!」


ラウト

「やるんだな…あれを……よし、俺はお前の隙を守ってやる。思いっきりやれ」


ウサチ

「クソ雑魚共が、肉ミンチにしてやる。喚き散らせ。」



間2拍



ミアナ

「何かしかけてくるよ姉さん」


ネイア

「あんたっ…急にやる気になって…どうしたの?」


ミアナ

「腹が立っただけ…こんなやり方は卑怯だと思ったから」


ネイア

「珍しいわね…そんな怒ってる姿、あまり見れないわ。フフフッ」


ミアナ

「早くあいつら何とかしないとカイユが心配だ…あんな化け物相手にして」


ネイア

「大丈夫…カイユも十分化け物よ。それよりミアナ、あなたチダイを斬った時、私が教えた通りしっかりやったの?」


ミアナ

「やったよ?しっかり【構えて、飛ぶ】って」


ネイア

「あー…やっぱり、違う。間違えてる…だから浅かったのよ……いい?しっかり見て、かまえ───」


ウサチ(被せて)

「はなっから全快やぁぁぁぁぁあああああ!!!!」


◆SE鞭が幾重にもしなり打つ


ミアナ

「これはっ!?さっきの男のっ!!くっ!姉さん!!!」


ネイア

「二人で受けきるのよ!!」


◆SE猛剣交


ウサチ

「受けきれるんわ千手さんぐらいやろうなぁぁぁあああああ!!!!」


◆SE鞭が幾重にもしなり打つ


ミアナ

「くぅ!!!」


ネイア

「うぅっ!!!」


◆SE猛剣交+時折斬られる


ミアナ

「ぐあぁっ!!」


ネイア

「くっ!」


ミアナ

「このままじゃ埒が明かない!!」


ネイア

「あの鞭の剣先見える?同時に弾くよ!!!いい!?」


ミアナ

「わかった!!!」


ネイア

「今よっ!!!!!」


◆SE剣交+剣が飛んで突き刺さる


ミアナ

「やった!」


ネイア

「まだ、みたいよ」


ウサチ

「チッ……次だ。」


◆SE抜刀×5


ウサチ

「ジャミ民族闘いの姿【伍の舞】」




○場転 間3拍




◆SE斬る


カイユ

「ぐぁっ!!」


◆SE納刀


フラス

「さ、今どんな気分です?筋肉の硬縮前、条件反射より更に前に斬られる気分は……あ、難しい言い方でしたかね……気づいた時には斬られている気分はいかがかな?」


カイユ

「ぐっ…うぅ」


フラス

「勝てないことぐらいもぅ察しているだろうに…往生際が悪いですよ。オアスの大盾さん」


カイユ

「……へへっ、嬉しいぜ、お前に会えてよ」


フラス

「……大丈夫ですか?血迷いましたか?負けるとわかっていながらまだ足掻こうとする…醜い」


カイユ

「ふぅぅぅぅうう……ふんっ!!!」


◆SE筋肉


フラス

「なっ!?……あなた・・・ほんとに人間ですか?出血を筋肉で止めるとは……御見それする」


カイユ

「ラウンド3と行こうぜ大将」


フラス

「フッ…化け物め。いくぞ」



◆SE構え



フラス

「はぁっ!!」



◆SE剣交



フラス

「な、斬れない…だと」


カイユ

「どうした?筋肉の硬縮前に斬るんじゃなかったのか?」



◆SE納刀



フラス(心の声)

「見えているのか…いや、ありえない……これを見極めた者は一人もいない……では考えられることはただ一つ……」


カイユ

「今お前が考え付いたことが正解だ。斬られるであろう箇所をずっと硬縮させている。」


フラス

「なるほど…単なる筋肉バカの発想か……だがしかし、それはいずれ限界が訪れる。その時を俺は待てばいいだけだ」


カイユ

「その限界が来る前に俺はお前を倒すだけの事だ」


フラス

「……減らず口を」


カイユ

「イラついたかい?【偽善】のフラスさんょ」


フラス

「っ!?……【義心】だ、訂正しろ。」


カイユ

「訂正?するかよ。」


フラス

「死ね。限界が来るまで急所を狙い続けてやるっ!!!」


カイユ

「やってみろ…このオアスの大盾、並大抵じゃぁねぇぞ」




○場転 間5拍




ウサチ

「おらおらおらおらぁぁあああ!!!二人で受けきれないのかあああああ!?」


◆SE激剣交


ネイア

「ぐっ!うぅぅ!」


ミアナ

「くぁ!っつぅ!」


ネイア

「これはっ!さっきの狼さんの技っ…こいつっ!」


ミアナ

「手足、更に口で剣をっ!五刀流?!ありえない!!」


ウサチ

「あり得るんだよぉぉぉお?!現にやってんでしょうがぁぁああああ!!どこ見てんだあああ!!?」


◆SE激剣交


ネイア

「くぅう!さばききれない…さっきみたいにはいかないしっ」


ミアナ

「くっ!お姉ちゃん!左右に分かれて隙を見て打とう?!」


ネイア

「えぇ!!名案だわっ!」


ウサチ

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…二手に分かれるのね、ああ、そう」


ミアナ

「これで一人に集中してかかれない…でしょ?」


ラウト(被せて)

「お前ら俺を忘れちゃいねぇか?ほいっ」


ミアナ

「っ!?」


◆SE破裂音


ミアナ

「うぁあああっ!?」


ネイア

「何っ!?ミアナっ!!!」


ラウト

「ひっはっはっはっはー!!何だと、何だと思うぅ?」


ウサチ

「っ…ちょっとラウ兄ぃ~使う時言ってよねぇ~?耳がキーンって痛くなるんだよねそれぇ!」


ラウト

「悪ぃ悪ぃ!使うな?」


ウサチ

「遅いしっ!!…もぅ~仕方ない兄だなまったくっ!」


ミアナ

「っく…うぅ……左腕が、火傷してる…」


ネイア

「音といい光といい…火薬ね?さしずめ小さな爆弾かしら」


ラウト

「おぉぉ!さすが正解に辿り着くまでが速い…やるなぁお嬢ちゃん!まぁ、わかったところで対処のしようがないと思うけど…な?ひっはっははははははー!!」


ネイア

「光と音で否が応でも反応してしまう…厄介すぎるわね」


ラウト

「一番相手にしちゃいけないコンビを相手にしてるぜ、…ウサチと組んだ時はフラスをも凌ぐ。死んだぞお前ら。」


ミアナ

「……ふふっ」


ラウト

「…あ?何笑ってやがんだお前」


ミアナ

「おかしいの、だから笑ってるのよ。あんた達のコンビがどうかしらないけどね…私達も中々凄いのよ?」


ウサチ

「ん?さっきの音で頭おかしくなった?斬られすぎて頭おかしくなった?どっち?」


ネイア

「フフッ…いーえ?おかしくなってないわ…あんた達みたいなコンビに私達が負けるはずがない。変な攻撃ばっかりで受け身になりすぎたみたいね…ミアナ」


ミアナ

「真似っ子攻撃とか爆弾とか使われたらそりゃ翻弄されちゃう…けどね?今お姉ちゃんと対角線上になれた…今」


ネイア

「ここからは」

ミアナ

「私達二人の」


◆SE納刀


ネイア

「連携を」

ミアナ

「みせてあげる」


◆SE納刀


ネイア

「姉妹の」

ミアナ

「シンクロを」


ネイア・ミアナ

「舐めないでよね」


◆SE構える


ラウト

「っ……何か来る、ヤバイ…これはヤバイっ!ウサっ!!!構えろぉっ!!!!!」


ウサチ

「っ!?ラウ兄ぃっ!?き、キールくんっ!!!!!」


◆SE構える


ネイア

「見て」

ミアナ

「見て」


ネイア

「構えて」

ミアナ

「構えて」


ネイア・ミアナ

「飛ぶ!!!!!」


◆SE高速で移動 ある程度鳴り続け

◆SE激剣交 ある程度鳴り続け


ウサチ

「なにこれなにこれなにこれなにこれぇ!!?全然姿が見えないじゃない!!!」


ラウト

「くっ……うぅぅ!!受けきるのがやっとだと…なんだこの速さと連打、二人が交互に打ってきているのか!?この距離の俺とウサの両方に交代で…ありえない!!!くそっ!!!ありったけの爆薬をぉおおお喰らわせてやるっ!!!!!ぜぇぇぇぇぇぇ!!」


ウサチ

「ちょっと!!!ラウ兄ぃぃい!?ぅわあっ!!?」




◆SE大爆発音






○場転 間3拍




◆SE地響き


カイユ

「な、なんだ?あの音…大砲の音にも似ていたが……」


フラス(心の声)

「あんなに大量の火薬を…余程追い込まれているのか、ラウト」


カイユ(小声で)

「ネイア、ミアナ…無事でいろよ……」


フラス

「さぁ…覚悟はいいですか?今から、急所を狙いつつ貴方の隙を見つけ・・・そこを狙います。休ませませんよ?」


カイユ

「ふんっ…御託はいい、かかってこい」


フラス

「では……死ね」


◆SE構える


カイユ

「デスタ…アネミナ……俺が、お前達の無念を今、ここで」


◆SE激剣交


カイユ

「くっ…うぅ!おらっ!ぐっ!!」


フラス

「無駄だ、当たらない。それよりしっかり全身守れよ?疎かになると…斬るぞ」


カイユ

「へっ!!貴様こそ、なぁ!!!ぐぐぅううおおおおおおおおおおぉぉおおお!!」


◆SE岩が砕ける


フラス

「これはまた野蛮な…柱を武器にしますか」


カイユ

「おぉぉおおりゃぁああああ!!!」


◆SE岩が砕ける


フラス

「そんな見え見えの攻撃があたるわけが───」


カイユ(被せて)

「っつぉぉおおおおおおりゃあああ!!!!!」


◆SE岩が砕ける

◆SE岩が飛び散る


フラス

「っ!…なるほど、二段構えか。頭が良い」


カイユ(被せて)

「三段構えだぁぁあああああああ!!!」


フラス

「っ!?」


◆SE空振る

◆SE刺さる


カイユ

「ぐぅぁぁああああああああ゛あ゛あ゛!!!!!!!」


フラス

「フッ…攻撃の時こそが最大の好機。このタイミングを待っていた……眼球は流石に硬くはないだろ?」


◆SE抜きとる

◆SE血しぶき


カイユ

「ぐっぐぅぅううう!!くっ…はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ」


フラス

「フフッ…どうした?片目がやられただけだ……まだやるだろう?私は一発も受けていないが?ん?戦意喪失かな?ん?」


カイユ

「はぁ…っくはぁ…はぁ…はぁ…くっ」


フラス

「ただ図体がデカいだけ…速さの前にはただもがくだけ…さぁ左目の視力は奪った。お次は…フッ…その右目だ」


カイユ

「へ、へへっ…ふっはっははははー!!」


フラス

「ついに気がおかしくなったか…可哀想に────」


カイユ(被せて)

「四段構えだ」


◆SE落石


フラス

「何っ!?っぐわぁあああああああああああああ゛あ゛!!!」


カイユ

「はぁ、はぁ、それが、柱を壊した理由だ…二発目の岩砕きも天井を狙っていたんだよ……っぅ・・・左眼はくれてやるが、はぁ、はぁ・・・命をもらう…生き埋めになれ」


◆SE落石


間3拍



カイユ

「っく…痛ぅ…こりゃ左目が完全にやられたな……くそっ…しかし、ようやく仇が討てたんだ…よしとしようか。デスタ、アネミナ…仇は取れ───」


◆SE刺さる


カイユ

「ぐぁっ!!?」


フラス

「誰が?何の為の?いつの?仇なんですか?教えてくれるか」


カイユ

「ぐっ!?…うぅう!い、生きてやがったのかっ!」


フラス

「少し反応が遅れ当たりましたよ…まさか四段構えとは……少し腹がたったよ」


◆SE剣を体から抜く


カイユ

「ぐぅっ!…うぅ…」


フラス

「さて…休ませませんよ?左眼、右腹部…良いところに刺せた……そろそろ反応が遅くなるんじゃないですか?」


◆SE納刀


カイユ

「は、こんなもんじゃ俺は倒せねぇよ…ふぅうう」


フラス

「また血を止めますか…本当に怪物ですね…剣以外で苦戦したのは貴様が初めてですよ。覚えておきますよ、大盾のカイユ」


カイユ

「そりゃ…どうも」


フラス

「では、いきますよ?」


◆SE剣交


カイユ

「くっ…う、はぁっ!っく…(やはり左の視界を奪われたのはデカすぎるな、しっかり死角から狙ってきやがる)っく!!?しまっ───」


フラス

「バランスを崩したな?その右眼もいただくぞおっ!!」


◆SE槍が刺さる

◆SE鞘が壊れる


フラス

「ぐぁぁあ゛あ゛っ!?……ぐっ!?これは…アハルイベルトの槍……ロウガ貴様、どういうつもりだっ!!?」


ロウガ

「フラスっ!!!師匠は殺させないっ!!」


カイユ(嬉しそうに)

「ロウガっ!!!」




○場転 間5拍





ウサチ

「っ…つぅ……ラウ兄ぃ、全部使ったのかなぁ…痛てて…キールくんがなかったら色々直撃してた…助かったよ!ありがとうキールくんっ♡」


ラウト(ここから弱々しく)

「ょぉお…生きてたか、ウサ・・・」


ウサチ

「ラウ兄ぃぃ!ラウ兄いこそ無事だったんだね!よかった!!」


ラウト

「ひっははっ…あたり前よぉ…と、言いたい…ところだが…しくじった」


ウサチ

「左足…左腕……無い……ラウ兄ぃが爆薬で失敗するなんて」


ラウト

「違う……斬られた。爆薬を投げ込む時に俺は見た…あいつら二人同時のタイミングで斬りかかってきやがった……爆薬に物怖じもせず突っ込んできやがった」


ウサチ

「とりあえず止血をっ!だめだよ!?こんなとこで死んじゃぁ!!」


ラウト

「止血ぐらいじゃだめだな……血は流れ出る。ウサ、すまない…これを傷口につけてくれ…それぞれ3個ずつぐらいでいい…だろぅ」


ウサチ

「これって…火薬だよね……なに…するの」


ラウト

「傷口を焼き切る……血は、止まる…早くしろ」


ウサチ

「う……うんっ!!!」


◆SE砂が流れる


ウサチ

「できたよラウ兄…」


ラウト

「あぁ…ありがと……最後に石を俺の口の中に入れてくれ……お前は少し下がってろ…」


◆SE火をつける

◆SE小爆発


ラウト

「んぅう゛う゛う゛ううううううぅぅぅうう!!!!!!」


ウサチ(顔をそむける)

「ひっ…」


ラウト

「っ……はぁはぁ…ぐぅぅっ!」


◆SE火をつける

◆SE小爆発


ラウト

「んんんぅう゛う゛うううううううううううううううう!!!!!!………っは…はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」


ウサチ

「ね、ラウ兄ぃ終わった?」


ラウト

「はぁ…はぁ…あぁ、終わった、焼き切った…すまないな怖い思いさせて。こっちを向いてくれウサ」


ウサチ

「うん!…………あ……あぁ…」


ラウト

「ん?どうした?早く抱きしめさせてく────」


◆SE斬る


ラウト

「れ」


◆SEドサっと落ちる


ネイア

「手と足を斬ったのに生きていたのね、でもサヨナラ?」


ウサチ

「ひ……ラウ兄…ラウにぃい!ラウ兄ぃぃぃいいいいいいいい!!!!」


ネイア

「ん、大丈夫…すぐ逢えるよ?すぐ逢わせてあげるから。」


ウサチ

「ひっ…ひぃや…いや!こないでっ!!こないでぇぇぇぇええ!殺さないでぇええっ!!」


ネイア

「コロサナイデ?新しい言語かしら?……じゃぁね可愛らしい兎さん」


ウサチ

「ぃゃぁっ!!いやあぁあああああああああ!!!」


◆SE剣交

◆SE剣擦


ネイア

「ちょっと、何で邪魔するの?」


ミアナ

「だめ、だめだよお姉ちゃん…もぅ戦う気力も無くした相手を殺すなんて、だめ。ほら、行って。良い子だから」


ウサチ

「ぅん…ありがと…」


◆SE走り去る


ネイア

「ミアナ、あなたいつからそんなに甘くなったの?いつか痛い目見るわよ…殺しておけばよかったと感じる時が何回も訪れることになる。自分以外の信頼のできるもの以外は消しておくに限るのよ…」


ミアナ

「人はすぐに裏切るのも知ってる…けど…それもひっくるめて人間なんじゃないかな…信頼から生まれ分かり合える事もあるんじゃないかな・・・その弱い部分も全て受け入れて私は私で居たい。そう思う。」


ネイア

「甘すぎるわね…人の闇を知らなさすぎる。……まぁ…経験しないとわからないことが世の中には山ほどあるわ…いえ、ほとんどがそう。聞くだけじゃわからない。全て自分の目で見て、自分の耳で聞いて、肌で感じてわかること。私がとやかく言う必要はないわね……好きに生きなさい。」


ミアナ

「うん…私は私のやり方で生きていく。後悔してもその後悔を糧に前に進むよ」


ネイア

「わかった……さ、カイユの元へ行こう、心配だ」


ミアナ

「うんっ」





○場転 間5拍






フラス

「くっ……裏切る、というのか…こんな死にかけの大男のため…ルエホジアの失態で消え、お前を置いて逃げたチキン野郎の味方をするというのか!?」


ロウガ

「この時のためにオレはここに居る…師匠っ!俺は今でも…ストーム騎士団斬り込み隊長ロウガだっ!!ルエホジアでの恨み、姫様の仇!共に今ここで!!」


カイユ

「……へっ…さすがというか、相変わらず1度決めたらてこでも動かねぇやつだ!よく耐えたな。嬉しいぞ」


ロウガ

「実力主義のリヴィア帝国ですから…俺が騎士団長になり二人を待つ。そして挟撃する。デスタ隊長なら、この作戦で来ると思ってましたから」


カイユ

「デスタは逝っちまったが・・・間違いないな。心強いよ、ロウガ…ありがとな」


ロウガ

「そう、ですか・・・デスタ隊長が・・・あ、いえ…礼はまだ早いですよ師匠。やつを仕留めてからです。深手も追わせれたし鞘も壊せた、やつの抜刀も少しは遅くなるでしょう。」


カイユ

「遅くなる?何故だ?」


ロウガ

「あいつの抜刀は、剣に少し細工があったんですよ」


カイユ

「細工?」


ロウガ

「えぇ…あの鞘。実は剣を握ると中から剣を押し出してくる仕掛けなんです。押し出す力と引き抜く力…イコール速さというわけです。まぁそれでも実力はあります…やつの本気は私も見たことがない」


カイユ

「なるほど…しかしこれで、気づいたら斬られているということはなくなりそうだな」


フラス

「くぅ……特注の鞘を……貴様ら…よくも……俺の芸術作品を壊してくれたな……皆殺しだぁぁぁぁああああ!!!」


ロウガ

「来ますっ!!」


カイユ

「あぁ!お前と再び共に戦えること、本当に嬉しいぞっ!!」


ロウガ

「俺もですっ!師匠!…ぃえ…カイユ副隊長!!」


カイユ

「へへっ…………ん?どうしたんだあいつ……構えもしやがらねぇ」


ロウガ

「何でしょう……激高した後急に棒立ちに。あんなフラスはみたことがない……」


フラス

「……もぅだめだ…許せない、許しがたい。出し惜しみは無しだ……俺の長年の計画をここで終わらせるわけには、いかない。」


◆SE噛む音


カイユ

「何か食いやがった」


ロウガ

「あ、あれは……ラニアガスの種…」


カイユ

「ん?なんの種だって?」


ロウガ

「ラニアガスの種…世界樹の根、火竜の心臓、百年花…滅多に手に入らない物ばかり調合してできていますが世界法によって使用禁止とされた秘薬です。爆発的な力を得れると聞きます…調合した者も不明、効果は未知数です」


カイユ

「そんなシロモノ…まずいな……」


ロウガ

「大丈夫です!俺と師匠なら…死線を幾度も越えてきた!!」


カイユ

「ロウガ…強くなったなぁっ!!!嬉しいぞぉっ!!!!」


ロウガ(嬉々として)

「あの連携でいきましょう、昔みたいに!!」


カイユ

「例のやつか、久しぶりだなぁ!いいぜぇ!!」


フラス

「うぐっ…ぐぐぐぐっ…ぐぁあああああああああ゛!!」


ロウガ

「副作用か、今のうちに!師匠!!」


カイユ

「いくぜぇぇぇえええええええええ!!!」


ロウガ

「愛槍アハルイベルトの使い手として恥じぬよう、お前を倒す!!【頑槍】のロウガ改め、ストーム騎士団斬り込み隊隊長ロウガがぁっ!先陣を斬る!!!貫け、アハルイベルトっ!!!!!」


◆SE突く

◆SE刺さる


フラス

「ぐぅあああっ!!!!」


カイユ

「オアスの名の元に、俺がこの最強の盾で貴様を倒すっ!!!ストーム騎士団副隊長カイユがっ!!!蹴りっ上げっ!!!!」


◆SE蹴る


ロウガ

「そして俺がぁぁあ心の臓を、刺すっ!!!!!死ねっ!!!フラス!!!!」


◆SE突く


フラス

「遅い、弱い、熱い…邪魔だなその槍」


◆SE掴む


ロウガ

「なにっぃ!?掴まれたっ?!!」


カイユ

「ロウガぁっ!!!槍を離し一旦退けぇ!!!」


ロウガ

「しかし師匠!!!この槍は──」


フラス(遮って)

「固執。無用だそんな感情。」


◆SE刺さる


ロウガ

「っ!?うぐっぅぅぁああ!!!!!」


カイユ

「ロウガぁぁぁあああ!!!!」


ロウガ

「師匠…最後に会えて、よかった…ほんと……すいま────」


◆SE斬る

◆SE落ちる


カイユ

「ロウガァァァァァアアアアアアアア!!!!!」


フラス

「剣で撫でただけなのに首が飛んだな……熱い、体が燃えるようだ、しかし、傷はふさがり、力がみなぎる……これは凄い…今ならこの世界最強を名乗れる。間違いなく…」


カイユ

「……ロウガまでもが・・・先に逝きやがった…くそっ……何も守れやしない…何が大盾だ…何が……」


フラス

「この力があれがこんなケチな国はどうでもいい…大陸の支配なんてどうでもいい…世界だ、俺は世界を目指せる男だ…いいぞ…いいぞぉぉぉおおおお!!!ふははっふはっはっはっはっはっはっ!!はははははははははははっ!!!!!!!」


カイユ

「……こいつだけは、命に替えてもここで倒す…ロウガ…デスタ…アネミナ…見ててくれ、俺はもぅ何も守らない。盾は、捨てる」


フラス

「ほぅ…今のこのオレを見て尚も倒そうとするか。何も効かぬぞ?いくら斬ろうがすぐ傷も癒える」


カイユ

「関係ない…」


フラス

「ラニアガスの種は神になれる力をくれた…1粒でこの効果だ……世界にある全てを呑めば…ふふふっふははははは!!私より強くなれるっ!!!!」


カイユ

「神なんざクソくらえだ……」


ネイア

「カイユっ!!!!その眼、やられたのか?!」


カイユ

「…ネイア、ミアナ」


ミアナ

「カイユっ!ロウガさんは!?」


カイユ

「死んだよ…俺はまた何も守れなかった」


ミアナ

「そぅ…なんだ。でも、最後に会えて、良かったね……ロウガさん、安らかにお眠りください」


カイユ

「っ!?………アネ、ミナ?」


ネイア

「何をぼさっと突っ立っている?カイユ、やつを倒すぞ」


カイユ

「なっ!?……デス、タ?……二人共・・・ふふっ・・・まさかアイツらに見えちまうとは・・・・・・そぅか・・・ありがとう…まだ、あったな、守るべき者が。」


ミアナ

「それにしてもあれがさっきのフラスとかいう人?別人みたい…」


カイユ

「説明している暇はない…俺が何としてもやつの動きを止める…数秒しか止めれないだろうがその時がチャンスだ…必ず首を落とせ。いいな、二人共。」


ネイア

「あぁ、必ず」


ミアナ

「やってみせるよ」


フラス

「お三方共…別れの挨拶は終わったかな?死の世界での合流のお話はすんだかな?フッ」


カイユ

「あぁ…本当の死を覚悟して挑む戦いはこれが初めてだ……いくぞ、ぅぅぅぅううううううううううううおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」


フラス

「この神の力をその体で倒そうと?あくまでもそういう考えか?愚かな…死ね」


◆SE剣刺さる


フラス

「っな!?……剣が、通らないだと?!首だぞ、何故だ……っぐうぅうう!くそっ離せぇぇっぇええ!!!」


カイユ

「首に来るだろうと思っていた。絶対に離すわけにはいかない。生命力全てかけている。俺の全身の筋がブチブチと切れていっているのが解るよ」


フラス

「動きを止めたところでお前達にはどうもできん!私の勝ちは揺るがない!!ぐうううううううううううううううおおおおおおおおおおおおおおぉぉおおおお!!!」


カイユ

「くそおっ!!!何って力だっ!ネイアぁ!!!ミアナぁ!!!!斬れえええ!!!こいつの首を落とせぇぇぇぇ!!!!」


フラス

「ふっははははは!!どんどん力が弱くなっていくなぁあああ!!?このぉっ!!!このおおおお!!!離せぇぇぇぇえええええええ!!!!」


◆SE刺す なり続ける


カイユ

「ぐっ!ううぅううっ!!ぐぐっぐぐっ!!!決してぇえ!!!離さないぃっ!!!こちとら命をかけた作だぁ!!!はなすものかぁぁああああ!!!ネイアぁぁあぁあああ!!!ミアナぁああああ!!!やれぇぇぇえええええええ!!!!」


ミアナ

「うっ…こんな…カイユ……」


ネイア

「臆すな。やるよ、ミアナ。カイユが命を張っている。やらないと…カイユの命は無駄になってしまう。」


ミアナ

「……うん、やる。合わせようお姉ちゃん」


フラス

「ぐっ!うぅぅううう!!!や、やめろぉ!!!ぐっ!はっなっせぇええええ!!」


カイユ

「ぐはっ!!ぐぐぐぐうううう…じぬ、まで…離ざん゛っ」


ネイア

「構えて」


SE構える


ミアナ

「見て」


フラス

「はっはなせぇぇぇぇぇぇぇえええええ!!!!やめろぉぉぉおおおおおおお!!」


カイユ(心の声)

「デスタ、ロウガ、アネミナ…今からいく……また、馬鹿、しよう、な」


ネイア・ミアナ

「翔べぇぇええええ!!!!」


フラス

「う、うぅぅぅあああああああああああ゛あ゛あ゛!!!」


◆SE居合

◆SE斬る

◆SE落ちる


ネイア

「斬った」


ミアナ

「終わっ…た」


ネイア

「カイユっ!!!」


ミアナ

「カイユ!しっかりして…カイユぅっ!!!」


カイユ

「二人共…よくやったわね……さすが…あいつの…子供達だ……俺は…さすがに・・・もぅ…ここまでだ……」


ネイア

「もぅ喋るな…カイユ…」


カイユ

「二人とも…ほんと……大きく、なった…な…私、は…ははおや…に…なれた…かしら…で、すた……い、ま…いく…ぞ」


ミアナ

「カイユ…カイユぅうう…カイユゥゥゥゥウウウウウウウ!!!」


ネイア

「うっ…うぅぅ…カイユぅ……こんな・・・こんな世界……許されない……」


ミアナ

「お姉ちゃん…?」


ネイア

「ミアナ、リヴィア王の元へいくよ…最後の仕上げだ」


ミアナ

「うん……カイユ、ここで待っててね・・・」




○間5拍





ネイア

「ここね」


◆SE扉開く


ミアナ

「こ、これは…」


ネイア

「死後3か月ってところかしら…風化が進みミイラ化している……王は死んでいた…ってことになるわね」


ミアナ

「あのフラスっていう人がもぅ殺していたのかもしれないね…王様を…そして王子をも殺させリヴィア帝国を乗っ取ろうとしていた」


ネイア

「間違いないわね……さて…殺した七騎士団長の首を晒すわよ」


ミアナ

「え、ヘッドハンターズの大会でもないのになんでそんなことするの?」


ネイア

「この国を変えるのよ…リヴィア帝国は終わった……新しい国に、新しい大陸になるのよこの国は!私達が変えていくの!私達のやり方で」


ミアナ

「うん…幸せな国にしよう…争いが全く無い大陸に。あ、じゃぁ…お父さんとお母さんの名前つけよう!?」


ネイア

「うん!いいかもね!」




○間5拍




ミアナ

「敵総大将、および七隊長の首をここに掲げる!!!」


ネイア

「これよりこの国は生まれかわるっ!!!この大陸の名はデスタアネミナ!!」






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LIVING BY NECK HUNTING リヴィア帝国制圧戦 後編 SEN @sensensenkou

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