第6話 修羅場

 私は真志鳴強華ましなきょうか高校2年、バレてないとは思うけど田中飛優たなかひゆうのことが……好きなの。


 あれは、高校1年の初めの頃だった。クラスにまだ馴染めず友人もまともにできていなかった時。なぜかは知らないけど、学校の昼休みの時間に私に話しかけてきた。あの時は、クラスメイトほとんどが食堂に行ってたんだっけ?


「なぁ、何してんの?」

「誰?関係ない……でしょ?」

「クラスメイトなのにつれないこというなよ。それ、空手の雑誌か?。俺はやったことないけど、構えとかカッコイイよな」

「何?友達いなさそうだからって、同情とかしてんの?迷惑よ!」

「じゃあ、なんでそんな顔してんだよ」


 私は気づかずに、涙がでていた。それを見て彼が、涙を拭う。


「聞き流してもいいから。いや独り言、それでいこう。これは独り言だが、そんなに空手好きなら部活入れば?パンフレットにもあったが、この学校確か空手部あるぞ。入ったら共通の話題もできて友達もできるだろ」


 これが、初めて会話した大切な出来事。大切な思い出。この提案により、私は空手部に入り、友達もできた。


 そして……。


「ねぇ!」

「うん?」

「ありがとう……おかげで、友達できた」

「そうか、良かったな」

「だからね!私とも、

      その……友達になろ!」

「無理だな」

「え?即答!?」

「馬鹿だな〜、友達の作り方下手すぎだろ。いや、不器用なのか?友達っていうのは〜、あれだあれ?あれあれ」

「いや、あれじゃわかんないんだけど」

「とっくに自然となってるもんだろ?」




 〜 現在 〜


「ねぇ、私はね友達の作り方ならあんたに教えてもらったわよ。でもね、デートするほどの仲ってどうやってなったの?あぁ?」

「え〜と……強華きょうかさん?顔近いし、怖いよ?ていうか、何で知ってんの?」

「買い物してる時にたまたま見たのよ!私だって……誘われたことないのに……」

「うん?何て?」

「あんたに関係ない無いわよ馬鹿!」

「いっだ!何すんだよ!」

「紹介しなさいよ……」

「え?」

「私にも泥棒ね……じゃ無かった!想華おもかさん紹介しなさいよ!」


 泥棒猫、想華遠離おもかえんりがどういう人か見極めるため同じクラスではあるが、飛優ひゆうに紹介してもらうのだった。



 (絶対に、この想いだけは負けない!)









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