第63話 現実:兵装 シャベル or スコップ
★シャベル(英:shovel、和名:円匙(えんし、えんぴ))とは、武器の一種である。
ショベルと表記されることもあるが、スコップ(蘭:schop)とも呼ばれる。
このシャベルまたはショベル、あるいはスコップは、斬れる叩ける掘れるそして取り回しが利くという超優良装備であり、WWⅠで一番人を殺したのはシャベルであると言われいる。
◎「シャベル最強伝説」
掘って良し・切って良し・刺して良し・削って良し・叩いて良しの万能兵装だが、一般には土砂・石炭・砂利・雪などの粗い粉状の素材を持ち上げて移動させるための道具であり、
柄と柄の先端に取り付けられたスプーン状の幅広の刃からなる。
漢字では円匙と書き、「えんし」または「えんぴ(本来は誤読だが旧日本軍・自衛隊を中心に呼称される)」と読む。
方言でシャボロと呼ぶ地方もある。
スコップ(オランダ語: schop)は本来同義語であるが、使い分けている場合が多い。
同様の目的を持つ大型の土木機械(油圧ショベル)もシャベルと呼ばれる。
▼シャベルとスコップ:
日本の*JIS規格では足をかける部分があるものをショベル(なんと、シャベルではなくショベルと定義されている)、足をかける部分が無い物をスコップと記されている。
また、一般には大きさによってシャベルとスコップを使い分けており、大型の物をショベル、小型の物をスコップと区別する場合もある。
△西日本地域では、JIS規格に概ね沿った呼び名で、足をかける部分があるものをシャベル、無い小型の物をスコップと呼び、広く使われている。
また、西日本では大型のものをシャベル、小型のものをスコップと呼ぶ。
▲しかし、東日本地域では、人力で掘るために足をかける部分のあるものをスコップと言い、JIS規格や西日本地域の呼び方と入れ替わっている。(代表:剣先スコップ・角スコップ)さらに、これも東日本では大型のものをスコップ、小型のものをシャベルと呼ぶ人も多い。
*JIS規格:
日本工業規格(JIS)では土木用・農事用・家庭用のショベルおよびスコップについて、JIS A 8902 ショベル及びスコップ (Shovels and Scoops)として規格化されている。
原案作成は全国ショベル・スコップ工業協同組合で、1954年(昭和29年)1月30日に制定された。
1988年(昭和63年)1月1日付けで改正されたJIS A 8902では、土砂などをすくう先端部をさじ部、柄を軸部または柄部、末端の持ち手を握り部と称し、さじ部には規定の成分からなる鋼板またはこれと同等以上の品質の鋼板を、軸部にはカシまたはこれに準じる品質の堅い木材(規定の含水率以下)か、構造用鋼・ステンレス鋼・アルミニウム・樹脂などのパイプを材料に用いるよう定めている。
ショベルおよびスコップの図面が記載された付図を参照すると、さじ部が足を掛けることのできる形状になっているモノのみがショベル、そうでないものがすべからくスコップとなっており、ショベルのうち、さじ部の形状がとがっているものを丸形、四角いものを角形としている。
また、握り部についてはアルファベットのYの字の形と定めている。
▼種類:
◉園芸用こて
シャベルは使用目的に合わせて様々な種類がある。
表面にはさび止めの塗装や鍍金が施されるが、砂利等と擦れることにより短期間で摩滅してしまう。
この状態で泥がついたまま放置するとたちまち腐食してしまうため、使用後は洗い流し乾燥させてから保管する。
◉剣(剣先)スコップ
刃先が尖った形状の、日本で土木作業に最も一般的に使用されるシャベル。
全長はおおよそ1メートル強。上記の通り柄の終端はY字型で、二又部分に柄と直交する向きにグリップがついている。
古くは柄の先端に直接握りをつけたT字型であった。
この形態は比較的やわらかい対象に腕の力だけで打ち込む、速さを優先した作業に適する。
海外では2メートル程度の一直線の長柄がついた物も使われており、これは地面に打ち込んで掘り起こす際に梃子の原理で大きな力をかけることができ、硬い地面を掘るのに適する。
◉角(角型)スコップ
平スコップとも呼ばれる。
先端が直線状の方形のブレードを備え、剣先スコップに次いで主用される。
堅い土には食い込みやすい剣先、砂地など軟らかい箇所には一度に多くを掘り取れる角型と、土質により使い分ける。
また、掘る以外にも砂利や堆肥などを取り分ける作業で対象を残さず掬い取ることができる。
◉窓スコップ
ブレードにいくつも穴が開けられている。
粒の大きい砂利を篩い分けたり、粘土質など固まりやすい対象をすくうためのスコップ。
通常のスコップより軽いため、大きな土塊になるものを扱う作業の労力を軽減する。
◉石炭用シャベル
幅広で平らな刃を持ち、石炭がこぼれ落ちないように刃の両脇が曲げられている。
Dの字状(柄から二又に分かれた取っ手に横棒)の取っ手が付いている。
◉雪かき用シャベル
刃はアルミニウムやプラスチック製の軽量で、非常に幅広で湾曲し、取っ手として柄に横棒が取り付けられている。
雪を押し、持ち上げるように設計され、老若男女を問わず扱えるように軽量化したが、その代償としてブレードが軟らかい材質で作られており、特に舗装路上で使うと急速に磨耗するのが欠点で、消耗品として割り切る必要がある。
◉スペード(英語:spade)
土掘り用のシャベルで、刃はゆるく湾曲しており両脇は無い。
刃の先端は尖っているが、反対側は平たく成形されている。
刃を地面に突き刺して土をすくうが、この時刃の平たい部分に足を掛け、体重を載せる事で刃を地面に深く差しこむことができる。
spade(原義は「剣」)の日本語訳としては踏み鋤が当てられるが、こちらは農具である。
◉園芸用こて(英語:trowel)
片手で持つ小型のシャベルで、苗の植え替えなど園芸用途に用いるもの。
移植ごてとも呼ぶ。
◉塹壕用シャベル
軍隊でのシャベルは塹壕用シャベルが軍用シャベルである。刃の形状は剣先スコップ、もしくはスペード型に似ている。
或いは玉ねぎやも知れぬ。
塹壕用シャベルの第一義的な任務は塹壕を掘ったり整備したりすることであるが、塹壕戦においては敵兵との不意の遭遇も多かった。
そのころには刀槍による白兵戦は廃れていたが、手持ちのシャベルは近接格闘・護身には有用な武器になることから、殺傷力を高めるために縁を研いで刃付けする場合があった。
現在主流の折りたたみ可能な製品は、掘削器具として使いやすいよう設計されている反面、武器としての利用には適さない形状であることが多い。
第一次世界大戦以来、シャベルは戦場において特に白兵戦の際の打突武器として、ときには飛び交う銃弾や砲爆弾の破片から生身の兵士が命を守るための塹壕を掘る道具としても有用である。
また排泄物の臭気を巻き散らさない事は戦場の住環境を守るためだけでは無く、敵側に気配を察知されないためでもあり、自らの排泄行為のために地面に穴を掘るための道具として必需品となった。
第二次世界大戦の時ソビエト軍兵士と赤軍パルチザンもシャベルを白兵武器として使い、現代のロシア軍スペツナズもシャベルを使う戦闘技術を訓練している。
このため歩兵を筆頭とする兵士の個人携行物となっているほか、多くの軍用車両の装備品の一つとしてシャベルが採用されている。
これらは車内に納められるか車外にツルハシやジャッキなどとセットでクランプ留めにされ、車両がスタックした場合や陣地を構築する際に活用される。
日本陸軍では土木工事用の大きなシャベルを「大円匙(だいえんぴ)」、携行用を「小円匙(しょうえんぴ)」と呼び分けていた。
大円匙は工兵が使用するものであり、工兵達は歩兵の携帯する小円匙を「耳かき」と呼んで軽んじていたという。
兵士の個人携行物の一つである小円匙は、使用時に柄を刃部へ差し込み、摩擦力だけで留める構造となっていた。
折りたたむことはできないが、携行時は柄と刃に分離したうえで背嚢に縛り付ける。
柄の中ほどと刃部の上側(柄の取りつけ部付近)に穴が設けられ、両者にロープが通してあった。
このロープは刃と柄の紛失防止のほか、組み立てた小円匙を肩に負うためにも用いられた。
なお、柄頭部分の先端には柄手がなく、代わりに丸く成形されている。
1930年代後半に制式採用された九八式円匙の刃部は、防弾鋼鈑で作られ刃中央部に設けられた小穴を覗き穴として簡易な防盾(盾)として使用できるようになっていた。
自衛隊でも塹壕を掘ったり排泄物を埋めるために兵士がシャベルを携行している場合もある。
そこそこ長く、さじ部が金属製で盾としても使え、片手でも両手でも扱えるため、現代でも各国の軍隊は有事の白兵戦においてシャベルをも武器として扱えるように教練していることが多い。
事実、第一次世界大戦の塹壕戦では、シャベルを手にした白兵戦が各地の戦場で発生しているからだ。
わけてもロシア(ソ連)はシャベル術に熱心であり、往時の赤軍も製作・使用していたという。(後述)
中国の人民解放軍が採用している軍用シャベルは、これでもかと言わんばかりに機能を詰め込んだ万能シャベルである。
中国の多目的軍用シャベルは土を掘るのは当たり前で、さらに先端を変形させてクワのようにして掘ることも可能。
他にも片側が包丁になっていてその鉄板は調理器具として料理にも使えたり、もう一方がノコギリになっていたり、金槌・釘抜き・ニッパー・メジャー・ハサミ・栓抜き・缶切りなどの細かい機能も搭載。
さらに潜入するためのアンカーやピッケルとして、ボートを進ませるためのオールとして、或いは防御の為のシールドに、などなどスイスのアーミーナイフも真っ青と言うぐらいのただ事ではない万能さを発揮してくれます。
中国でも軍用シャベルが開発されているあたり、共産圏では必須の携行武器なのかもしれない。
共産圏では兵士は畑で取れるそうだが。
一方のソビエト連邦軍(ロシア/労農赤軍)もまたシャベル術に熱心であり、シャベルに特殊な兵装を搭載していた。
往時の赤軍は37mm軽迫撃砲という、迫撃砲とシャベルを合体させた土木兵器を製作・使用していたというのだ。
砲身部分を柄として、スペード形の底板を刃として組み替える、迫撃砲兼シャベルとなる37mm軽迫撃砲である。
概要:ソ連の兵器「どうしてこうなったのかはわかるが、何がしたかったのかはわからない」
37mm軽迫撃砲(ロシア語:Миномёт-лопата 英語:37mm Spade Mortar)とは、第二次世界大戦で赤軍が使用した軽迫撃砲。
シャベルを三つに分解して組み立て直すと前装式の軽迫撃砲になる構造をしており、シャベル兼用迫撃砲という他に例の無い、むしろ他にはありえない構造をしている。
運搬から射撃まで全てを兵士1人で行う構造になっており、照準装置は無く、照準すら目分量である。
兵士1人が15発程度の弾薬を携行する。
これを鹵獲したドイツ軍ではその存在に悩んだ末、鹵獲兵器番号Spatengranatwerfer 161(r)を与えた。
Spatenはショベル、Granatwerferは迫撃砲を意味する。
無論第二次世界大戦当時も当然役に立っていなかったが、1990年代になってからもなぜとの疑問を問うべき同様の兵器、40mm榴弾発射筒付ショベル(Гранатомёт-лопата Вариант)が開発されている。
全体の構成は37m軽迫撃砲に酷似し、GP-25用のグレネード弾を使用する。
さらに信じられない事に後継兵器として、現代ロシア軍にもシャベルの柄の部分が単発式擲弾発射器となっている“Гранатомёт-лопата Вариант”が存在する。
現代のロシアでもシャベル術にかけては熱心であるのだろう。
もう一方のアメリカ陸軍では、第二次世界大戦中の1943年にM1943 Entrenching Tool(直訳:「1943年型塹壕掘り工具」)を採用している。
M1943は柄と刃の取りつけ部分が回転して折りたたみができる設計で、
携行に優れるだけで無く、刃が柄と90度の角度で固定できるので、鍬(くわ)のように使うことができた。
柄頭部分に取っ手はない。同様の構造のものが、現在でも各国で軍用あるいは民生用として製造されている。
無論、当然のコトながら迫撃砲や擲弾発射器機能など搭載されていない。
さあこれからは、これらシャベルとスコップを異世界に持って行けば何でも出来るし、君もモテモテになれるぞぅ!!
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