45話 女子たちの日常その2

 ネールが仲間に加わって歓迎会を昨夜行った。


 夜まで俺達は会話を繰り広げながら楽しんだ。


 ヴィクトリカは凄い勢いで食べて飲んでいた。


 よく太らないなと内心思ったが全て栄養は胸にいっているに違いない。


 

 その後俺以外は宿屋で爆睡した。


 一人増えても問題なし。


 六人で寝れるだけの広いベッドの宿屋をとっていた。


 問題は相変わらず抱き着かれてドキドキして眠れなかったこと位だ。


 

 そして現在――



 「じゃあ俺は今日は宿屋で寝てるから何かあったら起こしてくれ」

 「オッケー!!」

 「了解なのじゃ」

 「はーい」

 「分かりました」

 「分かった」

 「じゃあセーブ」



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 スロット1 デイルの宿


 スロット2 デイルの宿


 スロット3 空き


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 俺はスロット1に上書きセーブをした。


 これで問題ないだろう。



 「じゃあ各自休息を楽しんでくれ」

 


 俺がそう言うと俺の横にもぞもぞとラフレアが入り込む。


 うん?


 一体何をしているんだ?



 「私も寝てるから皆遊んできていいよ」

 「おい、お前も寝るのか」

 「一緒に寝ましょ!!」

 「まあいいけど」



 俺はラフレアと一緒に寝る。


 リア達はまったくという笑みを浮かべていた。


 ちょっと「羨ましい」と聞こえた気がしたが気のせいだろう。



 「じゃあ二人とも留守番宜しく」

 「了解」

 「はーい」



 こうして俺とラフレアは寝る。


 一方のリア達は休息を楽しむのであった。



    ♦


 俺とラフレアは現在リア達が出かけて二人きりである。


 俺は正直滅茶苦茶眠いのだが、ラフレアが隣にいるのでドキドキして寝られない。



 「何、緊張してる? 鼓動早いよ」

 「逆に聞きたいんだが緊張しない理由があるのか?」

 「まあ異性だしね」

 「分かってるなら離れろ。ていうか異性だからというよりラフレアだからだ」

 「え? それって私が魅力的ってこと?」

 「まあそうだが。別にラフレアだけじゃないけどな。リアやヴィクトリカやアリスやネールだって魅力的だが」

 「ふーん、誰が好きなの?」

 「難しい質問の答えは返さない主義だ」

 「いつか返事聞かせてね」



 何か告白の返事待ちみたいになってる気がしたが気のせいだろうか。


 そして同時にラフレアが俺に抱き着き一緒に寝る。


 胸が凄い当たる。


 柔らかい感触を俺の体全体が覚える。



 「おやすみ」

 「ああおやすみ」



 俺はドキドキしながらも一緒に眠る。


 ラフレアは幸せそうだった。



    ♦


 リアとアリスは現在観光をしている。


 デイルの民族衣装や独自の文化などを堪能している。



 「この踊りは不思議な踊りですね」

 「そうね。凄い迫力があるわ」

 「景色も綺麗ですね。紅葉が綺麗です」

 「そこの団子屋で団子買って観光しましょう!!」

 「そうですね」



 リアとアリスは団子屋で美味しそうな三食団子を購入する。


 焼き目もついていて凄く美味しそうだ。



 「美味しい!!」 

 「本当ですね。甘みもあって凄い美味しいです!!」

 「ラークやラフレアも来ればよかったのに!!」

 「ラークは昨日眠れなかったそうですよ。ラフレアはいつもの事ですし」

 「何かお土産買いましょうか!!」

 「そうですね」



 リアとアリスは観光を楽しみながらぶらぶらと旅をする。


 そして夕方近くになる頃、団子屋で団子をお土産として購入して宿へ戻った。


 

 「ただいま!! ってまだ寝てるし」

 「幸せそうに寝ていますよ」

 「私達もダイブ」

 「じゃあ私も!!」



 ラーク達が知らない間にリアとアリスがベッドに入って来ていた。



    ♦


 ヴィクトリカとネールは露天商の食料市場で色々買いこみ食べる。


 

 「美味いのじゃ。この甘さ、弾力、これが団子なのじゃ」

 「好きなんだね食べるの」

 「うむ。妾は食事が大好きなのじゃ」

 「じゃあ美味しい店紹介してあげる」

 「本当か!? 楽しみなのじゃ!!」

 


 ヴィクトリカは団子を食べ終えると次にネールが紹介する饅頭屋へと向かった。


 中に餡がぎっしり詰まった丸い饅頭はとても美味しい。



 「口の中が幸せなのじゃ!! 帰りにお土産として買って帰るのじゃ」

 「そうね。買って帰りましょ」

 「もう一個だけ食べるのじゃ!!」

 「そんなに食べて大丈夫?」

 「全然平気なのじゃ」



 ヴィクトリカの食べっぷりにネールは驚いた。


 そして同時にネールはいつも一人だったので仲間とこうして一緒に楽しむこの時間が凄く貴重で幸せに思えた。


 母がくれたネックレスが夕焼けに照らされる。



 「そろそろ宿に戻らないと」

 「そうじゃな。では帰るとするかのう」



 沢山買って沢山食べたヴィクトリカ。


 幸せな時間を味わったネール。


 二人は満足そうに宿屋へと戻る。



 「あれ? まだ寝てるのじゃ」

 「しかも増えてるね」

 


 二人は顔を見合わせて笑った。


 そしてベッドに二人は潜り込んだ。



    ♦


 俺は日が沈んだ頃目が覚める。


 すると何故かベッドに全員寝ている。


 いつの間に!?



 「何故寝てるんだ? 遊びに出かけた筈では?」



 そう思いながら俺は寝ぼけた頭を覚ます為、冷たい水を飲んだ。


 それにしても可愛いな。


 五人の美少女がベッドで幸せそうに寝ている景色は壮観だ。


 俺は悪戯心か、リアの頬を突っついた。


 

 「全然起きないな。温泉貸し切りにして入って来るか」



 俺は温泉を貸し切りにして温泉に一人浸かる。



 「ふぅー。いい湯だ」



 そう呟いた時湯煙の中人影が複数見えた。



 「うん? まさか?」

 「起こしなさいよ。私達も寝ちゃったじゃない」

 「何で入って来るんだ。貸し切りとは言え俺が入っている」

 「昨日も一緒に入ったじゃない。何よ今更」

 「いや、そういう問題なのか?」

 「そういう問題」



 リア達は身体を洗った後、温泉に入って来る。


 体を洗っている間、俺は少しだけ見た。


 いや少しだけだからな。



 「それで楽しかったか?」

 「ええ。凄い楽しかったわ!! 今度は一緒に行きましょう」

 「ああ」



 どうやら皆満足らしい。


 ネールが俺に近寄って来る。



 「楽しかった。ヴィクトリカって凄い食べるんだね」

 「ああ凄いだろ。食費も凄いぞ」

 「ははっ。その分稼がないとね」

 「そうだな。それとここなら気兼ねなく姿隠さなくていいだろ?」

 「その為に貸し切りにしてくれたの?」

 「まあそれもあるが、色々とな」



 リア達の裸を他の誰かに見られたくない。


 その独占欲が金貨を支払ってまで貸し切りにした理由でもある。


 勿論ネールが気兼ねなく疲れを取れるようにと言う理由もあるが。



 「ありがとうね。色々と。私このホワイトアリスで頑張るから」

 「ああ期待してる。宜しくなネール」

 「うん宜しくラーク」



 俺達はこの日充実した休息を取った。


 さて明日からは気合を入れなおしてクエストガンガン受注しよう。



 「セーブ」



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 スロット1 デイルの温泉


 スロット2 デイルの宿


 スロット3 空き


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 俺はスロット1に上書きセーブした。


 そう言えばロードが速くなった実感は感じられた。


 前なら体感10秒くらいに感じたが今は5秒位だ。


 どうやら俺の能力はまだまだ進化の余地があるらしい。

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