「やり直しなんていらねえんだよ!」とパーティを追放されたけど、もうセーブもロードもないんだよ? ~崩壊したってもう遅い。俺を拾ってくれた美少女パーティと宿屋にいく~
41話 デビルメイデンAランクに降格する
41話 デビルメイデンAランクに降格する
ラーク達が順調な歩みを見せている頃、デビルメイデンは転落人生を歩む一方だった。
「くそ、何故だ! 俺達が失敗する筈ねえ!」
「バレッドどうするの? このままだと……」
「次こそはだ」
バレッド達はダークオーガ討伐に失敗してから更に歯車が狂ったようにクエストを達成できず失敗続きでいた。
まあそれもその筈、バレッド達は焦りすぎていた為自分たちの実力とはかけ離れたクエストばかり受注していた。
ダークウルフ、ダークドッグ、ファイアオーガ、ファイアドラゴンなどなどだ。
結果的に今まで味わったことのない程の屈辱を【デビルメイデン】は受けた。
そして更にバレッド達に悲劇が襲い掛かる。
「デビルメイデン様少しお話があります。宜しいでしょうか?」
「ああっ!? 何の話だ?」
「非常に重要なお話となります」
「そうか。貴族からの直々の依頼だな」
この期に及んでバレッド達は夢を見ている。
貴族からの直々の依頼などと。
来る筈ないのだ。
これだけ失敗続きで信頼度を無くしている【デビルメイデン】に。
バレッド達は受付嬢から話を受けるためにソファに腰を下ろした。
相変わらず態度が悪く、まるで傲慢な王族や貴族のような態度だ。
それを見た受付嬢は内心哀れに思った。
悲しい人物だと。
醜い人物だと。
「それで話って何だ? 早くしてくれ」
「デビルメイデン様の信頼度が落ちている話は前回したと思います」
「だから何だ!!」
バレッドは受付嬢に向かって怒声を浴びせた。
受付嬢は眉一つ動かさず淡々と続きを口に出す。
「この度デビルメイデン様のランクをAランクへと降格することが決定いたしました」
「は!?」
「もう一度言います。Aランクへと降格することが決定いたしました」
バレッド達は受付嬢の言葉の意味を理解できなかった。
こいつは何を言っているんだ?
俺達が降格? あり得ねえ。
そんな感情が渦を巻いている。
「冗談言うためにわざわざ呼んだのか!! ああっ!!」
「いえ冗談ではありません。これは冒険者ギルド本部からの通達で、決定事項です」
「嘘だ!! 俺が、俺達が降格なんてあり得ねえ!!」
「再びSランクへ昇格できるよう祈っています。ではお話はこれで全部です」
そう言って受付嬢は去っていく。
バレッド達は放心状態である。
そしてバレッドは苛立ちの余り、ソファを思いっきり蹴った。
「糞がああああああああああああああ!!」
「何よ。私達が降格? あり得ないわ!!」
「意味が分からないよ。僕たちが降格? 冗談はきついね」
「私達が降格。そんな筈ありません。あり得ません」
「私が降格。ははっ、何かの冗談に違いない」
全員現実を認めようとしなかった。
当然だ。僅か一年で【デビルメイデン】はSランクまで上り詰めたのだ。
それがラークを追放してから、僅か数週間で降格など彼らのプライドが現実を認められる筈なかった。
それでも現実は残酷だ。
結局認めるしかないのだ。
バレッドは内心思った。
ラークを追放してから順調ではなくなったのではないかと。
あいつが疫病神で疫病だけを残していなくなったのだと。
バレッドは決してラークのお陰で成り立っていたパーティーだとは認めたくなかった。
その為上記のような考えが浮かんだのだ。
「降格したのは仕方ねえ。直ぐにもう一度Sランクへ昇格するぞ」
「ええ。さっさと昇格しましょ」
「同感だね」
「はい。そうです、さっさと昇格しましょ」
「私がAランクなどあり得ない。私は最高の存在なんだ」
バレッド達は再びSランク昇格を目指す。
だがバレッド達は気づいていない。
自分たちがもう二度とSランクに昇格できない事を。
【デビルメイデン】が日の目を見ることは無い事を。
それでも彼らは勘違いして歩みを進める。
一方のラークは幸せな人生を歩んでいる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます