第9話 彼女との愛
「ジェーナ、不安がることはないよ? 安心して私の胸に飛び込んで!」
そんな事を言われたところで安心できるはずもありません。
むしろ余計に不安が増したのです。
なのでもう諦めたことにします。
私は、覚悟を決めて彼女に抱き着きキスを始めました。
(もうどうにでもなれ!)
と思ったからです。
彼女もそれに応えるように、舌を絡ませたり激しく吸い上げるなど濃厚で甘い時間を過ごします。
暫くの間続けていると息が苦しくなって思わず口を離そうとしたのですが、
逃さないとばかりに両手で押さえられてしまいました。
逃げようとしても動けない状態だった為、そのまま受け入れるしか選択肢がありませんでした。
それでも嫌な訳ではないのでされるがままになっていましたけど、何度も繰り返された結果、
段々と気持ち良く思えていきもっと欲しくなってしまったのです。
「ハァ……ハァ……」
息を整えている間に、次に求められた時には更に甘く濃厚なものに変わっていったのです。
そして、最後に首筋に噛みつかれてしまうと私の意識は次第に遠のいていくのでした。
次に目を覚ました時、私は素肌のまま腕を縛られており身動きが取れないようにされていました。
周りを見渡すとボロボロになった大きな倉庫の中だとわかり、慌てて逃げようとするも足だけしか動かずでした。
よく見ると足首に鉄製の重りを付けられています。
とても重くてとてもじゃないですが、引き千切るなんてことは出来そうにありませんでした。
むしろ力を込めて外すことは出来そうもなく動かすことさえできずにいたのです。
そうするとガルアレーアが檻を開けて登場してきました。
彼女がガルアレーアだったということにも驚きましたが、
それ以上にどうしてこんなところに閉じ込められているのかが気になりました。
「目が覚めた?」
何て、ニコニコしながらこちらを見てきます。
私は彼女の、あの銀色の瞳に見つめられるだけで心を奪われてしまい身動きが取れなくなってしまいました。
ガルアレーアは私の口の中に指を入れ込むと無理やりこじ開けるようにして、そのまま舌を弄ってきたのです。
あまりのくすぐったさに声を上げようとしていたのですが、口を塞がれているため出来ませんでした。
「ジェーナ、大好きだからさ、何時までも一緒に居てね」
「ん!?」
その言葉に私は思わず首を横に振ってしまったのです。
そうすると、彼女は少し寂しそうな顔をしていました。
それにしても、今ガルアレーアは私の事好きって言ったよね?
なら何でこんなところに閉じ込めたのか分からずに困惑していると、それに気づいたようで教えてもくれなかった。
そんな状況では混乱せざるを得ないのですが、その間にも彼女の舌が私の中に入ってきて唾液を吸い取られる感覚に
襲われたり歯茎の裏側をなぞられたりして段々頭がボーッとしてくると彼女は満足したように唇を離します。
それでもやっぱり私の顔を掴んでじっと見つめたままです。
彼女の目からは逃げられないそんな気迫があって私の身動きは取れませんし、
ここまで蹂躙されてしまったら何もいうことは出来ずジッとしていることしか出来ません。
そんな私にガルアレーアは一切触れてくる素振りはありません。
むしろ、このまま何もしない気なのかと思い始めた頃でしたでしょうか?
「よし、ジェーナ今日は一緒に食事をしようか!」
と、突然言い出したので面くらいつつも首を縦に振ったのですが、
彼女はその場で座り込んで大きな肉の塊を取り出すとかぶりついてしまったのです。
呆然と見ていることしか出来ずにいる私を置いて、ただただ食べ続けている姿に
困惑していましたが、彼女が途中から私の方を見ながら肉を咀嚼していることに気がつきました。
彼女が飲み込んだ次の瞬間私は何が起きるのかに気づき慌てて飛び起きようとしましたが、既に遅かったです。
彼女によって首筋を噛まれてしまいそこから血を吸われてしまった為、
次第に意識が朦朧として行く中で彼女から愛の言葉を掛けられましたけど、
その時の私は何を言われているのか理解することが出来ない程興奮していたのだと思います。
そのまま流されるままに関係を結んでしまいましたけれど、
その後、何度か会って彼女の血を与えられてしまいますと最早拒むことは不可能になっていましたのでした。
「おはようジェーナ、今日も宜しくね?」
と微笑まれながらいきなり下着姿にさせられてしまいました。
何をするつもりなのかわかりませんでしたが、強引に腕を後ろで縛られてしまったのです。
「如何して、こんな事をするのよ、私は逃げないよ」
「嘘、ジェーナは私から逃げるつもりでしょ?
だから、こうやって逃げられないようにしているんだよ?」
そう言って彼女は私の唇に手を伸ばしてきたのです。
「駄目、まだ心の準備が出来ていないんだってばぁ~!」
なんて叫びながら抵抗するも、全く意味を成さずあっさりと捕まってしまいそのまま口づけをされてしまいました。
その時には既に体を固定されており抵抗が出来ない状態なのでされるがままでした。
ただ、彼女から与えられる唾液を飲みながら、何とか耐えようとするので必死です。
しかし、その一方で思考する余裕が出てくると目の前にいる女性がとても美しいことに気が付きました。
こんなに美しい女性を見たことがなかったからです。
なので思わず見惚れてしまっていると彼女は意地悪く笑い始めたのです。
「何? ジェーナは私の事を見詰めちゃうくらい好きなの?
だったらもっと見ても良いよ?」
そう言って私を抱きしめるかのように近寄ってくると彼女はキスしてくるのです。
「うん、大好き。幸せ過ぎて、私怖いくらいだよ」
「何言ってるのよ? これからもっと幸せになるんでしょ?」
「勿論、そうだよ!」
私はそう答えた後、もう一度キスしてもらいました。
そのまま暫くの間はお互いに求め合いながら濃厚な時間を過ごしました。
その余韻に浸っていると、彼女は嬉しそうに目を細めていました。
そんな姿がとても可愛らしく見えてしまい思わずニヤけてしまいそうになるのですが、我慢します。
そうしたら彼女にバレてからかわれる恐れがあったからです。
だから必死に堪えたのですが、既に遅いようです。
何故なら彼女が、こちらをじっと見ているのですから……。
流石にこれ以上隠す事は出来そうにないので素直に話すとしましょう。
そうすると彼女は溜息をつきながら額に手を当てたので不思議に思っていますと、
何故か今度は私が押し倒されてしまいましたのでした。
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