第7話 ジェーナ⑤

何度も繰り返している内にどんどん体力を奪われていき、

ついに力尽き倒れてしまうと意識を手放してしまいました。

次に目を覚ました時、最初に目に入ったのは見慣れない天井でした。

周りを見回してみると自分の部屋ではなく、知らない部屋で寝ている事に気付き、

戸惑いを隠せないでいると隣から声が聞こえてきました。

振り向くとそこには、何故か下着姿のガルアレーアがいたのです。

突然の事に驚き固まっていると、彼女は私に抱きつき強引に唇を奪ってきたではありませんか。

舌が入ってきて口内を舐め回される感触にゾクゾクしていると、

不意に離れていき名残惜しさを感じてしまいました。

もっとして欲しいと思っていると、突然押し倒されてしまったのです。

「ふふ、可愛い反応をするじゃない」

そう言って妖艶な笑みを浮かべる彼女を見ているうちに段々と興奮してきてしまい、呼吸が荒くなりました。

そんな私の様子を見て楽しむかのように見つめ続ける彼女に対して私は我慢できず、自ら求めてしまいました。

そして、そのまま一晩中愛し合った後疲れ果てた私たちは眠りについたのでした。

翌朝、目が覚めると隣には素肌のまま眠るガルアレーアの姿があり、

昨夜の事を思い出し赤面してしまいました。

そんな私の様子に気が付いたのか目を覚ましてしまった彼女は、微笑みかけてきました。

恥ずかしさのあまり俯いてしまいましたが、

そんな彼女に対して恐る恐る聞いてみることにしました。

そうすると、彼女はこう答えてくれたのです。

「そうね、昨晩はちょっとやり過ぎてしまったわね」

と言われてしまい、ますます恥ずかしくなってしまいました。

その後、一緒にお風呂に入る事になったのですが、

そこでもまた恥ずかしい事をされてしまったので大変でした。

そうして過ごしている内に、ある日、ある街にあるお店を

見つけ入ってみるとそこは占い屋のようでした。

中に入ると店員らしき女性が出てきて対応してくれたのですが、

どこか胡散臭そうな雰囲気を漂わせていました。

そして、私の番になった時に占ってもらう事にしたのですが、

結果はあまり良くなかったらしく落ち込んでしまいました。

しかし、その後に告げられた言葉で救われた気分になり元気を取り戻す事が出来ました。

その内容というのが、

「今の貴女には味方がたくさんいる」

という事で、それを聞いて嬉しくなり思わず笑みが溢れてしまいました。

更に、私の進むべき道を指し示してくれるとも言われ、

期待感が膨らんでいくのを感じました。

最後に、別れ際に渡されたお守りを受け取ってその場を後にしたのですが、

それが後に大変な事態を引き起こす事になるとは思いもしませんでした。

それから暫く経ったある日、街に立ち寄った際にまたあの占い師の元へ立ち寄り話を聞くことにしたのです。

内容はやはり同じものでしたが、今回は別の事を教えてくれました。

それによると、今この国は大変な危機に陥っているとのことで、

その原因となっているのがガルアレーアであるということが判明したのです。

それを聞いた私は愕然として、その場で固まってしまいました。

何故ならば、今まで自分がしてきた事が全て無駄だったと思い知らされ、

同時に絶望感に打ちひしがれてしまったからです。

しかし、そんな私に占い師はある言葉を掛けてくれました。

その言葉を聞いた瞬間、私は目から涙がこぼれ落ちるのを止められませんでした。

そして、涙を拭うと立ち上がっていました。

その後は、真っ直ぐに王城へ向かう事にしたのです。

途中で兵士の方達が私を引き留めようと声を掛けて来ましたが、

無視をして突っ切って行きました。

暫く走ると、ようやく目的地が見えてきました。

私は深呼吸をして息を整えると、門に向かって歩き出しました。

しかし、その時です。

後ろから何者かに襲われたかと思うと、口元に布を押し当てられてしまい、

抵抗する間もなく気を失ってしまいました。

どれくらい時間が経ったのでしょうか?

気が付くと、私は手足を縛られたまま地面に転がされていました。

(ここは何処だろう……?)

そう思いながら辺りを見回すと、どうやらどこかの倉庫のようだったのですが、

薄暗くてよく見えません。

そんな中、唯一分かったことといえば、自分の他に数名の女性達も

同じように捕らえられているという事だけでした。

そうすると、外から声が聞こえてきました。

その声はだんだん近づいてきており、やがて扉が開かれると

そこにはフードを被った女が入ってきました。

彼女は、こちらを一瞥した後ニヤリと笑うと口を開きました。

「お目覚めかしら?」

と言った後、こちらに近付いてくるとしゃがみ込み、顔を覗き込みながら言いました。

その口元からは鋭い牙のようなものが覗いていて、まるで吸血鬼のようだと思いました。

(この人、もしかして魔族なんじゃ……)

そう考えると怖くなって逃げようともがいてみたのですが、

縄でしっかりと固定されているため全く身動きが取れませんでした。

それどころか、動く度に食い込んできて余計に痛くなってしまったので諦めました。

そうすると、その様子を見ていた彼女が可笑しそうに笑い始めたのです。

笑われたことで恥ずかしくなった私は、顔を背ける事しかできませんでした。

そうして黙り込んでいると、女が話しかけてきたのです。

「ふふ、どうやら抵抗しても無駄だと理解したようね」

と言いながら、私の髪に触れる仕草を見せてきたのですが、

その手付きはとても優しく心地良かったのです。

だから、私も自然と身を委ねてしまっていたようです。

(何だろう、この感じ……?)

そう思ってしまいます。

ですが、すぐに正気に戻ると慌てて手を振り払い距離をとりました。

しかし、それを気にすることなく女は続けます。

「ねぇ、私と一緒に来ない?」

と言ってきたのだが、私には既に心に決めた人がいるのでお断りした。

そうすると、女は面白くなさそうな表情をしながら舌打ちをしていた。

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