第2話 主従な関係①

最果ての村にいるジェーナとガルアレーアはジェーナ自身が魔族であるガルアレーアと

契約をした事で主従な関係でもあるのですが今後どういう風な状態になるのでしょう。


最果ての村の中を二人で歩いているのですが、ふとガルアレーアは足を止めて

ジェーナに気になる事があるので聞こうとしているのです。


「そういえば、ジェーナって奴隷なのによく逃げて来れたよね」

「えっとですね、奴隷は奴隷ですけど、この世界には転生して来ているので

捕まっているとか強制労働しているとかそういう事はしていませんし、

逃げてもいません」

「成程ね、じゃあ私といても問題なさそうね」

「うん」

ガルアレーアが先頭で歩いているとガルアレーアの後ろからジェーナが付いて行くという

感じなのですけど、ジェーナは辺りを見回りながら歩いているのです。


「ガルアレーア、ここの村ってガルアレーア以外は誰もいないの?」

「いないね、私一人しかいないの」

「そうなんだ、ガルアレーアの家は何処なの?」

「そんなのはありません、だから野宿なの」

「野宿って不便じゃない?」

「不便だけどね、慣れれば何とでもなるわね」

「そうなんだ」

村なのにガルアレーアしかいないって言うのも可笑しいし、

ジェーナはガルアレーアに対して警戒しているのです。


ガルアレーアは魔族なのですから、万が一というのもありますので

ジェーナ自身は警戒と共に信用していないのです。


ガルアレーアは後ろを振り向くとしっかりとジェーナが付いて来ているのですが

ちょっとだけ離れて歩いているのですから、ガルアレーアは心の中でどうしたのかなと

思っているのです。


そこでガルアレーアは一旦足を止めてジェーナの方に振り返るとジェーナに問い詰めるのです。


「ねぇ、ジェーナってもしかして私の事を警戒しているの?」

「えっ? 警戒なんてしてないよ」

「本当に?」

「本当だよ」

「じゃあどうして離れて歩いているの?」

「えっと、それはね、村の中を見ながら歩いているからだよ」

「ふ~ん、怪しいね」

「ガルアレーアは私の事を疑っているの?」

「そう言うわけじゃないけどね…………」

そう言われてしまうとジェーナは悲しい顔をしておりまして

瞳に涙が溜まっていまして、泣きそうになっているのです。


「ごめんなさい、悲しい顔をしないで、ごめんね」

「ううん、私もそういう態度をしているのならごめんね」

「ジェーナは悪くないからね」

「うん」

そうするとガルアレーアとジェーナは横並びで二人で仲睦まじく歩いているのです。


しかし、ジェーナは心の中で

『一体何処へ向かっているの?』

と思っているのです。


「何処まで行くの? ガルアレーア」

「さぁ、わからないわね」

「わからないって困るよ」

「休める所があれば、適当に休みましょう」

「う、うん…………」

本当にこのまま歩いていいのか?

それとも別に何処かで休んだ方がいいのか?

どっちにしてもジェーナはここら辺の土地勘はぜんぜん全くもって

ないのですから、ガルアレーアに付いて行く事しか出来ないのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る