天使エルエルと僕3

渋谷かな

第1話 天使エルエルと僕3

「スゴイ! この便器! 水がきれいに流れるのね!」

 天使エルエルは人間界を満喫していた。

「エルエル! 聞いてよ!」

 そこに僕が駆けつける。

「どうしたの? ヒロシくん。」

 僕の名前はヒロシになった。

「宿題はやったのに学校に持っていくのを忘れたら先生に怒られたんだ!? 酷いと思わない?」

「思わない。それはヒロシくんが準備を怠ったのが悪いんでしょ。」

「そ、そんな!? その後で先生が僕を教科書で叩いたんだよ!?」

「それは不条理です! 先生という権力者の立場を利用して、生徒の成績を人質に取り暴力まで振るうなんて許せません!」

 天使エルエルは不正、コネ、既得権益には厳しかった。

「行きましょう! ヒロシくん! 学校の先生を懲らしめてやる!」

「やったー!」

 エルエルとヒロシは学校に向かう。


「あれが暴力教師だよ。」

 ヒロシは先生を指さす。

「アアアアアー!? またあいつがいる!?」

 エルエルは先生の耳元で悪魔デビデビが囁いているのを見つけました。

「おい、先生よ。おまえは学校では偉いんだ。暴力でもセクハラでも何でもやっちゃえよ。」

「おお。」

 先生は人間の弱い心を悪魔に唆されていたのでした。

「やめろ! 悪魔め!」

「おまえの性で殴られたんだぞ!」

「また天使と人間か!? やっつけてやる!」

 天使と悪魔は対峙する。

「いでよ! 悪魔召喚! 化けガラス!」

「カー! カー!」

 悪魔デビデビは配下の悪魔を呼び出す。

「いけ! 化けガラス! 天使と人間を倒すんだ!」

「カー!」

 化けガラスが突進してくる。

「ウワアアアアア!?」

 化けガラスの空からの攻撃が続く。

「怖いよ!? 助けて! 女神様!」

 ピンチの天使エルエルは天界にいる女神様に救いを求めた。

「なんて神々しい光なんだ!?」

「力が湧いてくるぞ! カワイイ神の使い! エルエル復活!」

 天使エルエルは女神の力に導かれ元気100パーセントになった。

「くらえ! エルエル・パンチ!」

「カー!?」

 化けガラスを倒した。

「クソッ!? 今日の所は見逃してやる! 覚えてろよ!」

 悪魔デビデビは逃げ去った。

「めでたしめでたし。ありがとう。エルエル。」

「どういたしまして。アハッ!」

 ヒロシは平和を噛み締めていた。

 

「バカモン! 私は悪魔なんぞに取り憑かれていない! 宿題を忘れたおまえが悪いんだ!」

「ヒイイイイー!?」

 しかし平和な日々は長く続かなかった。

「助けてエルエル!?」

「無理です。宿題を忘れた自分を恨むことですね。」

「そんあ!?」

 天使エルエル。不条理にはうるさいが、融通が利かないカワイイ天使。

 つづく。

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