ジャマイカしすぎ
「シル、一体は頼んだぞ」
「はい、おまかせください」
「あいりさん、俺達はあれをやりましょう」
「ああ、まかせろ」
一体は既にルシェが相手にしているので、俺とあいりさんで一体相手にすればいける。
正直、あれを相手にして効果は怪しいがナイトブリンガーの効果を発動して、アサシンの能力を解放すべく意識を集中させスイッチを入れる。
あれの正面に立つのは論外だけど、先程の戦いでは前方へのブレスではなく、紫の毒らしきものが周囲に霧のように放たれた。
しとめるその時以外は近づくのは得策じゃない。
「これでもくらえ! 『アイアンボール』」
あいりさんの放つ鉄球が敵に襲いかかるが、高速で避けられてしまう。
「動きをとめるのです。『アースウェイブ』」
敵が移動した足下をヒカリンの魔法が沼へと変え、紫のメタルモンスターの移動を妨げる。
「あ〜しぶといやつだな。さっさと溶けろ! なに中途半端に耐えてるんだ。これは海斗にいっぱいもらわないと割に合わないぞ。ついでに燃えとけ『破滅の獄炎』 ふふふ、これで三個分は働いたぞ」
傍からルシェの不穏な声が聞こえてくるが、今は心を鎮め気配を薄める事に集中だ。
足を取られたメタルモンスターへとミクの放った火球が襲いかかる。
メタルモンスターへの効果は限定的だが、完全に注意を引いてくれている。
「しぶといな。あ〜海斗にジャマイカして良いって言われたし『炎撃の流星雨』いっとくか。これは十個はもらわないと合わないぞ。ふふふっ」
ルシェ! ちょっと待て! 確かにジャマイカしていいとは言ったけど『炎撃の流星雨』は、やりすぎだ。しかも十個ってなんだ。魔核十個も渡せるわけないだろ!
精神集中が必要だというのにルシェの言葉が気になって全く集中できない。
「ルシェ、あまりやりすぎてはいけませんよ」
「やりすぎじゃないって。アイツが思ったより強いだけだぞ。シルもド〜ンとやって、一緒にいっぱいもらおうぜ」
「いっぱい……」
「そうだぞ。ジャマイカ最高だからな。ド〜ンでいっぱいだ」
「そう……ですね。ジャマイカですからね」
おおおおお〜い! シルまでなにを言い出すんだ! ルシェにのせられるな! ジャマイカですからねって意味不明だから。そんな言葉はないから!
「それではいきますね。ご褒美が楽しみです。まずは『神の雷撃』 うん、まだいけますね。我が糧となりなさい。これで四個です。神槍ラジュネイト」
シル、まだいけますねってなに? 完全にオーバーキルだ!
しかもラジュネイトの発動の聖句はなんなんだ!
糧? 四個? そんなので発動するの?
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