第593話 砂嵐対策
ダンジョンから引き上げた俺達は早速ダンジョンマーケットに向かい、マスクとゴーグルを購入する事にした。
俺は普通のマスクとゴーグルをイメージしていたが、実際に見てみると、防塵機能まであるものは結構本格的で、ゴーグルの部分とマスクが一体型になった物を選ぶ事になった。
よく映画とかで爆弾処理班の人たちがつけているようなやつだ。
ミクとあいりさんはもう少しかわいいマスクとゴーグルが良かったようだが、残念ながらそんな物はダンジョンマーケットには存在しなかったので、俺と同じ物を購入する事になった。
サーバント分も必要だったが子供用はさすがに置いていなかったので極力サイズの小さいものを選んで購入する事になった。
問題はスナッチの為のゴーグルだがペット用などもちろん置いていないので、ミクが家で自作してくる事になった。
これで明日は万全の態勢で砂嵐エリアに臨む事ができるはずだ。
家に帰ると今日はチキンカレーだった。
前回はポークカレーだったので少し変化はあるが、土曜日は、ほぼ毎週カレーになってしまった。
味はおいしいので文句を言わずにしっかりと食べてから早めに眠る事にした。
夢の中で俺は春香の作ってくれたチキンのクリーム煮を食べて大満足していた。
チキンカレーとチキンのクリーム煮は少しだけ似ているので夢に出てきたのかもしれない。
「おはよう」
「今日こそ砂嵐エリアを抜けましょうね」
「ああ、抜けて目処を立てたいところだな」
翌朝九時にダンジョン前に集合して十七階層へと望む。
順調に進んでいくが、途中金属竜が複数出現したので少し時間をくってしまった。そのせいもあり砂嵐エリアに着く頃にはお昼前になっていたが、砂嵐エリアで食事をするわけにもいかないので、一刻も早くこのエリアを抜けるという事で全員の意見が一致した。
「それじゃあ三人ともこれをつけてくれ。昨日買っておいたんだ」
「なんだよそれ」
「砂塵対策のゴーグルとマスクだ」
「なんか不格好だな、もっとカッコいいのないのかよ」
「私もこれはちょっと……」
「そう言わずに一度使ってみてくれよ」
「ダサい……」
「姫、物は試しです。マイロードの顔を立てると思って一度試してみてはいかがでしょうか?」
「わかりました」
「わかったよ」
思いの他シルとルシェからの抵抗があったが、これ無しでは昨日の二の舞いになってしまうので、ベルリアにもフォローしてもらい無理やりつけてもらった。
三人には少し大きいようだが後ろのゴムを目一杯締めたらなんとかいけそうだ。
三人とも思ったよりも顔と頭が小さい。
スナッチは完全防塵とはいかないが、ミクの作った小型のフェイスガードのような物を装着して砂嵐エリアへと臨んだ。
昨日は踏み込んだ瞬間から視界が限定され喋る事もままならなかったが、今日は違う。
「よく見えるし、呼吸もできるな!」
「そうだな。昨日とは全く違うな」
「シル達もどうだ?」
「はい、よく見えます。あった方がいいと思います」
嫌がっていたシルも効果を実感してくれたようだ。
「ああ、ないよりいいかもな。ダサいけど」
どうやらルシェもゴーグルとマスクの有用性を認めたようだ。
ただ見えやすくなったとはいえ、砂で視界が悪い事には変わりないので注意しながら進んでいく。
「ご主人様、敵がいます。数はおそらく五体です」
「五体!? 多いな……ミク以外の全員で当たるか。ミクは後方からフォロー頼んだ」
砂嵐エリアでこの数は最大数なので十分に警戒が必要だ。
前回戦ったストームドラゴンか? だとしたら結構きついな。
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