第463話 告白?

トイレから戻ってバーベキューを再開するが、突然真司から春香に告白するように言われて、動揺してしまっている。

俺が今日春香に告白するのか?

いつかはしないといけないのは分かっているが今日か?


「海斗、そのお肉もう焼けてると思うよ」

「あ、ああ、うん、そう」

「海斗〜何やってるんだよ。焦げてるぞ。しょうがないな〜。はいこれは花園さんの分ね」

「水谷くんありがとう」


やばい。頭が告白の事でいっぱいでバーベキューどころでは無い。

告白か………何て告白すれば良い?やっぱりストレートに付き合って下さいか?それとももっとおしゃれな告白がいいのか?


「…ぃと、ねぇ、……ぃと、大丈夫?」

「えっ?ああ、ごめんちょっと考え事してた」

「具合でも悪いの?本当に大丈夫?」

「ああ、ごめん。全然大丈夫」


ダメだ。またボーっとしてしまった。今は隼人のフォローに集中しなくては。


「水谷くん達と大山くんは一緒にパーティを組んでるんだよね。メンバーに女の子とかいないの?探索者ってパーティ内恋愛とか凄そうだけど」

「無い無い。俺達のパーティは全員男だから。パーティで男女が上手くやるなんて無理だって。そんなのは、アニメかラノベ の中だけだから」

「え〜っそうなの?本当はダンジョンで彼女作ったりしてるんじゃない?」

「本当にそんなんじゃないんだって」


花園さんも探索者に興味があるのかな。隼人と話しが盛り上がっているようでよかった。

は〜告白か〜。

どうしようかな。

流石にみんなの前では無理だから2人にならないとな〜

どうしようかな〜

う〜ん。


「俺と真司も最初は女の子達とパーティ組んだんだけど、それは酷いものだったんだ。ほとんど召使い状態だったよ。今思い出しても胃が痛くなるよ。な〜真司」

「ああ、あれはきつかったな。精神的なストレスでやられそうだったから今のメンバーで助かってる」

「へ〜っ。大山くんが言うなら本当なんだ。意外だね。探索者ってもっと青春してるのかと思ってた」

「花園さん、どう言う事だよ。俺が言う事は全部本当だから〜。信じてよ〜」

「はい、はい」

「なんか俺の扱いが雑じゃない?探索者なんてそんな甘い青春群像なんか皆無だよ。あ、でもあれだ。超絶リア充黒い彗星の件とかもあるから例外はあるな」

「おぃっ、隼人……」

「え〜?そのすごそうな名前は何?」


告白か〜。

ここで振られたら俺立ち直れるかな。

3年生を春香に振られて過ごすのか…………

無理だ…………

は〜。どうしよかな〜


「あ、ああっ、花園さんごめん。俺の間違い。何でもない」

「水谷くん、間違いってそんな事ある?気になるんだけど」

「いや〜。ちょっと花園さんと話すのが嬉しすぎて、舞い上がって頭がどうかしてたんだ。忘れてよ」

「そう言われると余計に気になるよ。ねえ悠美」

「うん、気になる。なんかしんちゃんも知ってるっぽいし。ねぇ、春香」

「う〜んそうだね〜。でも超絶リア充って私はちょっと苦手な感じの名前だけど」


春香さん僕と付き合ってください!

う〜ん、なんか違うな〜

出会った時から好きでした!

いや、出会った時からではないな。

君の瞳にチェックメイト!

俺おかしくなったのかな。

う〜ん。どうしようかな〜


「ねぇ、しんちゃん。わたし達隠し事はしないって約束したよね」

「うん、それはまあ」

「じゃあ教えて」

「……………」

「水谷くん〜。何で2人でそんなに隠そうとしてるのかな〜。何かやましい事とかあるの」

「いや、全くない。あるはずない。俺が花園さんにやましい事なんかあるはずない」

「それじゃあ、教えてくれる?隼人くん」

「……………」

「何で2人共黙っちゃうのかな〜。怪しいな〜。2人がダメでも高木くんなら教えてくれるかな。ね〜高木くん」


僕のハートはフォーリンラブ。

無理だな。

お買い物友達からのランクアップをお願いします。

ちょっと意味不明だな。

春香、俺の女になれよ!

気持ち悪い。これは俺が死ぬな………


「………ね〜高木くん」


ん?なんか呼ばれたか?

またボ〜ッとしてしまっていた。このままじゃまずいな。

気を取り直してバーベキューに集中だ。



お知らせ

おかげさまでHJ文庫モブから始まる探索英雄譚4がTSUTAYAデイリーランキングにランクイン中です。

よろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る