第451話 不滅
「ウグゥウアアア〜。熱い、熱すぎる。君のハートが熱すぎる〜」
なんだこいつは?
ルシェの獄炎をくらい燃えながらおかしな事を口走っているが魔法耐性が高いのか一気に灰にはならず、徐々に燃え尽きていっている。
「君のハート………は……受け取った。まって…いて…………くれ。すぐに………」
男は再び意味不明の事を口走りながら完全に燃え尽きた。
「これって一体何のモンスターだったんだ?」
「変態?」
「鳥肌が立ったのです」
「気持ち悪い……」
「だけど普通に喋ってたし、モンスターには見えなかったな。もしかして悪魔だったのか?」
「失礼な!あんな変態悪魔なわけないだろ」
あれが何だったのかは分からないが、もう燃え尽きたのだから今更考えても仕方が無い。
まだ時間はあるので16階層を少し探索してみようかな。
「それじゃあ、ドロップを回収して先に進もうか」
「海斗、おかしいわよ。何も残されてないわ」
どういう事だ?確かに倒したのに何も残されていない。
もしかして階層主は何もドロップしないのか?
「待たせてしまったね〜。君のハートが熱すぎて燃えてしまったよ、マイハニー」
「…………」
どういう事だ?燃え尽きたはずの変態野郎が復活している。
幻術か何かか?
いやでも、先程までと違い見た目が変わっている。
恐らく燃えてしまったのだと思うが、最初に来ていた着衣がなくなり、今はパンツ1枚の姿になっている。
パンツ1枚でも履いていてくれて助かるが、逆になぜパンツは燃えて無くなっていないのだろう?
あのパンツは特殊アイテムなのか?
「海斗……さん。私あれ………無理です」
「ああ、分かるよ。俺でもギリギリだから。」
「ああっ、お嬢さん達の視線を感じるよ〜。私のこのパーフェクトバディにメロメロだね〜。早く君たちの血を吸ってあげるよ〜。すぐに僕の愛の奴隷にしてあげるよ」
「いや、それは普通に無理だろ」
あまりにイカれた内容に柄にも無く突っ込んでしまった。
「何だい君は?ハニー達の影に隠れて見えていなかったよ。目立たない顔立ちに黒い出で立ち。わかったぞ君は隠キャの厨二患者だな。所謂変態だろう」
「お前にだけは言われたく無い。変態はお前だろ。そもそもお前は何者なんだ?」
「僕かい?僕は愛の使徒だよ!」
「…………もういいや。消えてくれシル頼んだ」
「その言葉お待ちしていました。ご主人様を愚弄するその口をこれ以上開かせるわけにはいきません。今すぐ消えなさい『神の雷撃』」
俺の為に怒ってくれているのか、シルの雷撃がいつも以上に激しい気がするが、一撃の元に変態野郎を葬り去る事が出来た。
「一体あの変態は何だったんだ?何でルシェの獄炎から復活出来たんだ?」
「今までで1番インパクトがある敵だったかも知れないな。パパ以外のパンツ姿を見たのはこれが初めてだ」
「そうですか。でもさっきのはカウントに入れなくていいと思いますよ。突発的な事故にあったようなものですよ」
「海斗さん。あれはハイレグと言うんでしょうか?」
「あ〜所謂ブーメランパンツって奴じゃ無いかな」
「海斗さんもあんなの履いてるのですか?」
「いやいや、俺はあんなの履いた事無いよ。俺はボクサーブリーフ派だから」
「ボクサーブリーフですか」
「あ〜。俺のパンツはどうでもいいから。もう気にしないでよ」
俺もさっきのは見たく無かった。真っ白い肌の細マッチョに赤のブーメランパンツ………
悪夢に出て来そうな程インパクトがあった。
男の俺でこれ程のダメージがあるのだから彼女達へのダメージは計り知れない。
ある意味すごい精神攻撃だった。
因みに今日の俺は青色のボクサーブリーフだ。
あとがき
好みがわかれるとは思いますが作者はこの階層主が好きです。
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