第414話 ドラゴン
15階層を順調に進んでいる。
途中で豚と馬のモンスターが出てきたが、残念ながらモンスターミートは落さなかった。
「ここ幻獣階って言ってましたよね」
「ああ、変なのも混じってるけどファンタジー王道モンスターが結構出てきてるな」
「でも王道といえばドラゴンがまだ出てきていませんね」
「カオリン……やっぱりいるのかな」
「普通いますよね」
カオリンに言われなくても気にはなっていたが、ファンタジーの王道モンスターといえばやはり竜種、ドラゴンだろう。以前恐竜は倒したので竜種と言えないことも無いが、やはり本物のドラゴンに憧れがないかと言われればある!
実際にはドラゴンを倒してもドラゴンスレイヤーを名乗れたりはしないと思う。名乗るのは勝手だろうが恥ずかしすぎて無理だけど心の中では確実に名乗る。
スライムスレイヤーとドラゴンスレイヤーのどちらがかっこいいかと言えば100人いれば100人が後者を選ぶだろう。
まさにキングオブモンスターと言っても過言ではないが、正直見てはみたいが戦いたくは無いというのが今の本音だ。
先日モンスターミートを手に入れた地点を超えて進んでいくが、お昼ご飯まではまだ時間があるので更に進んでいく。
「ご主人様、敵モンスターがこの先の右手から来ます。2体です」
「よし、じゃあ俺とベルリアが前に出るから、みんなは後方から攻撃を頼んだ」
バルザードを左手に構えて敵を待ち受けるが、前方に迫って来たのは前回やられてしまった大型こうもり が2体だった。
「ベルリア、急いで後ろに下がれ!シル『鉄壁の乙女』を!」
「はい。かしこまりました」
前回は前に出ていたメンバーが全員やられてしまったので、俺とベルリアは大急ぎで後方に下がって『鉄壁の乙女』のサークル内に逃げ込む。
「この階層で1番やばいのはあのこうもりじゃないか?」
「マイロード、それは間違いありません。私が不覚を取るほどのモンスターですからね」
「………みんなしっかり狙って倒そう」
大こうもりは、光のサークルに向かってどんどん近づいて来たので、俺も狙いを定めてバルザードの斬撃を飛ばす。
ほぼ同時に、シルとルシェ以外のメンバーが一斉に攻撃をかけたので、一瞬で大こうもりは蜂の巣状態となりり、1体は空中でそのまま消失し、もう1体はふらふらと蛇行して落下した。
深手を負って落下したとは言え超音波攻撃が怖いので、近づく事はせずそのまま遠距離攻撃で止めをさした。
防御系のスキルの無いパーティの場合は超音波の届かない遠距離から攻撃をかけるか、耳栓をするのが最善だろう。
超音波って多分耳栓で防げるんだよな………
「もうこのこうもりは大丈夫ね。直接攻撃もあんまり無さそうだし」
「そうかもしれないけど油断はせずに行こうか」
俺達は落ちている魔核を回収してから奥へと歩を進めて行く。
「今日は順調に行ってるな〜。この調子で行けば今日中に半分ぐらいまで進めたりするかもしれないな」
「そういえば海斗さんは、ダンジョン以外で春休みにどこか遊びに行ったりしないんですか?」
「一応土日は、どこかに行こうと思ってるけど」
「もちろん彼女さんとですよね」
「いや、彼女では無いけども、クラスメイトというか同級生というか買い物友達ね」
「いいですね〜。羨ましいです」
「カオリンだって作ろうと思えばいくらでも相手はいるだろ」
「私は家にいる事が多いので……」
「…………ゲームも楽しいよな〜。今ハマってるゲームとかあるの?」
「今1番ハマってるのはドラゴンハンターって言うゲームなのです」
「どんなゲームなの?」
「オンラインでいろんなドラゴンをみんなで倒すゲームなのです。自慢じゃ無いですけど私世界ランク305位なのです」
「世界305位か〜すごいな。流石カオリン。ゲームのプロとか目指せるんじゃ無いか?」
どのぐらいの人数がプレイしてるのか分からないけど世界305位って多分凄いんだよな。
俺も小学生の時にハマっていたゲームで世界4509位になった事があるが、それより確実に上だな。
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