第404話 ユニコーンは馬?
「みんな、雷系の魔法だ!絶対にサークルから出ないように。カオリン『アースウェイブ』を白い方にかけて。ルシェはシマウマの方を頼む。ベルリアは魔核銃で足止めを」
ケンタウロスの炎の矢とかであれば、出所が見えているので集中していれば避ける事は可能だが、ユニコーンの使った雷系はシルの雷撃と威力こそ違うものの突然頭上から雷が降ってくる感じなので、常時移動して避けるか、盾などの防具に頼るしかなさそうだ。
すぐにカオリンが『アースウェイブ』を仕掛けて白いユニコーンの動きを封じる。
動きが鈍ったユニコーンに向けて、俺、カオリン、あいりさんとスナッチが一斉に遠距離攻撃を仕掛ける。
動きが鈍った所に4人からの攻撃をほぼ同時に受けたユニコーンはなす術なく消失した。
シマウマの方はベルリアが魔核銃で足を狙い動きを限定した状態でルシェが『破滅の獄炎』を使って焼き払う事に成功した。
やはり、4つ足のモンスターは動きを止めてから仕留めるのが1番効率が良いようだ。
カオリンの『アースウェイブ』はこのタイプのモンスターには相性が抜群だ。
「初見のモンスターはどんな攻撃をしてくるか分からないから、シルの『鉄壁の乙女』を多めに使っていこうか。シマウマの方もスキルを発動する前に倒せたけど雷か違うスキルを持ってた可能性が高いから」
「残念だけどモンスターミートはドロップしなかったみたいね」
「あ〜それは仕方ない。この先で手に入ったら良いけど、今までで2回しか手に入った事ないんだから」
「海斗さんとパーティを組んでから極端にモンスターミートのドロップ率が下がったのです」
「それは気のせいだって」
「いや私も以前はもっとドロップしていたな」
「たまたまですって」
これ以上深い話になっても追い詰められるだけなので、話はそこそこに先に進んでいく。
15階層は、これまでの階層と比較しても至ってノーマルな感じだ。特に湿度や温度が極端な訳でも無く進み易い。
「マイロード、足下に気をつけてください」
「えっ?何を?」
「そこにスイッチがありますので踏まない様にお願いします」
「スイッチ?」
ベルリアの指す床をよく見ると、床の一部がほんの少しだけ飛び出している。普通に歩いていたら絶対に気がつかないレベルの出っ張りだ。
「これってスイッチなのか?」
「はい、おそらくは」
「ルシェ、気がついてたか?」
「あ、あたりまえだろ。だ、誰に言ってるんだよ」
完全に見落としてたな。同じサーバントでも能力にかなり偏りがあるのが、面白いというか不思議な感じだ。
それにしても15階層はトラップがあるようなのでベルリアを先頭にして細心の注意を払って進んでいく事にする。
「ルシェは前科が何回もあるからな絶対に踏まない様に気をつけてくれよ」
「うるさいっ!」
「カチッ……」
あ…………
今足で何か踏んだ………
ルシェを注意したら俺が踏んだ………
「おい、海斗何か今音がしなかったか?」
「あ〜うん。俺が踏んだみたい」
「踏んだって何をだ?」
「多分トラップ」
「でも何にも起こらないぞ」
「マイロード、足を上げた瞬間に発動するトラップかもしれません」
「ベルリア、トラップに気がつかなかったのか?」
「申し訳ありません。全てに気がつく事は非常に難しいのです」
言ってる事は分かるけど、なんで俺ばっかり………
「それじゃあみんな離れて。足を上げてみるよ。ヤバかったら助けてください。頼んだぞ!」
俺は意を決して足を上げて見たがその瞬間足元が急に沈み始めた。
今の今まで普通に立っていたのに足下の地面が突然硬度を失い、沼と化し俺の体重でどんどん沈み始めてしまった。
全く踏ん張りも効かず、沈んだ部分が泥の粘度でほとんど動かせない。
これは、沈み切る前にみんなに助けてもらうしかない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます