第381話 テスト終了


俺は学年末テストの終了を無事迎える事が出来た。

今回は、春香のおかげもあっていつも以上に手応えを感じたので、成績表が楽しみだ。


「あ〜終わった〜。後は終業式だけだな」

「この結果でクラスが変わるかもしれない。前澤さんとまた同じだといいな」

「のろけるな。俺はとにかく可愛い女の子と同じクラスになれる事を切に願っている」

「あ〜クラス替えがあるのか。俺今回結構自信ありだからクラス変わるかも」

「いや俺だって自信ある」


3年生で春香と違うクラスになるのは辛い。春香は恐らく今よりももっと上位のクラスに行くだろう。後は俺の問題だ。1年生の時よりは確実に成績が上がっていると思うが、春香と同じクラスになれるだろうか?

今が4組なので春香は確実に1〜3組になると思うので俺もそれを狙いたいが、同じクラスになる確率は1/3だ。良すぎても悪すぎてもダメだ。春香と同程度に良くないといけない。今回このミッションをクリアする事が出来ただろうか。もうこれは祈るしかない。末吉とは年度末に吉が来ると言う意味に違いない。是非ともおみくじパワーをここで発揮して栄光を掴み取りたい。


「海斗、テストどうだった?」

「ああ、お陰様で結構いけたと思う」

「そう。また同じクラスだといいね」

「う、うん。そうだね」


春香の笑顔が眩しい。春を迎える季節にぴったりの爽やかな笑顔だ。出来る事なら、いやどうしてもこの笑顔を後1年同じ教室で見ていたいので末吉様に祈るしかない。

俺は学校での一大イベントを終了したので、明日からはダンジョンでのレイドイベントに臨む。

ただこの1週間ダンジョンに潜っていなかったので、今日1日で出来る限りの魔核を集めなければならない。

可能であれば土日に活動する必要分を集めてしまいたい。

放課後に春香達に誘われたが、断腸の思いで断りを入れて俺は1階層に潜った。

春香達との楽しい時間を犠牲にしてまで潜ったのだから今日はとにかく結果だ。結果を追い求めるしかない。

スライム退治は普段俺1人でほとんど行っていたが今日はベルリアにも手伝ってもらい、いつも以上にスピードと効率を追い求めて魔核を集めている。

俺が殺虫剤ブレスでダメージを与えている瞬間を狙ってベルリアが止めをさす。

この連携攻撃で俺が1人で倒していた時の半分程度の時間で倒すことが出来ているが、スライムと遭遇するペースはそれほど変わっていないので劇的変化は無いものの少しだけ魔核収穫量が増えた気がする。


「海斗、何か良いことでもあったのか?」

「え!?何が?」

「今週わたしたちは喚ばれなかったけど、その間に何があったのか?」

「何ってテストだよ。大事な学年末テスト」

「テストね〜。それ以外に何かあったんじゃないのか?」

「いや、何もないよ。真面目にテスト勉強に勤しんでいただけど」

「春香…………だろ」

「え!?何を言ってるんだよ。勉強してただけだって。そもそも明日の依頼で頭がいっぱいだし」

「ふ〜ん」

「ご主人様、私たちに隠し事は無いですよね」

「あ、ああ……本当に真面目に勉強していただけだ」

「そうですか……」


サーバント2人の追求に俺は何も悪い事をしたわけでも無いのに、何か判決を待つ罪人のような気分にさせられてしまう。


「やっぱり春香だな。海斗の奴、バレて無いと思って最近浮かれて調子に乗ってるな」

「そうですね。今回のは私から見てもすぐに分かりました。私達も負けていられませんね。やはりご主人様は大人の女性がいいのでしょうか?」

「その割にわたしが『暴食の美姫』で大人の姿になっても、そんなに反応しなかったからな。小さくてもいけると思うぞ」

「そうですね。私たちの努力が足りないのかもしれませんね」


またいつものように俺がスライムと戦っている間にこそこそやっている。

気にはなるが触れない方が良いと俺の本能が告げているので当然スルーしておく。

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