第354話 ドラグナー
俺は浪漫武器を目の前にして予想外に惹かれている。
「あの〜。魔法ってなんの魔法でも良いんですか?」
「おお、攻撃魔法だったら何でも良いぜ。に〜ちゃん魔法は使えんのか?」
「一応使えるんですけど、水系と言うか氷系と言うか」
「水系はお勧めできね〜な。強力な水鉄砲になっちまうだろ。氷系なら有りだと思うがな」
氷系と言う事はやはりブレスレットの力を借りる必要があるがそれでいけるのか?
「魔道具とかで魔法の代用って出来るんですか?」
「まあ一応この銃も魔道具みたいなもんだからな親和性は高いと思うがやった事はないな」
「この銃って結構一般的なんですか?」
「いや、全く一般的じゃないな。俺も見たのはこれ1つだけだ」
「そうなんですね。値段っていくらなんですか?」
「そうだな、まあ使い手を選ぶしピーキーだからな、本来600万ぐらいもらいたい所だが。450万って所か」
450万か。話に聞く性能にしては安い気もする。出して出せない事は無いが予算は完全にオーバーしてるな。
「海斗ちょっといい?」
「うん、何?」
春香に呼ばれて後ろに下がったが
「多分あの銃が気に入ったんだよね」
「まあ、そうだけど」
「でも予算より高いよね。それと話を聞いてると海斗が使えるかどうかよく分からないように聞こえたんだけど」
「う〜んそうなんだよな。俺の魔法で発動してくれるか不安なんだよな」
「それでも欲しいの?」
「出来たら欲しい気はするけど」
「分かった。私頑張ってみるね」
決意の表情の春香がおっさんに向かって言った。
「お兄さん、この浪漫武器ってあんまり売れそうじゃないですよね」
「失礼な。お嬢ちゃん、そんな事は無いぞ」
「使える人も限られて、燃費も悪いですよね」
「まあそうだが」
「それで相談なんですけど、安く売ってもらえませんか?実は予算が300万円なんです」
「おいおい、お姉ちゃん。そりゃ無茶だろ150万たんね〜じゃね〜か」
「でも、もしかしたらこんな特殊な武器他に買う人がいないかもしれませんよ。誰も買わなかったら300万円のマイナスですよ」
「お嬢ちゃん容赦ね〜な」
「それともう一つ。魔法が使えないとだめなんですよね。買って使えないじゃ困るので1週間だけ頭金30万円払うので貸してもらえませんか?もし使えない場合も頭金はレンタル料としてそのままお支払いします」
「お嬢ちゃんさすがだな〜。頭金の話はそれでいいが値段が無理だな。400万でど〜だ!」
「う〜ん。じゃあ頭金50万と後払い300万円でどうですか?」
「分かったよ。負けたよ。それでいいぜ」
「ありがとうございます。さすがお兄さん太っ腹!」
なんだこの攻防戦は。春香凄いな。俺の予算通りに収まってしまった。
「それじゃあ、一応預かり書を書いてもらうぜ」
「はい、わかりました」
とりあえず1週間借りれる事になったので明日から使ってみないといけない。
「海斗ごめんね頭金勝手に50万円も払う事になっちゃって」
「いやいや、春香のおかげでお試し期間を貰えたし、100万円も安くなったんだから大感謝だよ」
「それならよかった」
やはり春香は俺にとって勝手に幸運の女神だ。
魔法銃を受け取ってみると魔核銃よりは随分大きい。
片手銃には違いないが左手だけで撃つのは難しそうなので右手で撃つ必要がありそうだ。
となるとバルザードを左手か。
「すいません。この銃って名前が浪漫武器なんですか?」
「は〜?何言ってんだ、そんなわけね〜だろ」
おっさん、自分が浪漫武器だって言ったんだろ!
「この銃はな、その名も『ドラグナー』だ。スゲーだろ」
何が凄いのかよく分からないが名前は竜ぽくって格好いい。
こうして俺は春香のサポートもあって浪漫武器 魔法銃『ドラグナー』を手に入れる事が出来た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます