第335話 14階層

俺は今13階層を進んでいる。

昨日かなり順調に進めたので、今日で13階層を突破するつもりだ。

今まで13階層を進んでの感想は13階層は、蚊などの虫を除けば至って快適しかも敵も馴れてしまえばオーソドックスというか組みしやすい敵が多いと言う印象だ。

少し気は早いが14階層へと意識がシフトしてしまいそうになる。


「みんな、今日中に14階層へ行けそうな気がするんだけど何か情報持ってる?」

「15階層はゲートがあるから結構情報が出回ってるんだけど、14階層は地味に目立たないせいか余り情報が無いのよね」

「私も地味に辛いエリアとだけしか分かりませんでした」

「地味に辛い?」

「はい。他の階層よりも敵の出現頻度が多くて進み難かったりするそうです」

「それはキツそうだな」


「ご主人様、敵モンスター3体です。穴には気をつけて下さいね」

「ああ、わかってるよ。ベルリアとあいりさんが敵を追って下さい。俺はゆっくり追いつきます。カオリンとミクは射程まで歩いたらフォローを頼む」


俺の考えた穴対策がこれだ。なぜか穴を避けることが出来る2人に先に行ってもらい、俺は落ちても大丈夫なようにゆっくりと歩きながら後を追いかける。ミクとカオリンも不要に動く事をやめて遠距離攻撃によるフォローに徹する。

ベルリアも魔核銃を完璧に使いこなしているので、あいりさんと連携して鳥型をうまく仕留めている。

魔核銃でダメージを与えてスピードと高度を下げた敵に対してあいりさんの『アイアンボール』が炸裂する。

そして後方へ抜けてきた敵は俺がバルザードで仕留めにかかる。

残念ながら上空を飛んでいる敵を一撃必中とはいかないので、後方からの援護射撃を受けて動きの限定された鳥型をしっかり狙って確実に仕留める。

そしてほぼパターンになりつつあるのでもう慣れてきたが、俺が突然穴に落ち、慌てずにそのまま着地して襲って来た根に向かってバルザードを突き立てて倒した。


「もうこのタイプのモンスターは大丈夫だな」

「そうだな。最初海斗が突然消えた時にはびっくりしたが、カオリンのお陰で対処法も分かったしもう大丈夫だろう」


その後も何度か同じ様に戦闘を繰り返すうちに13時になり、お腹が空き始める時間となった。

そろそろ昼休憩を取ろうかと思い、みんなと相談しながら歩いていた所、何の前触れも無く前方に階段を発見してしまった。


「おおっ、あれって14階層への階段だよな」

「そうですね」

「ようやく次の階層ね」


俺達は階段を目指して進み階段のすぐ下までやって来た。


「どうしようか。このまま進んでみようかと思うんだけど。今日はまだ時間がかなり残ってるし」

「そうね。ここでご飯食べてから進みましょうか」

「そうですね。まずご飯ですね」

「そうだな。新しい階層には興味があるから、この後行ってみるのは賛成だ」


みんな今日次の階層に行くのは賛成してくれたので、階段の下でお昼ご飯を食べる事にする。

今日の俺のお昼ご飯はコンビニの焼きそばパンとたらこおにぎりだ。


「海斗さんいつも思うのですけど、パンとおにぎりってどちらかにした方が良くないですか?」

「分かってないな。両方を1回で食べれるからいいんじゃないか。コンビニの醍醐味だぞ」

「そう言うものですか?」

「そう言うものだよ。1回で2度美味しい感じだよ。そういえばカオリンってコンビニで買い物とかするの?」

「行った事はありますが買った事はありません。ママが体に良く無いものがいっぱい入っているから食べてはいけないと」

「そうなんだ。俺はいつも食べてるけど至って健康だから大丈夫だと思うけどな〜。それにしてもそんなに心配性のお母さんが良く探索者になるのを許してくれたな〜」

「それは、まあ家でゲームばかりするよりも良いだろうとの事で、応援してくれているのです」


メンバーのプライベートは結構謎だがカオリンだけは、はっきりと分かる。俺も昔はまってしまったから分かる。カオリンは生粋のゲーマーだ。恐らくVRゲーム中心だとは思うが、言葉の端端からも、それ以外のゲームに対しても造詣が深い事が窺い知れる。

ミクはカードゲームだけの様だが、俺のパーティは何故かゲーマー比率が高い様だ。

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