第246話 ベルリアレッスン

俺は今ダンジョンを進んでいる。


「師匠。ベルリア師匠と呼ばせてください」


「なんですかあの動きは、俺にも稽古をつけてください。お願いします。師匠」


隼人と真司は先ほどのベルリアの戦いを見て、感化されてしまったらしい。


「マイロードが良いと仰ればもちろん稽古をつける事は構いませんが」


「本当ですかベルリア師匠。海斗いいよな。なっ」


「それじゃあ決まりだな。俺たち2人を弟子にしてください」


「マイロードよろしいでしょうか?」


「まあ、このダンジョンに潜ってる間はいいんじゃないか」


「それはそうと師匠、あの動きはなんですか?師匠の体がぶれたと思ったらゴブリンをすり抜けたんですけど」


「あれはスキルですか?それとも魔法ですか?」


「いえあれは足運びによる瞬間的な移動ですよ。長距離は無理ですが、瞬間的にで有ればあのぐらいのスピードは出せるのですよ」


「あれがただの足運びなんですか?と言う事は俺たちでもできる様になる可能性があるって事ですか」


「まあ理論的には不可能では無いと思いますが」


「すげ〜。俺頑張ります。師匠についていきます」


「俺もあれができれば活躍できる。師匠お願いします」


2人とも自分達も出来るかもと舞い上がっている様だがそんな簡単に出来るわけないだろ。

俺なんか毎日ベルリアに稽古をつけてもらってるが全くあんな動きはできないぞ。

あれは達人だよ。達人の域に到達しないとああはならないんだ。

まあテンション下げる様な事は言いたくないから今は言わないけど。

そこから8階層エリア迄はベルリアが中心となって敵を倒して進んだ。

途中、真司と隼人に口頭でのレクチャーもしているが、流石に口で教えてできたら苦労はしない。


「ご主人様、敵モンスターですが2体だけです」


今までの中では少ないな


「シル、やっぱり高速移動してるのか?」


「はい、今までよりも速いぐらいです」


「マイロードお任せください」


「それじゃあベルリア頼んだぞ。俺たちは後ろに控えてるからな」


先程と同じ陣形で敵モンスターを待ち受けるが、現れたのは、翼が4枚ある大型の鷲だった。

上空から、かなりのスピードで迫ってきている。

鷲はベルリアには向かわずそのまま上空を通り過ぎ、後方の俺達に狙いを定めて降下してきた。


「やばい、シル『鉄壁の乙女』を頼む。隼人『必中投撃』で一体を頼んだ。俺がもう一体を仕留めるから引き付けてから攻撃しよう」


2体の大型鷲のモンスターは完全に俺をロックオンした様で2体共に俺目掛けて急降下してきたが、目前迄迫った瞬間『鉄壁の乙女』に弾かれた。

その瞬間を目掛けてバルザードの斬撃を飛ばして、鷲を真っ二つにする。

隼人は少しタイミングがずれてしまったが、鷲が離れる瞬間


「焼き鳥にしてやる。『必中投撃』」


槍を鷲に向かって投げ、見事に中心を貫いた。


「結構やるじゃないか」


「おおっルシェリアさんに褒められた!やったぜ」


無事2体とも倒せたのでよかったが、やはりこのダンジョンにも飛行型のモンスターが居る様なので、しっかりと対策をとっていく必要がありそうだ。


「マイロード、申し訳ありません・・・・」


「まあ、ベルリア気にするな。飛行型だと思ってなかったしな。ただ次からは元の陣形で行こうな。お前だけだとな。空は無理だろ」


「・・・・はい」


「師匠、得手不得手がありますからね。もしあれだったら投擲は俺が教えましょうか?師匠ならすぐに上手くなりますよ」


「ありがとうございます。少し考えさせてください」


「はい、いつでも言ってください」


ベルリアの立場が・・・・

教える方から教わる方になってしまった。

まあそれで戦力アップに繋がれば俺はどちらでもいいのだが。


あとがき

現在モブから始まる探索英雄譚2の作製に取り掛かっています。今のところ順調です。1巻をまだの方は2巻に備えて是非、新刊コーナーで購入お願いします!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る