第201話 命の駆け引き

俺は遂にエリアボスを倒した。


「ルシェ、よくやった。もういいぞ。はやく『暴食の美姫』を解除してくれ。」


「もっと褒めてくれていいんだぞ。」


「あ、ああ、すごかったな。ううっ。はやくしてくれ。」


「もっといっぱい褒めてくれていいんだぞ。」


「なっ・・・。すばらしい。最高だった。エクセレント・・・うぇっぷ。」


「まあ、そんなところかな。それで約束だけど、わかってるよな。」


「わかってるよ。お姫様抱っこだろ。はやくしてくれ。」


この無駄話の間にもどんどんHPが減っていく。もう3分以上、強烈な吐き気と戦っている。そろそろ解放されないと気を失ってしまいそうだ。


「他にも何かないのか?」


「何かってなんだよ。」


「プレゼントとか、プレゼントとか。」


「くっ・・・。何が欲しいんだ。」


「いっぱいの魔核とか、たっぷりの魔核とか。ふふっ。」


「わかった。わかったよ。多めに渡すって。だからはやくしてくれ。」


「もう、しょうがないな。次が早く来るといいな。」


そう言うと同時にルシェは元の姿に戻っていったが次は無いほうがいいに決まっている。


「はぁ、はぁ、はぁ。」


何とか今回も死なずに済んだが、やはり『暴食の美姫』はリスクが高すぎる。

この小悪魔に俺の命運が握られてしまう。

恐らく本気で俺の生命を奪い取ってしまう気は無いと思う。無いとは思うがそれを試してみるにはリスクが高すぎる。俺の生命は1つしか無いので賭けの対象になり得ない。

俺は最後の低級ポーションを飲み干してようやく落ち着くことができた。

腰を下ろしてゆっくりしようとするとベルリアの体が全体に発光した。

どうやらこの戦いでレベルアップを果たしたようだ。

気になったのですぐにベルリアのステータスを確認する。


種別 士爵級悪魔

NAME ベルリア

Lv1→2

HP 70→78

MP 85→89

BP 90→99

スキル ダークキュア

アクセルブースト NEW

装備 魔鎧 シャウド

バスタードソード


シルとルシェのレベルアップを見ているせいか、数値の上昇は少々物足りない気がする。

ただし、新しいスキルが発現している。


アクセルブースト・・・物理攻撃時に魔力をのせる事により威力を増加させる事が出来る。


このスキルはベルリアにはかなり良い気がする。

今までベルリアには剣による通常攻撃しかなかったので、威力不足の事も多かった。それがこのスキルを使えば解消するのでは無いだろうか。ベルリアは元々MPが多いので魔力不足になる事もないだろう。


「ベルリア、良かったな。レベルアップと同時にスキルが発現したようだな。しかもベルリアにはぴったりのスキルっぽいな。」


「マイロードありがとうございます。これでもう私が他のモンスターに遅れをとることは有り得ません。これまで以上に頑張ります。」


ルシェがうるさいので、先に魔核をたっぷり渡しておいたが、不公平にならない様、シルとベルリアにも多めに渡しておいたが、結構消費してしまったのでまた来週は1階層で魔核集めに没頭しなければならない。

その後、少し落ち着いてから3体の敵が消滅した場所をじっくりと見回すと、3つのドロップアイテムがしっかり残されていた。

流石に、エリアボスまで何も無しでは厳し過ぎるのでしっかりドロップしていてホッとした。

ドロップ品は3点。

1つは見た瞬間に分かる代物で金属製の鎧だ。

色は真っ黒で上半身を完全に覆ってしまう金属製の鎧。俺に似合うとは思えないが、単純にファンタジー物の主人公のようでカッコいい。

ただし、以前も金属製の鎧は試着してみたが重すぎて動けそうになかったので残念ながら売却する事になるだろう。

残りの2つは当たりだといいな。


あとがき

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