第120話 魔剣士
俺は9階層に潜っている。
進化したバルザードを使いたくて仕方がないのでとりあえずモンスターを物色している。
ただ進化したと言ってもまだまだミニマムなので、実際には魔氷剣として使うことになるが。
「ご主人様、前方にモンスターが5体います。少し多いのでご注意ください。」
この階層で5体出るのは、初めてだが、遠距離攻撃があると厄介なので盾を片手に持ちながら進んでいくが、矢が飛んでくる気配はない。
近づいていくとリザードマンとでっかいゴブリン、ホブゴブリンらしきのが槍と剣を持って待ち構えていた。
ちょっと数が多いので先制攻撃を敢行する。
「シル、ルシェとりあえず槍を持っている奴を攻撃してくれ。」
俺も盾を放棄して
「ウォーターボール」
魔氷剣を発動させてリザードマンに対峙する。アニメで見た騎士とかは、器用に盾と剣を使いこなしていたが、俺はどうしても盾を持って剣を振るう事は難しいので魔核銃に持ち替える。
今まで使用制限もあり極力攻撃を避けるようにしてきたが、制限回数が増えた事で、受けると避けるを併用しながら戦うことにした。
もちろん剣技に自信などないので危ない咄嗟の時と明確に受けれる時だけ剣を使用し後は今まで通り距離感を保って避ける戦法だ。
リザードマンと対峙している最中に他の4体は消失していたので、俺はこの一体に集中する。
リザードマンが振るってくる剣を避けながら間合いを図る。
がっちり受け止める事に戸惑いがあったので、恐る恐る剣を合わせる形になったが、凄い衝撃と圧力だ。
受け損ねたらやばい。
再度立て直しながら、タイミングを見計らって、バルザードをリザードマンの剣に合わせると、先程同様のすごい圧力がかかったが、そのまま破裂のイメージを乗せる。
「バキィーン」
金属音を立てながらリザードマンの剣が完全に粉砕された。
後は無手となったリザードマン相手に斬りつけるだけで勝負がついた。
やはり自分からの攻撃でなくとも、剣を重ねた状態からであればバルザードの特殊効果は発揮されるらしい。
これであれば、今後近接武器を持ったモンスターと対峙する時は武器破壊も視野に入れながら戦うことができるだろう。
「ご主人様、お腹が空きました。魔核をお願いします。」
「わたしも2発も撃ったんだからいっぱいくれよ。」
俺はそれぞれに適量を渡して次の敵を探すことにした。
「ヒュン」
突然矢が飛んできて後ろの地面に刺さった。
前回と全く同じシュチュエーションだが、ラッキーな事に今度は俺に刺さってはいない。
「シル『鉄壁の乙女』を頼む。」
「ウォーターボール」
真氷剣を片手に持ちながら、シルを抱っこする。
「キャッ」
「う〜。私もおんぶしてくれ。」
すかさずルシェをカードに送還して敵をめがけて猛ダッシュする。蛇行を必要としない分シルを抱っこしても以前よりスピードが出でいる。
目視できる距離からさらに近づきシルを地面に立たせてから、すぐさまルシェを再召喚する。
「ルシェ右側のシルバーオークを頼む。俺は左の奴を倒す。」
「うーっ。扱いが違いすぎるだろ。わたしも抱っこかおんぶで運んでくれ。」
いやどう考えても2人は無理だし。
俺は、そのまま左のシルバーオークに接近して斬りつける。
シルバーオークが咄嗟に反応を見せ、手に持っている大型の弓で防ごうとしたので、そのまま切断のイメージを重ねて武器をぶった切る。
武器のなくなったシルバーオークは普通のオークと変わらない。
殴りかかってきたのを大きくかわしてそのまま、十字に斬りむすんだ。
別に袈裟斬りでも良かったが、よくアニメでなんとかクロスとか言いながら、主人公が十字に斬り結ぶのをみた記憶があったので、それを真似してみたのだが上手くいったようだ。
当然、となりのシルバーオークはルシェに消失させられていた。
今回は進化したバルザードを試してみたくて剣を中心にモンスターを倒したものの、本当は魔核銃で撃った方が簡単に倒せたのだろうが、自己満足出来たので良しとしよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます