第54話 おバカ2人

「本当にすいませんでした。本当に申し訳ない。調子に乗ってごめんなさい」


「なんでも言う事聞きます。ありがとう。助けてくれて本当にありがとう。」


戦闘が終了すると同時に、真司と隼人は土下座の格好で謝ってきた。

怒ろうと思ったけど、完全に不意打ちを食らってしまい、怒るタイミングを逃してしまった。


「は〜。あれだけ言ってただろ。3匹以上は撤退だって。死んでてもおかしくないぞ。」


「返す言葉もございません。楽しすぎて調子に乗ってました。ごめんなさい。」


「なんかテンションが上がっちゃって、変になってました。海斗がいてくれると思って気が大きくなってました。もうしません。」


「わかってるならいいけど。今日はもう終わりだからな。二度と無茶はするなよ。」


「はい、もちろんです。それはそうとあれはなんだよ?魔法か?お前魔法が使えるのか?」


「俺も気になってたんだよ。あれすげーな。かっこよすぎだろ。でもあれ「ウォーターボール」って言ってたと思うけど、水でもボールでもなかったけど。」


「ああ。あれはいろいろあって、今はアイスボールと言うか、小さいアイスジャベリンぽくなってるんだよ。」


「おお〜!?お前ほんとに海斗か?なんかかっこいいんだけど。」


「俺も女なら惚れてたかも。顔隠してたらイケメンじゃねー?」


「あーもういいや。今日はこれで帰るからな。」


「ああ。本当に楽しかったよ。レベル1だった俺たちがレベル4だからな。しかもゴブリンだったら、俺らだけでもいけるしな。」


「ああ、今度から2人で2階層に潜ることにするから、たまには付き合ってくれよな。」


「お前ら・・・反省してねーな。本当に無茶すんなよ。また休みとる時に一緒に行けるといいな。」


そのあと俺たちは地上に戻って別れた。


「海斗には、感謝しかないな。付き合ってもらってフルサポートの上、命まで助けてもらったしな。」


「あの海斗がな。ダンジョンでは別人だったな。ただのダンジョンオタかと思ってたけど、すごかったな。」


「ちょっとは俺らも恩返ししないとな。借りっぱなしってのもカッコ悪いしな。」


「ああそうだな。2人で海斗に恩返しだな。」


2人と別れてから、俺はダンジョンマートへやって来ていた。


まずはポーションの購入だ。今回も1個あって助かったけど、かなり危なかった。なので今度は3個購入することにした。

赤っぽい魔核の代金の700万の使い道を考えてみたが半分の350万は将来の為に貯金することにした。

将来もダンジョン探索者として生活したいなとは考えているが、高校卒業と同時にプロはちょっと厳しいので、大学に行きながら探索者の基盤を固めるつもりだ。なので貯金はその時の学費に当てようと考えている。残りは、探索者の自分への投資用にしようと思う。


「あのすいません。低級ポーションを3個ください。」


「低級ポーション3個ですね。かしこまりました30万円になります。」


「あの〜、低級ポーションでも、ものすごく効果があったんですけど、 100万円の中級ポーションってどのぐらい効果があるんですか?」


「低級ポーションは、単純骨折や中度程度の切り傷、そしてHPを回復してくれます。中級ポーションは、複雑骨折や、重度の切り傷にも効果がありMPも回復させてくれます。」


「そうなんですか。もう一ついいですか?ポーションってサーバントにも効果がありますか?」


「はい。ポーションは敵味方問わず、使用した対象に効果を発揮するので、サーバントであろうとも、同じく効果を得ることができますよ。」


どうやらサーバントにも問題なく効果を発揮するようだ。もしもの時用に中級ポーションを買うのもありかもしれない。とりあえず低級ポーション3個の支払いを済ませ、他も回ってみることにした。


「おう、坊主。今日はべっぴんさんと一緒じゃねーのか?」


「ああ。1人ですよ。そういえば今度5階層なんですけど盾が溶かされちゃって、なんか代わりの盾と、ボウガンに代わるような武器ってないですか?」


「ああ。あの盾か。4〜5階層にあの盾を溶かすようなモンスターいたか?まあいいけど、盾はこのポリカーボネイトのでいいんじゃないか。」


「値段はいくらですか?」


「5万だな。」


「5万円って今までのに比べるとちょっと安いですね。」


「いや、今までお前の予算に合わせたものを予算通り出してやっただけだ。」


「そ、それってぼった・・・」


「あ!?なに!」


「い、いえ、なんでもないです。いつもありがとうございます。と、ところで武器はなんかありますか?」


「武器か。坊主は未成年だからな。本物の剣とかはブロンズランク以上にならないと売れねーからな。ちょっと値段は、はるがこの魔核銃はオススメだけどな。予算はいくらだ?」


「いや、あの。先に値段を教えてください。お願いします。」


「チッ。小せー奴だな。値段は200万だよ。」


「ところで魔核銃ってなんですか?」


「あ?知らねーのか。魔核銃はダンジョンでしか効果を発揮しねーが、魔核を燃料にこの金属バレットを打ち出すことができるんだよ。ボウガンより軽くて、連射も10連射までできるし、マガジンを準備しとけばダウンタイム無しにさらに連射可能だ。威力もダンジョン内では本物の銃並みにあるぜ。」


「なんかその銃ものすごくないですか?それにしてはあんまり使っている人を見た覚えがないんですけど。」


「おっ。坊主鋭いな。この銃はな、魔核を燃料にしているんだが、すこぶる燃費が悪くてな。使用前に魔核をチャージしないといけないんだが、10発撃つのにスライムの魔核で5個必要なんだ。まともに使おうと思ったら、魔核の10や20すぐになくなるからな。ちょっと人気がないんだ。」


魔核を燃料にしているのか。しかも燃費が悪い。まるでシルやルシェのようだな。これも何かの縁かもしれない。


「わかりました。じゃあこれください。」


「え?買うのか?これを。坊主200万持ってんのか?」


「はい、お願いします。」


「そ、そうか、じゃあこのバレットは500個サービスでつけてやる。なくなったら10個で3000円で売ってやるよ。」


こうして俺はポリカーボネイトの盾と魔核銃なるものを手に入れた。

ダンジョン限定とはいえ銃だよ銃。かっこいいよな。

お金が貯まったら2丁拳銃にしてみようかな。

やばい。かっこいい。

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