死刑

あ、あ、あ、しか言えない君は汚れて、大男にさ、殴られてんの。

言葉が無いし、わかりもしない、君の気持ちをいたぶってんの。

知らない、要らない、汚い、見えない。僕の瞳、薄暮の色。

痛い、期待、しない、着ない、このまま死んでくれればいい。


お、お、お、大男、は、君を、殺す。わかってる、けど、ぼくは、しらない。

あの男が死刑になる、その日がとても楽しみだから。


薄汚れ、カーキのズボン。胸の奥から何かが叫ぶ。

きかないふりで押し込んでいく。あたまがばぐる。あたまがばぐる。


個体?気体?

液体、みたい。

僕の瞳、薄暮の色。

痛い、期待、しない、嫌い。

このまま死んでくれればいい。


あー

君が泣き叫ぶ夢を見たからさ、とても寝起きが悪い。

サイダー買って飲んでみたけれどさ……

あーもーいい。

遺書だって書いてやるからさ。


赤黒い染色、みだらな毛、切情と消えた君。男は死ぬ。あー。

人殺しには生きる価値がないってさ、よく言うよホント。

国が殺すのにな。


なんて偉そうに唇嚙んで「殺したやつを許せません」と。

「死刑を望む」

「死刑を望む」

「死刑を望む」

「死刑を望む」


頭の中抉り取って、猿脳にして食べれたらなあ。

どれだけラクになれるかな。

どれだけ悲しくなるかな。


ああ君が殺される日にちが決まったようだ。

だから僕はね、死にたい、死にたいからお願いだ、死にたい、殺して!

「死にたい、と、言ってるのか、駄目、だよ、君が死んだら、俺も死ぬ」

胸の中からさ、声がするの。

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