蛾と蜉蝣
精神病患って 賽とか無いの
切って貼って それだけの
先生は大丈夫って仰って
外界 大体 吐いてんだ
炎天下 正常も とうに朽ち果て
青天・経典・配線・立ち処
何一つ壊れている
停滞 脳から殺してく
右手だけ 私のね 頭に落ちて
母さんも 父さんも 異常だっただけ
何度も言うの ケロイドは言うの
夜になるその前に
「花火だって言って
その方が母さんも傷つかないよ」
「花火みたいな
顔だって愛せるのが家族ってもんだ」
そうだ
愛情だ 愛情だ 愛情だ 愛情だ
愛情だ 愛情だ 愛情だ 愛情だ
愛情だ 愛情だ 愛情だ 愛情だ
爆発音と共に泡になる
料理が大好きな母さんだって
教会 今日かい? 祈ってて
父さんは私のことを見て
吐いて 吐いて 戻した
だったら一体私をどう産んだのよ
嫌なら産まなきゃ
醜いものは愛せないよ
奇形だって言われたんでしょ
「花火みたいに
色んな色にしてきましたけど
花火のように
綺麗には一切縁が亡い様でした」
だって
惨状だ 惨状だ 惨状だ 惨状だ
惨状だ 惨状だ 惨状だ 惨状だ
惨状だ 惨状だ 惨状だ 惨状だ
「汚い」と言って笑い倒した
流してよ 流してよ 流してよ 私をさ!
流してよ 流してよ 流してよ 私をさ!
諦めて 諦めて 諦めて 私をさ!
産まずにさ 流してよ
無責任だな
花火みたいに
この場から その場から あの場から消して
蛹の儘で潰れている様が
何とも滑稽だな そうだ
火薬は煮詰まっていた
この憎悪とこの羨望とこの醜態だけど
綺麗に咲けるよ
母さんも父さんも見上げていればいいな
割れてんの 割れてんの 割れてんの 割れてんの
割れてんの 割れてんの 割れてんの 割れてんの
割れてんの 割れてんの 割れてんの 割れてんの
割れてしまえば 皆
同じ顔だ
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