第4話

 しかし、その剣をブリ男が素手で受け止めた。


「早々、武器を手放すとはハタハタ軍も落ちましたね」


 ブリ男が、そう言うと剣を地面に突き刺した。


「剣の1本や2本どうした!

 そんなものいくらでも出せる!」


 怪人は、そう言って空中より剣を出した。


「ほう……

 では、何本も作ってもらいましょうか。

 全て、このブリキュア・サーラが薙ぎ払ってくれます」


 ブリ男が、そう言うと怪人は、早良の方を見る。


「……って、私ですか?」


 早良の目が泳ぐ。


「そうです。

 これは、人間対ハタハタの戦いです。

 ブリタニ国の掟により私たちブリタニ界の魔人は、他の種族の戦争には加担することは出来ません。

 なので、僕が出来るのは力を与えることだけです。

 さぁ、ブリキュア・サーラ!

 貴方の力を見せてください」


 ブリ男が、そう言うと早良に向かって剣を構えて襲いかかる。

 早良、その攻撃を避ける。

 避けて避けて避けまくる。


「ちょっと……

 私に戦える武器なんて……」


 早良が、避けながらそう言うとブリ男が、優しい口調で言葉を放つ。


「貴方の武器は、貴方にあります」


「ちょ……どういう意味ですか?」


「かのマリー・アントワネットは言いました。

 『お菓子がなければブリオッシュを食べればいいのに』と……」


「意味がわかんないです」


 早良が、涙目でそう言うとブリ男が答える。


「つまり、今の力がないのなら別の力を使えばいいのです」


「え?」


「魔法は想像力です。

 貴方のための貴方だけの武器を作ってください。

 早良さんのその動きを見ると何かスポーツをやっていますよね?」


「弓道と漁業組合で鍛えぬかれた足腰には自信がありますけど……

 こんな怪人さん相手に通用するなんて……」


 早良が、そう言って自信なさげに涙をこぼす。


「貴方は、まだまだ早良さんのようですね」


「え?」


「今の貴方は、早良さんじゃない。

 ブリキュア・サーラです!」


「ブリキュア・サーラ……?」


「そうです。

 さぁ、もう一度言うのです!

 青い光が……なんですか?」


「青い光が……私を照らす……

 キュアな私が貴方を照らす……」


「もっと気合を入れて!」


「青い光が、私を照らす!キュアな私が貴方を照らす!」


「さぁ、もう一度!」


「青い光が、私を照らす!キュアな私が貴方を照らす!

 魔法少女ブリキュア・サーラ!ここに参上!」


 早良の体が再び輝く。

 早良の手に大きな光の弓が現れる。

 この瞬間、早良がサーラに……魔法少女ブリキュア・サーラに変わったのだ。

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