第3話
「変身は、どうやるのですか?」
早良が、尋ねるとブリ男が小さく笑う。
「変身ですね。
皆さん、そうおっしゃいますね。
でも、変身なんて無駄な動き……
自然界では、そんなことをすれば死にますよ」
「へ?
じゃ、このままで戦うのですか?」
「でも、そのままでは気合が入りませんよね。
皆さん、そうです!
なので、まず貴方には3秒で服を変える力と3秒間時間を止める力を授けました。
あとは気合の入る変身のセリフを決めて衣装チェンジしてあの怪人を倒してください」
「気合の入るセリフ……」
早良が、そう言うと頭に手を当てる。
「ちなみに貴方の変身するキャラクターは、そうですねぇ……
早良さんだから、ブリキュア・サーラというのはどうでしょう?」
「ブリキュア?」
「そうです」
「いいんですか?」
「なにがです?」
「大人の事情とか……」
「子どもは大人の事情とか気にしなくていいんですよ。
それも子どもの特権なのですから……」
ブリ男が、そう言って笑った。
「そ、そうですか……」
「なので、変身の決めポーズも。
『ブリキュア!変身!』でもOKです」
「それは、ちょっと可愛くないです……」
「なら、早めに考えたほうがいいですよ。
あの怪人さん、そろそろ痺れが切れそうです」
ブリ男が、そう言って怪人の方に指を向ける。
「おい!早くしないのなら殺すぞ!」
「ブリ男さーん!
あの怪人さん、なんか怖いことを言っていますよー」
「怪人なんてみんなそんなもんです」
ブリ男が、そう言うと早良は考える。
かわいいのがいいなぁー
でも、かっこいいのもいいなぁー
「さてさて、どんなセリフになるのでしょう」
「決めた!
私、変身します!」
早良が、そう言ってポーズを決める。
「青い光が、私を照らす!キュアな私が貴方を照らす!
ブリキュア・サーラ!」
早良が、そう言うと体が輝く。
そして、ミニスカートに可愛らしい服装に早良が変わる。
「ほうほうこれは……」
早良が、小さく笑う。
「これ、ちょっとスカート短くないですか?」
早良が、そう言ってスカートを押さえる。
「見えそうで見えない。
チラリズム、最高じゃないですか!」
ブリ男が笑う。
「で、でも……」
早良が、照れる。
「さぁ、来るなら来い!
殺してやる!」
怪人が、そう言って絡む。
「で、でも……
これだと下着が……見えちゃう」
それを聞いたブリ男が指をパチンと鳴らす。
すると早良のスカートに下にショートパンツが現れる。
「これで動けますか?」
「は、はい……
ありがとうございます」
早良が、そう言って構える。
「はい。
お前も経験値になるのだー!」
怪人が、そう言って剣を早良に向かって投げた。
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