12/25

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「またね。」


あれから何年経ったかな。


私はコンビニで買った紙パックのミルクティーを

冷蔵庫からでしてストローを指す。


それを持って寒空のベランダに出る。


いつもベランダには、ラジカセと本と好きな飲み物を置いてのんびりしてストレス解消をしてる。


今日もまたいつもと同じように過ごす。


少し遠い商店街からはまだクリスマスソングが聞こえる。

まだ飲み屋が開いてるからかけてるのかな。


私はラジオをかけて本を手に取る。

今回はドロドロ恋愛もの。

好みではないけど、最近ハマった作者の若い頃に書いたもの。


この人の恋愛観なのかな…?と

勝手に想像しつつ読み進める。


[May happiness come to everyone who listens.

皆さんこんばんわ。クリスマスが終わるまでひとつまみの奇跡をお送りします。]


私の恋愛は、本当に付き合ってるのかわからないものばかり。


私が好きと思っていても、相手は体の関係だけと思っていたり、

相手が酔って告白したもの。

しかもプロポーズの日ですねとラジオで流れていて

その日に結婚前提でお付き合いしましょうと言われたらなんだか信じてしまうもの。


一途に健気に待っていたって、

自分から発信したら、若すぎるって。

都合のいい話だね。

初めから無理だったんじゃん。


「はぁ…。」


白いため息をつきながら、本のページをめくる。


今年もなにも動きのない一年。

ただ人に傷つけられる一年。


自分なりにうまくやろうと思ってもやっぱりだめ。


リハビリをしようとしても結果自分が傷つく展開になる。

体も心もボロボロ、自分で繕って自分の頭を撫でて自分を褒めるしかない。


他の人は、信頼してくれる人がやってくれるんだろうけど私にはいない。

信じても、うまくいかない。


この人への信頼が消えたら私は多分人を信用できなくなる。

そう思って全力で当たってきたはずなのに


「君は僕じゃなくてもいいんだよ。でも彼女は僕が必要なんだ。」


だって。


本当つくづく人運が悪いね、私って。

困るなぁ、みんな口々に人脈や仲間は大事だというけれどそんな人どこで見つければいんだろう。


頭を上にあげて本を空に近づけて読む。


あぁ、また考えてもしょうがないことを考えてしまった。

瞳が熱くなる。


[では、次の曲、クリスマスの夜。あなたに幸多からんことを。]


人はみんな一人で死んでいくというけど、

私を想って誰が悲しんでくれるんだろう。


きっと妹くらいかな。


一人長生きして誰も悲しませないで死ぬのもありかな。


私は今あなたを想って離れたことを後悔してます。

でもあなたの中の幸せな時間が1秒でも多いことを願っています。


私がいなくても、あなたが幸せならこれが正解なんだろうね。


あなたと、あなたが大切に想ってる人の幸せが長く続きますように。


また、会えたなら私は笑顔で

おめでとうって言えるように頑張るよ。


「はぁ…。」


やっぱり冬は集中出来ないな。

思い出したくないことも思い出す。


このミルクティーもあなたの味を思い出してたまに買ってしまう。


部屋に入って、暖かくしておいたコタツで寒空で冷えたミルクティーを飲みながら、

映画を見ることにした。

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