18:00
また、今週も会えないのかな…。
僕たち最近仕事もプライベートもそれぞれ忙しくて会えてないね。
まあ、生きていくために仕事は必要だし、
僕以外にも大切な親や友達もいるもんね。
でも今日か明日は一緒に過ごしたかったな。
大切な人と過ごす日って決まってるから僕は君を第一優先なんだけど、
君はやっぱり仕事が忙しいんだね。
ちょっと寂しいけどしょうがないよね。
こんなに好きだって思っていても
会って伝えられないなんてこんなに辛いなんて思わなかったよ。
仕事が終わり、電車に乗り暗くなった街並みを頭空っぽで眺める。
あ、あそこデートで行ったな。
あそこのごはん美味しかったよな。
やっぱり会えないのかな…?
明日どちらも朝が早いし、
彼女はまだ仕事が終わってない時間。
無理なのかな…。
いや、僕が会いに行こ!
会社からの帰る道のりだけでも一緒にすごそう!
僕は電車を乗り換えて彼女の仕事場へ向かう。
プレゼントも渡そう。
プレゼント…何にしよう。
僕の気持ちが伝わりそうなもの…。
道を歩いていると、出店が見えた。
暇なのかラジオを流している。
[May happiness come to everyone who listens.
皆さんこんばんわ。明日のクリスマスが終わるまでひとつまみの奇跡をお届けします。]
出店を見ると花をテーマに色々手作りしたものを売ってるみたいだ。
「こんばんわ。」
「いらっしゃいませ。よかったら手にとってみてくださいね。」
「ありがとうございます。」
彼女っぽい花…あるかな。
淡いぶるーの花のイヤリングを手に取る。
「それはブルースターという花で花言葉は信じ合う心です。」
「へぇ…。」
信じ合う心か。
「これください。ラッピング出来ますか?」
「ありがとうございます。はい!少し時間かかりますが大丈夫ですか?」
「はい!大丈夫です。」
[では、次の曲、聖なる夜の贈り物。あなたに幸多からんことを。]
包み終わるのを待つ。
サプライズで会いに行くことにしたけどちゃんと会えるかな?
彼女はいつも19:00に終わると言っていたが最近はだいぶ遅いらしい。
今の時間から待ってればきっと会えるだろう。
いや、神さま、会わせてください!
「はい。お待たせしました。」
「ありがとうございます!」
「いえ、こちらこそありがとうございます。」
では、と言って君がいる会社へ向かう。
会社の窓からちらほら明かりが見えるので誰かしらいるっぽい。
「よし!」
僕は会社の前で君を待つ。
久しぶりに君の笑顔が見られると思ったらこの寒さも耐えられる。
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