12:00

「今日はサンタさんにお手紙書いてからご飯食べようねー。」


先生が手紙とペンを渡してきた。


いつもより少し少ないお友達。


こんなの書いたってサンタさん来てくれないもん。

パパとママだっていつも通りお仕事で家族全員でクリスマス過ごしたことない。


妄想のクリスマスパーティーの絵を書いて先生に渡した。


「ありがとう。今日は特別なクリスマスメニューだから楽しんでね。」


今日は運動部屋で保育園に来ているみんなで食べる。

私の年のごはんは骨つきチキンが出てた。

私はパパとママと食べたいんだけどなぁ。


先生がラジオをつける。

大きいお部屋でたべるときはいつも付けてる。


[May happiness come to everyone who listens.

皆さんこんにちは。明日のクリスマスが終わるまでひとつまみの奇跡をお送りします。]


野菜スープを飲みながらみんなの様子を見る。


あの子は今日家族とクリスマスパーティー、

あの子は遊園地、

あの子はイルミネーション、

なんで?私いつもいい子にしてるのに。

サンタさん私のこと見てくれてないのかな。


今日の朝なんて1番に保育園に連れてこられた。


[では、次の曲、My favorite things。あなたに幸多からんことを。]


曲も英語で何言ってるかわからない。

つまんないなぁ。


チキンにかぶりつく。

ちょこっと冷めちゃった。

ゆっくり食べ過ぎたかな。


パパとママと一緒にいるだけで嬉しいのにな。

プレゼントもいらないしご馳走もいらない。

まああったら嬉しいけど今年こそは家族みんなで過ごしたいな。


「はい、みんなでご馳走さま!」


「「ご馳走さまでした!」」


お皿をかたずけて一人で教室に帰ろうとしていると先生に話しかけられた。


「ご飯美味しかった?」


「…うん。」


「よかった。じゃあ帰る準備しよっか。」


「なんで?まだお迎えの時間じゃないよ?」


「うん!だけどパパとママ来てるよ。」


私の教室の前でパパとママがスーツのまま私の大好きなケーキ屋さんの箱を持って待っていた。


「え!なんでいるの!?」


「今日、一緒にお出かけしようかなって言ってたよ。」


「やった!パパ!ママー!」


パパとママの元へ走って行って抱きついた。

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