7:00
「ママ、ママ、ママ!おきて!」
ママを起こす。
「ん…おはよ。どうしたの?」
「クッキーやくの!」
「はいはい、ちょっと待ってね。」
今日はサンタさんとトナカイさんのためにたくさんクッキーを焼く。
妹と一緒に生地を伸ばして型抜きはもう終わった。
あとは焼くだけ。
サンタさんのことを知ってからサンタさんがくる日はちゃんとクッキーを置いとくようにしてる。
ママがオーブンを温める。
その間ママは朝ごはんを作り始めた。
パパがスーツを着てコーヒーを作る。
「オーブン温めてる間におばあちゃん呼んできて。」
「「はーい!」」
おばあちゃんの部屋に妹と一緒に行く。
あ、またおばあちゃんラジオつけっぱなしだ。
[May happiness come to everyone who listens.
皆さんおはようございます。明日のクリスマスが終わるまでひとつまみの奇跡をお届けします。]
おじいちゃんがお空に行ってからいっつもこのラジオをつけて寝ている。
おじいちゃんがおばあちゃんにプレゼントしたってパパが言ってた。
「おばあちゃん、おきて。あさごはんだよー。」
「ん…おはよう。おやすみなのに早いのね。」
むくっと起き上がるおばあちゃん。
「またつけっぱだったよ?」
「わざとよ。聞いてるとおじいちゃんがそばに居てくれる気がするの。」
「「へぇー!おじいちゃんおはよ!」」
ラジオに妹話しかける。
[では、次の曲、リトル・ドラマー・ボーイ。あなたに幸多からんことを。]
太鼓の音から始まる。
ラパパンパン?
「ラパパンパン!」
妹が真似する。
僕も真似する。
「ラパパンパン!ラパパンパン!」
「なんで今日早起きしたの?」
「サンタさんとトナカイさんにクッキー食べてもらうために作ったの。」
「そうだったのね。美味しく作れるようにお願いしとこうね。」
「「うん!」」
「ご飯できるわよー。」
ママの声が遠くから聞こえる。
3人で歌いながら、ご飯を食べる部屋に行く。
「オーブン温まったから入れたっていいかな?」
「うん!」
ママが僕たちが型抜きしたクッキーをオーブンに入れて時間を設定する?
「なに作ったんだ?」
「「クッキー!」」
「ああ、サンタにあげるやつか。美味しくでくるといいな。」
パパは食パンを食べながらクッキの話をする。
朝ごはんを食べ進めているとクッキーのいい香りがしてきた。
パパは仕事に出る準備をするために皿を片付け洗面所に行く。
おばあちゃんは相変わらずのんびり食べている。
僕たちより遅いことがよくある。
[ピー、ピー、ピー]
クッキーが焼き終わりママがオーブンから出してくれる。
「「わぁ!」」
妹と2人でクッキーを見てよだれを垂らしそうになる。
「たくさん作ったわね、あとでじぃとばぁにおすそ分けしにいこっか。」
「「うん!」」
ママのパパとママが少し歩いたところに住んでいる。
クッキーを冷ましながらお出かけの準備をし始める。
「じゃ仕事…あ、出来てる。」
パパが一個つまみ食いする。
「あ!…もうパパにも包んであげようと思ったのに。」
「ごめんごめん、美味しそうでついな。2人ともすごく美味しく出来てるよ。」
ポンポンと頭を撫でられる。
「じゃあ行ってきます。」
「「「「いってらっしゃい。」」」」
家族みんなでパパを見送る。
ママとおばあちゃん、僕と妹でクッキーを袋に包む。
サンタさんとトナカイさん喜んでくれるかな。
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