帰ります

「海斗ー、俺そろそろ帰るぞ」


「分かった!じゃあ玄関まで見送るね!」


洗い物を終えた俺は二階に上がって海斗に帰ることを伝えた。もう八時を回っていたからだ。明日も学校があるし、早めに帰っておかないと寝不足になってしまう。


「すいません、夏美さん…。そ、そろそろ俺帰ります…。お世話になりました…」


さっきのこともあり少し気まずい…。夏美さんは気にしてないだろうか…?


「もう帰るの?私としては泊まっていってくれたほうが嬉しいんだけどなぁ…」


「ま、まぁ…。それはまた次の機会で…」


「えっ!次は家に泊まってくれるのっ!?」


「いや、えっと…。まぁ」


「ふふっ…。やったぁ(ボソッ)」


よく分からないがどうやらさっきのことは気にしてないみたいでよかった…。


「じゃあね!翔!また明日、学校で!」


「おう、また明日」


「ふふっ、またね翔君♪」


めちゃくちゃ元気な海斗と、なぜか上機嫌な夏美さんに見送られ、俺は遠藤家を後にした。


歩きで帰っている途中で俺は今日のことを考えていた。


海斗とゲームをしたとか、夏美さんのご飯が美味しかったとか…。まぁ、でも一人で食べるよりも他の人と一緒に食べた方が、


「楽しかったな……」


そんなことを俺は一人しみじみと呟くのだった。







**

な、何でなんだ…。何でそんな顔をしているんだ…。俺のことが好きだったんじゃないのか…?俺のことを愛していたんじゃないのか…?なのに何で俺以外の奴にそんな表情を…。夏美…。



そんなことあっていいはずがない。夏美は俺のものだ!俺だけのものなんだぞ!


確かに俺は一度君の前から逃げた。だけど愛していたのは君だけだ!


他の女のところに行ってしまったこともあった!でも君は俺のことをずっと待ってくれている!そうだった…。そうだったはずなのに…。


君は他の男にそんな顔を………。そんな表情俺にも見せたことがないのにだ………。


電車で君を見つけたときは奇跡だと思ったよ……。本当はもう会えないと思っていたんだがな…。


でも……。君は他の男と一緒に電車に乗って、他の男と一緒に遊園地に行って、本当に楽しそうで幸せそうにしていた…。


あ、アイツか……。あの男が夏美を変えたのか…。俺の俺だけのものだった夏美を……。


絶対に許せない……。



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ベランダです。更新遅れて申し訳ありませんでした…。リアルの方が色々と忙しく、書きたいとは思っていたのですがなかなか行動に移すことができませんでした…。

しかし、これからは更新ペースを徐々に上げていけると思いますのでよろしくお願いします。

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