デート2

チケット買う時はしっかりと俺が払った。最初は断られたがなんとか払うことに成功したな…。


「あの、なんか乗ります?」


「ん〜、じゃああれに乗ろう!」


そう言って夏美さんが指を差したのはジェットコースターだった。


ヤバい…。俺はジェットコースター乗れない系の一人だ…。小さい頃に一回乗ったのだが怖すぎて今でも少しトラウマだった。



ただ、なんか乗れないのは恥ずかしいという謎の心理が働いてしまい嫌とは言えずにそのまま乗ることになってしまった…。



**

ここの遊園地は開園してすぐということもありジェットコースターには結構な人がならんでいた。そして今から待ち時間が終わり俺が乗る番がやってきた…。



「楽しみだね〜♪」


「は、はい…。そうですね…」


結局最後まで嫌とは言えなかった俺。もう乗って動き始めてしまったので後戻りは出来ない…。


頂上が近づくにつれ恐怖感は増していく…。隣を見ると夏美さんは楽しそうな顔をしていた。


とうとう来てしまった…。頂上に…。後は落ちるだけしかない。


そして………。


「っ!」


**

はぁはぁはぁ…。死ぬかと思った…。怖すぎて悲鳴を上げることすら出来なかった。ちなみに夏美さんはまるで子どもに帰ったようにはしゃいでいた。


「楽しかったね!」


「あぁ、は、はいそうですね…」


楽しいというより死にそうだったんだがな…。


「あれ?大丈夫…?顔真っ青だけど…」


「い、いや大丈夫です」


「全然大丈夫そうじゃないよ…。もしかしてジェットコースター苦手だった?」


「まぁ、少し…」


「ご、ごめんなさい!そうだとは気づかなくて…」


「いや、大丈夫ですよ…。少し休めば治ります…」


「で、でも…」


「そんな顔しないでください。夏美さんが楽しそうじゃないと俺来た意味ないじゃないですか…。それに夏美さんは笑った方が綺麗ですよ」


「っ!」


急に顔を隠す夏美さん。どうかしたんだろうか…?


「そ、そうだね…。私が楽しそうじゃないとダメだよね!」


どうやら落ち込みを直してくれたらしい。


「すみません…。少しあそこのベンチで休みます…」


そう言ってベンチに座ると、隣に夏美さんが座った。


「ねぇ、翔君…。私の太もも使っていいよ…」


「………え?」


どういうこと?なにを言っているんだ?


「だ、だから私の太ももを枕代わりにしていいよってこと…。そっちの方がすぐに良くなると思うよ…」


「え、いやでも…」


「ほら、いいから!」


そうして俺は無理矢理寝転ばせられ夏美さんの太ももを枕代わりにすることに…。


ただ俺もジェットコースターが結構しんどかったらしくすぐに意識を手放した。


「さっきは昔と同じこと言ってくれたね…。笑ってた方が綺麗か…。嬉しかったよ♪」


その言葉は俺には聞こえなかった。



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