デート当日

色々しているうちに夏美さんと出かける日になった。デートなのか?デートと言っていいのか?


とりあえず身なりを整えることにする。やっぱりそうしないと失礼だからな。


普段少しボサッとしている髪を整えて、服を着る。まぁ、俺にファッションセンスなんてないから何来たらいいのか全く分からんが…。


とりあえず一通り身だしなみを整えた後鏡の前に立つ。


やっぱあんまり変わらんよな…。別にラブコメ主人公みたいに身なりを整えたからと言ってイケメンになったりしない。多分、俺の顔は中の上ぐらいだと思う。うん…。そうだと思いたい…。



よし…。あとは、お金を持っていかないとな…。やっぱり女の人にお金を払わせるのは男としてどうかと思う。



って、ヤバっ!もうこんな時間かよ!時計を見ると9時45分をまわっていた。



普通に歩いて行くと駅まで20分ぐらいかかる。このことから分かるように結構ヤバい状況である。


そうして俺は家を飛び出してのであった。



**

ダッダッダッ


ヤバいヤバい。これはギリギリ間に合うか間に合わないかの境目だな…。


クソッ。信号引っかかた…。なんかこういう焦っている状況に限ってよく信号引っかかる気がする…。



そうこうしながらもなんとか1分前に駅の前の待ち合わせ場所に着いた。


あぶね〜。なんとか間に合ったな…。夏美さんはどこだ…?


そうして周りを探していると夏美さんが二人の男に絡まれているのを見つけた。


ナンパか…。早く助けるしかないな…。


「なぁ、お姉さんこれから俺らとお茶しな〜い?」


「ちょっと、やめてください!」


「ねえねえいいから行こ〜」


手を掴まれて連れて行かれようとしている。


「あのすいません…。僕の彼女がどうかしましたか…?」


咄嗟に彼女と嘘をついてしまった…。


「ああ、なんだテメェ!邪魔すんじゃねえよ!」


そう言って男の一人は胸ぐらを掴んで、殴ろうとしてきた。


ただ俺は表情を崩さずに言った。


「いいんですか?こんな人がいる前で」


そう言われて男はどうやら自身の状況を悟ったらしい。周りには人が集まっていた。


「チッ、覚えとけよ!」


三下みたいなセリフを言って二人の男は去っていった。


「あ、ありがとう…」


どうやら怖かったらしい。身体は少し震えていた。


「いえ、大丈夫ですよ。夏美さんが無事でよかったです」


そう言って俺はついつい夏美さんの頭に手を置いてしまった。



「ふぁ!ど、どうしたの?」


「あっ、い、いやすいません!」


耳まで真っ赤に染まっている夏美さん。よく分からんが元気になったようでよかった。


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