お昼時

昨日は遅くまで夏美さんにお説教された。なんでされてるかも分かってないまま…。途中で海斗も帰ってきて部屋の扉開けたのに俺がいると気付くと無言で閉めやがった。助けて欲しかった…。


あいつこの前学校で女子に絡まれたとき俺が助けなかったこと根に持ってるな。



昨日帰ったの夜遅くだからめっちゃ眠たい。実際この授業も半分寝た状態で受けている。


「ここは、この数を使って………」


先生がなんか言ってるが全く分からん。この前海斗に教えてもらったのにすでに授業に遅れてしまっている。



もうすぐ授業終わるだろ…。そう思って時計を見るとまだ始まってから二十分しか経っていなかった。くそ萎えた…。



**


やっと四時間目も終わった〜!途中記憶ないけど〜!


よし今からお昼食べに購買いくか〜。そう思って教室を出ようとすると後ろから腕を鷲掴みにされた。



「あれ?どこに行くのかな〜?昨日の約束忘れたんじゃないんだよね〜?」



声の主は中谷さんだった。あっ、ヤベ。昨日海斗をお昼に誘うわって俺言ってたわ。すっかり忘れてた…。



「アハハ、いや、今から誘いに行こうかと…」



「本当に〜?じゃあなんで遠藤君まだ教室にいるのに外出ようとしたの〜?」



「いや、一回外の空気吸っときたかったからな…」



「ふ〜ん?」


いや怖いって…。なんだふ〜んって。今まで聞いたふ〜んの中で一番怖かったぞ…。あと最後に〜(伸ばし棒)付いてるところとかもな。



とりあえず早く誘いに行かないとヤバい…。



「海斗〜!今日お昼一緒に食べようぜ!」



「あれ?珍しいね。翔がお昼に誘ってくるなんて。いつも一緒に食べるときは僕から誘ってるのに。どうかしたの?」


「いや、女子に絡まれたとき助けなかったから機嫌直して欲しいと思ってな…」


「アハハ!別に怒ってないけど。いいよ、じゃあ屋上行く?」



「あともう一個あるんだけどいいか?」


「ん?いいけど…?」


「もう一人屋上で一緒にお昼食べたいやつがいるんだが…」


「全然大丈夫だよ!」



よし!完璧だ。あとは中谷さんを連れてくるだけだ。さっきからずっとこっち見てるからな。



「わりぃ、海斗先に屋上行っといてくれ。その人呼んでくるわ」


「分かった!」



そういうわけで、俺は中谷さんいや中谷でいいや。を呼びに行くことにした。



「よし、ちゃんと食べてくれるとよ。一緒に」



マジで断られたらどうなるかと思ったが。



「ありがとう〜!」


どうやら機嫌も直してくれたみたいだ。


「じゃあ屋上行くか」



ただ俺は気付いていなかった。この行動で俺の日常が面倒くさいものになることに。


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