遠藤家の食卓

「へ?」


思わず変な声が出てしまった。彼女?なぜそんなことを聞くんだ?質問の意味が分からないんだが。


「その反応…。もしかしているの!?」


どうしてそんなに焦っているんだ。なんか俺に彼女がいたらまずいのか?


「いや、いませんけど…」


そう言うと夏美さんはホッとしたような表情になった。さっきから表情の真意が全く読み取れない。


「ふふーん♪そうなんだ、いないんだ♪」


最初はヤバいことでも言ってしまったのかと思ったが大丈夫だったみたいだ。



**


それから俺は様々な質問をされまくった。好きな女性のタイプから結婚願望まで女性関係に関するあらゆることについて聞かれた。いや、結婚願望って早すぎるだろ!?俺まだ高校生だぞ!



一時間ぐらい質問されて疲れた…。そんでその間に海斗も帰ってきたし。でも乗り越えたからいいか。



ジュー


さっきから何かを焼く音が聞こえる。どうやら夏美さんが何かを作っているようだ。俺も手伝おうとしたんだがお客様なんだからいいよと断られた。なので俺は海斗と一緒にリビングでマ○オカ○トEXをしている。


「ふっ。甘いぜ。海斗。赤甲羅いくぜ!」


「え!ちょっと一位なのに!」


ゲームは俺が海斗に勝てる数少ないもののひとつだ。残念だがこのゲームは俺が一番やっていたゲーム負けるわけにはいかねぇ。


「よっしゃー!一位だ!」


「うわ〜。途中まで一位だったのに十位まで落ちちゃったよ…」


コイツに勝つのは気持ちがいいぜ。


「二人とも〜♪ご飯できたわよ〜♪」


そんなことを考えているとキッチンから夏美さんの呼ぶ声がきこえてきた。そしてめっちゃいい匂いがする。



「じゃあ、たべよっか♪」


「「「いただきます」」」


どうやら匂いのもとはハンバーグだったようだ。それにしてもおいしそうだ。


一口サイズにお箸で切って口に入れた。するとその瞬間くちにジュワッと肉汁が広がる。


「うまっ」


おいしすぎてつぶやきが漏れてしまった。うちの母には悪いが今まで食べたハンバーグの中で一番うまい。


「めちゃくちゃおいしいです!」


「あれ、本当!嬉しいな♪」


さっきまで不安そうに俺の様子を伺っていた夏美さんだが、俺がおいしいと言うと嬉しそうな顔をしてくれた。どうやらハンバーグの味が心配だったらしい。


それにしてもおいしかっので一瞬で食べ終わってしまった。

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