第32話 留学試験

 宮殿にて、ヴィーナスはコンソールを操作し、とある名前が並ぶリストをチェックする。


「……これは、一騒動おきますね」


 ヴィーナスはそれを見る度に、憂鬱の色が浮かぶ。ヴィーナスの神々しい美貌にもなるとそれさえも絵画にもなり、人々を魅了するが、同時に民衆に大いなる不安を抱かせる不吉の兆しでもあった。


「ヴィーナス様のお言葉ともなると穏やかでありませんね」


 謁見の間にただ一人、皇にお目通りしていたデメトリアが言う。


「もちろん、あなたがいなければこんなことは言いません」


 ヴィーナスはそう言って微笑む。

 現在六人いるワルキューレ・リッターの中でも最年長にして最も経験の長いデメトリア・ライラシア。その威容はヴィーナスの美貌を以てしても陰るどころかむしろまばゆく輝くのであった。

 それこそ絵画に描かれた女神と守護騎士の一組のように。


「私を頼りにさせていただくのは嬉しいのことですが、良からぬことなのでしょうね」

「ええ……これを見てください」


 ヴィーナスはデメトリアにリストを飛ばす。


「ワルキューレ・グラールの出場者リストですか。

ミィセル・ラムザ、リミエッタ・サラサール、ニラリス・ルラン……宮殿の精鋭騎士達だな、彼等の修練の成果も見ものであるな

ヴェリアーデ・アーミル、フェサリス・アザレア……西に東に粒ぞろいの騎士が揃っているな。

デラン・フーリス、エドラ・カシス……アグライアが目をかけているエインヘリアルの若き少年騎士達か」


 デメトリアはリストにある見知った名前を目にする度に目を輝かせる。


「――!」


 しかし、リストに乗っていたとある名前を見つけた時、絶句する。


「どうして、この名前が?」

「これがあなたに相談する内容なのです」

「……なるほど」


 デメトリアは納得する。はからずも先程のヴィーナスと同じ憂鬱そうな顔になり、ヴィーナスは同じ気持ちを共有でき、これだけでも相談した甲斐があったと不謹慎にも思った。

 

「これは難儀な問題ですね」

「ええ、出来れば大臣方には猛反対されるでしょうね。しかし、反対したところで向こう側に強行されて押し切られるのは目に見えてるから」

「それはそうですね……ですが、これは遅かれ早かれ露呈することですよ」

「……トリア、私はどうしたら良いのでしょうか?」


 ヴィーナスは憂いを帯びた表情をして訊く。

 皇として誰かに助けをこうなどあってはならない、とヴィーナスは思うだのが、そうせざるを得なかった。

 彼女の母の代からワルキューレ・リッターとして務めてきているデメトリアには、その責任が如何に重く辛いものか理解している。


「……皇の席を降りる、というのはどうでしょう?」

「…………………」


 デメトリアは極めて真面目な顔で言うものだから、ヴィーナスは驚いて目を開く。


「トリア、いつも思うのですが、あなたの冗談、笑えません」

「冗談でなければこんなくだらないことは言いません」

「そのあたり、母もどう接していいかわからなくて困っていましたよ」

「ん、そうでしたか……」


 デメトリアはヴィーナスの口から意外な人物を出されて頭を悩ませる。


「ですが、冗談といえどそんな言葉を投げかけられては決意が固まります」

「それは安心します。母に似て相当頑固な性格のようで」

「はい。冗談でもこの皇の座を明け渡すような真似は絶対にできませんから」

「あなたがそういう性格なのはよくわかっていましたから」

「ええ」


 ヴィーナスは出場者リストを閉じる。


「それに、あなたがお決めになられたのなら私は反対しません」

「そうですか。それを聞いて決心が固まりました。

――では、彼の出場は決定とします」

「ワルキューレ・グラールの長き歴史においてもこんなことはなかったでしょうね」

「やはり、許されることではないでしょうか?」

「……いいえ、過去の歴代の皇は許すでしょう」

「ありがとうございます、デメトリア。あなたにそう言っていただけてどれだけ心強いか」


 ヴィーナスは一礼する。それは金星人ならば誰しも求める極上の褒美であった。

 デメトリアもまたその笑みを受け賜れる喜びに思わず震えた。


「光栄の極みです。

我等ワルキューレ・リッターの聖器は全て御身の為にありますので」


 デメトリアは胸に手を当て、誓いを口にする。

 その姿はまさに正騎士としての有り様であり、ヴィーナスは頼もしく思えた。




 暗闇の回廊の中、何も見えない空間で男はとあるボイスメッセージを受け取った。


『耳寄りな情報があるわ』


 声の主は外套のヒト。いつも有益な情報を持っている得体の知れないヒト。口調から女性らしいことぐらいしかわかっておらず、名前すら男は知らない。


「へえ、どんな情報なおかい?」

『ワルキューレ・グラールとテクニティス・フェストの件』

「なるほど」


 男は興味を示す。


「是非教えて欲しいものだ」

『これがそのリストよ』


 ディスプレイに名前が映し出される。

 それを見て男は満足げに笑みを浮かべる。


『満足した?』

「フフ、そうだな。思惑通りに進むと心が満たされる」

『そして、これがフェストの情報よ』

「ふむ」


 男はリストを見る。


「とはいっても、俺はマイスターについて詳しくないからな」

『興味ないか、そう……』


 外套はつまらなそうに言う。


「まあしかし、彼等が当面のライバルというなら目を通しておく必要があるか」

『大使の息子ともなると色々苦労を重ねるものだね』

「それは口にしない約束だろ」


 男は通信ウィンドウに映る外套を睨む。その顔は外套に阻まれて見えない。


「今のところ、俺が一番気になっている情報はお前の正体なんだけどな」

『………………』


 外套は答えない。それは否定を意味するものだと男は知っている。


「やはり、教えてはくれないか」


 男は一息つく。


「リストの件は礼を言う。君は当日フェストかい? それともグラールかい?」

『私は……グラール』

「そうか、それだけ聞ければ満足だ。

公務が待っているんでな」

『最後に一言だけ言いたい』

「なにかな?」

『フェストもグラールも楽しみにしている』

「そうか。期待を裏切らないようにしないとな」


 外套は通信を切る。


「さて……」


 暗闇の中で、男はリストを再度確認する。

 全てが思い通りにいく、その感覚に酒に入り浸り、酔いしれるように、じっくりと……




 ダイチ達はその日の晩のうちにホテルをチェックアウトした。

 ヴィーナスの計らいで泊めてくれたホテルだったが、さすがに、二泊も三白もするのは憚れた。それに、これから最低でもテクニティス・フェストとワルキューレ・グラールまで滞在するのだからあんな宮殿のような豪勢なホテルに何泊もしたら賞金なんてあっという間に尽きてしまうので別のホテルを探さざるを得なかった。

 幸い、イクミが新しいホテルを手配してくれたのですぐそちらに移れた。

 そして、そのまま明るい夜が明けた。


「さて、では行きましょうかダイチさん」


 朝起きて、ホテルの食堂で朝食を食べるなり、すぐにミリアはダイチの手を引く。


「いや、待てよ。そんなに急かすなよ」


 朝食のパンを口に加えながら、抗議する。ちなみにミリアは朝食を軽く三人分完食済みである。


「食事ぐらいゆっくり食べなさいよ」


 さすがにこの急かしようにエリスも注意する。


「ゆっくり食べましたよ」

「俺の三倍の速さで三倍食って何がゆっくりだよ」

「本気を出せば五倍はいけますよ」


 ミリアは得意顔で言う。


「いかなくてもいいわ! いいから朝食ぐらいゆっくり食わせろ」

「だって今日エインヘリアルで試験を行ってくれるんですよ! 一刻も早くいかないと」

「試験は昼からだろ。ゆっくりしろよ」

「昼からなので、朝から行ってもいいじゃないですか」

「言い出したらきかないな」

「ホント、困ったものね」


 エリスはため息をつく。


(いや、お前も人のこと言えないんだけどな……)


 ダイチは心中でぼやく。


「ダイチさん、はやくーはやくー」


 それに構わず、ミリアはダイチの腕を引っ張る。


「いや待てよ、朝食ぐらいゆっくり食わせろって!」


 ダイチは腕を振り払う。


「そんな……」


 ミリアは頬を膨らませてダイチを見る。


 早く食え……早く食え……

 そう言われているような気がして落ち着かない。


「……ところで、エリスはそのまま工房に向かうのか?」


 たまらずエリスとの会話を求めた。


「ええ、すぐに私の義手を見繕ってもらえるそうだから、ミリアじゃないけど私もすぐに行きたいところよ」


 エリスは皿に乗ったパンを口に加えて器用に一口ずつ食べている。

 ダイチには一種の大道芸にも見えて立派な特技にも思えるのだが、それでも手を使って食べた方が楽なのは明らかだ。

 早く腕が取り戻したい。

 エリスは口にこそ出さないがそんな想いを抱えているように思えてならない。


「ごめん」

「……え?」


 ダイチに突然謝られてエリスは面を食らう。


「ど、どうしたの、急に?」

「エリスは早く腕を戻したいのをわかってて、留学試験を受けてみたいなんて言っちまって」

「あ、ああ……そういうことね」


 納得した途端、エリスは不機嫌顔でダイチを睨む。


「別に私に気を遣わなくていいのよ。ダイチはダイチのやりたいようにやりなさいよ」

「え、でも……」

「確かに私は早く腕を取り戻したい」


 エリスは断言する。

 嘘偽りない本音をぶつけることで、ダイチを黙らせる。


「でもね、そのためにあんたがやりたいことを我慢するのは違うわ。

遠慮されるとムカつくの! だから思う存分好きにやりなさい!」

「………………」


 ダイチは絶句する。

 エリスの歯に衣着せぬまっすぐな言葉がまぶしくて見えて仕方が無い。


「……えぇ、ですから好きにさせてもらいますわ」


 ミリアは満足げに言う。


「あんたははじめから好きにやってたでしょうが」


 エリスは呆れたように言う。

 そんな二人のやり取りを見て、ダイチはなんだかわかったような気がする。

 思い返してみれば、ミリアは金星人に憧れを抱いていたのはわかっていたけど、その学園に通えるから張り切っていた。それだけでエリスのことを考えなかったのではないかとばかり思っていたが、それは違った。

 ミリアは、エリスのことを考えるのをエリスが望んでいないとわかっていたのだ。

 本当に気持ちが通じ合っているだな、と実感させられる。


「それにひきかえ、俺と来たら……」

「なんか言った?」

「いや、なんでもない。さあて、まあ張り切って試験受けに行くか」


 ダイチは残ったパンを食べ、スープを飲み干す。


「その意気よ。んで、その試験って何やるわけ?」

「――模擬戦、みたいなんだ」

「誰と戦うの?」

「戦技教官やってるパプリアって人みたいなんだけど」


 それを聞いて、エリスは目を輝かせる。


「そいつ、強いの?」

「さあ……ただ、デランの先生みたいだから強いはずだぜ」


 何しろ、そのデランに何度も打ち負かされたのだから。とは、プライドが邪魔して言えなかった。


「ダイチさんはそのデランに惨敗しましたからね」

「――って、何言ってるんだよミリア!?」

「うむ、あれはちょっと情けなかったぞ」

「……フルートまで」


 確かに自分でも簡単に負けてしまって情けないという自覚はあるが、人から言われるとまたきついものがある。


「ま、あんたなら負けるでしょうね」

「え、エリスまで……」


 あっさりと追撃をかけられて、言葉だけでダウン寸前になる。


「でも、負けっぱなしで黙っていないんでしょ」

「そ、そりゃそうだ」

「だったらいいじゃない。――それで今日戦うパプリアは強いのね?」


 エリスは真顔になって訊く。さながら獲物を見定める猛獣のような目つきだ。


「ああ、強いだろうな」

「私も試験に行きたかったわ」


 それを聞いて、エリスはため息をつく。


「でも、今のエリスじゃ絶対に勝てないでしょうね。腕をしっかり作ってもらってから出直してください」

「……ええ、そうね。さすがに足だけじゃダイチから一本取るのにも一苦労するし」

「いや、俺を引き合いに出すのはやめてくれ……」


 ある意味殴られるより痛かった。


「だったら、私の代わりにぶちのめしてきなさいよダイチ」


 ぶちのめす。

 パプリアの実力は知らないものの、あのデランの先生というだけで到底勝ち目が無いように思える。そんな人をぶちのめすなんて無理に決まっている。


「………………」


 無理だよ、って、口にしそうになって、エリスの燃え盛るような瞳を見て止まる。

 それは無理を口にすることを許さない炎のような熱を帯びており、うっかり目にしたダイチはその熱に当てられる。


(そうだな、それぐらいの意気込みでいかねえとな)


 身体中に火が灯ったかのように力が入る。

 その様子を見て、エリスは満足して席を立つ。


「さっさといくわよ、イクミ」

「あ、ちょっとまちーな! 置いてかんで!」


 何やらデータの整理をしていたイクミは慌てて追いかける。


「――って、私も置いてかないでよ!」


 マイナも慌てて追いかけた。


「さあさ、ダイチさん、私達も行きましょう」

「ああ」


 朝食を食べ終えたダイチ達も、席を立つ。


「妾は試験は受けられないが、その勇姿しかと見届けさせてもらうぞ」


 そんな理由でフルートもついてくる。まあ、反対する理由もない。




 騎士養成学園エインヘリアル。

 訪れるのは二度目なのだが、相変わらず堅牢な鉄の門に圧倒させられる。ここに通う生徒達は毎日こんな城壁のような門をくぐって登校しているのだろうか、ダイチは思った。


「おはよう」


 門番のフィラがダイチ達を見かけて挨拶してくれる。


「おはようございます」


 ミリアは丁寧にお辞儀する。


「パプリアから聞いているよ。あんたら、留学試験を受けるんだってね」

「はい。張り切ってきました」

「ああ、そうかい。そいつは結構だ。他の星からの留学生なんて久しぶりだからね、頑張ってくれよ!」


 久しぶりということは、そうそういないということか、とダイチは身構えてしまう。


「あ、はい……その、やっぱり難しいんですか?」

「難関だよ。特にパプリアはね」

「……な、難関」

「難しければ難しいほど超えがいがありますよ」


 ミリアはむしろ燃えたようだ。フィラはそれを見て微笑む。


「その意気だよ。男のあんたも頑張りなよ」

「は、はい!」


 ダイチは急かされて、元気よく答える。


「さて、門を開けるかね」


 フィラはそう言うと、門がドンと開かれる。

 これは一体どういう仕組みになっているのだろうか。

 フィラの意志に反応して門を開くようになっているのか。この星の技術力ならそれぐらい出来てもおかしくないが、これだけ雄大な門が一人のヒトの音声一つで開くようになっているのはスケールの大きい話であった。


「お待ちしていました」


 門が開いた先で、長身のパプリアが出迎えてくれた。そして傍らにもう一人小柄でパプリアと並ぶと子供のように小さいキツめの表情をした女性が立っていた。


「今日編入試験を受けるのはこの三人かい?」


 小柄の女性はダイチ、ミリア、フルートの三人を指して訊いてくる。


「いや、妾は違うぞ。見物人じゃ」

「受けるのは二人よ。ダイチ君とミリアさんよ」

「今日はどうかよろしくお願いします」

「ああ、せいぜい死なないように頑張りなよ」


 小柄な女性は鋭い眼差しと声で言い放つ。


(このヒト、強いな)


 ダイチは思わず鳥肌が立った。少女のようにか細いがその中身は戦士であることを肌が感じ取る。


「彼女は私と同じよう戦技教官を務めているベルマ・フィルクスよ」

「もっとも、あたしは飛び道具の方が専門でね。剣や槍、徒手ならパプリアに一任させている」

「ダイチです」

「ミリア・H・パルサーです、」

「ああ、お前が今日あたしの試験を受ける娘だね」

「はい、本日はよろしくお願いします」


 ミリアは一礼する。


「あたしの試験は厳しいよ。生半可な覚悟じゃ合格はさせないよ」

「はい、覚悟はできています。

――合格する覚悟ですが」


 ミリアはベルマの脅しをものともせず言い返す。


「ちょっとは気骨がありそうだ。試験はこっちで行う、ついてこい」

「はい!」


 ミリアは元気よく答える。


「ダイチ君は私の方に」

「……はい」


 ダイチはパプリアの方へ、ミリアはベルマの方へそれぞれ歩み寄る。


「それではダイチさん、お互い合格しましょう」

「ああ」


 そんなやり取りをしてから、二人は別々の闘技場に案内される。あの規模の闘技場がいくつもあるなんて、さすが名門といったところか。


「立派なものであるな」


 ダイチはフルートは感心する。

 実際ここで試験を行うと思うと身が引き締まる。さながら受験当日を迎えた受験生のようだ。

 闘技場の入り口をくぐると、その緊張感が重石のようにのしかかってくる。


――私の代わりにぶちのめしてきなさいよダイチ


 そんなときはエリスの声が脳裏をよぎる。

 怖いもの知らずのエリスの勇気を少しは見習って頑張ってみるか。そう思うと不思議と足取りを軽くいけた。


「さて、ダイチ君にはここで武器を選んでもらうわ」


 パプリアが案内してくれたのは、武器が所狭しと並び立てられた格納庫であった。

 昨日見せてくれた博物館は、整然と並べられ、歴史を感じさせる重苦しさがあったが、

こちらは今もなお続く戦いに使われるせいか、綺麗に飾られることのない雑然さを感じさせ、別種の重苦しさがあった。


「それとも自前のものを使う?」

「あ、はい……あの武器は何を使ってもいいんですか?」


 ダイチは腰のレーザーブレードや光線銃を指して訊く。


「ええ……特に禁止はないわね。矢でも銃でも爆弾でもなんでもありよ」


 パプリアはそうあっさりと答える。

 ダイチの感覚からしたら、試験とはいえ一対一の戦いで銃を持ち出すなんてもってのほかで、だからこそ昨日のデランとの決闘ではどんなに実力差があっても使わなかった。

 それを、この戦技教官はあっさりと許可した。


「本当にいいんですか?」

「ええ、それで私に勝てるのならね。銃や爆弾ごときで勝てるとは到底思えないけどね」


 銃や爆弾ごとき、温和な口調で放たれた一言のはずが、言い知れぬ凄みを感じる。

 この人は、銃でも剣で斬って捨てることができそうだ。


「じゃあ、遠慮なくこれを使います」


 ダイチは光線銃を見せて宣言する。しかし、パプリアは否定せずにただ微笑むだけであった。

 結局、ダイチは自前のレーザーブレードと光線銃と数本の片手剣を用意させてもらって闘技場に立った。


「それじゃ、試験を始めるわね

今ここであなたは私と戦ってもらうわ。

まあ、勝てないだろうけどせいぜい頑張ってくれれば合格にしてあげるわ」

「………………」


 パプリアは容赦なくそう言って長剣を鞘から引き抜いて構える。

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