第2話
質問に答えない自称ご先祖様は、姿は見えないものの、声だけで感情が想像できるくらい感受性豊かな人でした。
「フフッ」
「こっちは怒っているのに、なんで笑っているのよ」
「おばけってもっと怖いものを想像していたので、思ったよりチャーミングだったので。ふふっ」
こっちは怒っているのに意味わかんないと声が聞こえる
「言いたい事って何ですか?」話や気持ちがコロコロ変わる自称ご先祖様に質問してみた。
「あ、そうそう。まずね、あなた墓にお願いごとしすぎ!高校生くらいからずっと言っているでしょ。高校生になってすぐはまだ住所と家族をよろしくお願いしますくらいでかわいいらしいなと思ってたら、センター試験って何なのよ!試験会場の住所まで言われても知らないわよ!就職の時にも、お願いいしますって言ってたけど、何なの!自分で頑張りなさいよ!今なんて毎月来ているのにお願いごと多すぎ。家の住所と見守ってくださいとお嫁さんの両親のこと頼みますって言われても、お嫁さんも見たことなかったのにどんな人か知らないわよ!お願いお願いばっかりで、お願い事する前に私たちのこと考えなさいよ。ここはお墓で、縁結びでも受験の神様でもないんだから」
本当にその通りですね。ごめんなさい。
でも怒っているけど、なんだろう。恐怖はない。
優しい気持ちの声だからかな?
怒りより寂しかったと伝わる声が聞こえる。
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