弓兵同士の対決
右手にサブマシンガン型武器レライエマグナムを生成した響は、狙いを付けずに牽制目的で引き金を引きつつ、バルバトスイヴィルダーに接近していく。 放たれた無数の弾丸がバルバトスイヴィルダーの近くの地面に着弾し、地表で大きく爆発を起こす。
「くぅ」
盲撃ちした弾丸はバルバトスイヴィルダーに命中せず、またバルバトスイヴィルダーも地面を転がり弾丸を回避する。そしてバルバトスイヴィルダーは避けながらも、響に向かって矢を何発も放つ。
響を狙う鋭い矢群を、響は走り抜けて回避していく。そのままバルバトスイヴィルダーとの距離を詰めていく。
縮まる響とバルバトスイヴィルダーとの合間、しかしバルバトスイヴィルダーは響に狙いを付けて弓を引く。
射抜かんと襲いかかる矢を、左右に移動して避けていく響。そして手足が届く距離まで移動すると、バルバトスイヴィルダーの顔面を力強く殴り倒す。
殴られて地面を転がるバルバトスイヴィルダー、そのまま響はレライエマグナムのグリップで勢いよく殴りかかる。
「舐めるな!」
バルバトスイヴィルダーは振り下ろされたグリップを、弓で受けるとすぐに立ち上がり牽制として回し蹴りを放つ。
粗末な一撃を響は軽々と回避するが、バルバトスイヴィルダーは距離を取り校内に植えてある木々に身を隠す。
「っち!」
逃げられた事と木々に隠れられた事に、苛立ちを隠せない響。そんな響へ無数の矢が襲いかかる。
矢を確認した響は転がって回避すると、矢が飛んできた方向に向けてレライエマグナムを撃つ。
放たれた銃弾は先程までバルバトスイヴィルダーが居た場所に着弾するが、バルバトスイヴィルダーは木に隠れて無傷であった。
苛立つ響であったが、すぐにバルバトスイヴィルダーの元に向かって行く。
「はっはっはっはっは!」
バルバトスイヴィルダーは木の影に身を隠しながら、弓を引き矢を放つ。
相手は自由に攻撃できて、こちらの攻撃は身を隠すことで当たらない状況に、舌打ちをしたくなる響であったが対応策を思いつく。
ダッと響は校舎の壁へジャンプすると、そのまま壁を走り出す。
壁を走り出したことに驚くバルバトスイヴィルダーであったが、すぐに迎撃の矢を放つ。
襲いかかる矢群を、響は校舎の壁を走ることで回避していく、そして高所から見ることで木々の中にバルバトスイヴィルダーの姿を見つける。
「うおりゃあああぁぁぁ、見つけたあああぁぁぁ!」
バルバトスイヴィルダーを見つけた響は、雄叫びを上げながら壁を蹴って、その身を投げ出す。
そしてレライエマグナムの銃口を、バルバトスイヴィルダーに向けて狙いをつける。
狙いをつけて引き金を引かれて放たれた弾丸は、寸分の狂いもなくバルバトスイヴィルダーの元に飛翔する。
「がぁ」
着弾の爆発音と共に、バルバトスイヴィルダーの体に衝撃が走る。
衝撃に驚くバルバトスイヴィルダーであったが、すぐに響の姿を探す。
しかし跳躍する響とバルバトスイヴィルダーの距離は、残り十メートル程であった。
すぐに身を翻して距離を取ろうとするバルバトスイヴィルダーだが、背後から発砲音が響く。
逃げようとするバルバトスイヴィルダーに向けて、響がレライエマグナムを発砲したのだ。
「うう」
弾着した衝撃でバルバトスイヴィルダーが地面に転がる、その隙をついて響は走り始める。
「おりゃあああぁぁぁ!」
走って行く響だが、バルバトスイヴィルダーとの距離を詰めるために、大きくジャンプする。
そのまま空中で両足を合わせると、バルバトスイヴィルダーを蹴りを放つ。
「おりゃぁぁぁ!」
「がぁぁぁ」
ドロップキックを食らったバルバトスイヴィルダーは地面を転がるが、体勢を立て直して転がりながら矢を放つ。
屋は命中せず響の周辺に矢が着弾して、足元が響を隠すほどの爆発が発生して衝撃が走る。
「どこだ!?」
爆発で響はバルバトスイヴィルダーを見失ってしまう、しかし姿が見えないながらもレライエマグナムの引き金を引く。
数多の発砲音が響き、バルバトスイヴィルダーへ弾丸が襲いかかる。一発は命中し、他の弾丸は外れてしまう。
「がぁ」
バルバトスイヴィルダーの悲鳴を聞いて響は、聞こえた方向に一目散に走り出す。
ダッと走り出した響は、そのまま煙の中へタックルを仕掛ける。
煙が晴れるとそこにはバルバトスイヴィルダーが立っていた。
「オラァ!」
バルバトスイヴィルダー見つけた響は、勢いよくタックルを放ち、柔らかい肉体に肩が突き刺さる。
タックルを受けて地面を転がるバルバトスイヴィルダー、そのまま追い打ちをかけるようにジャンプする響。
そしてバルバトスイヴィルダーの腹部に、肘が勢いよく突き刺さる。
「ぐぅ」
フライングエルボーを受けたバルバトスイヴィルダーは、苦しそうに声を上げる。
立ち上がる両者、そして距離を詰めるために走り出す。
「うおりゃあああぁぁぁ」
「はあああぁぁぁ」
殴り合う両者、先に制したのは響であった。そのままヤクザキックを、バルバトスイヴィルダーに勢いよく放つ。
地面に転がったバルバトスイヴィルダーは、体勢を崩しながらも弓を引き矢を放つ。
矢が命中しぐらつく響であったが、すぐに体勢を立て直してバルバトスイヴィルダーに近づいていく。
「でえりゃあああぁぁぁ」
バルバトスイヴィルダーに近づいた響は、レライエマグナムを勢いよく横に振ると叩きつける。
頭に叩きつけられたバルバトスイヴィルダーは、ぐらりと体勢を崩すが、すぐに響へ殴りかかる。
「はぁぁぁ」
殴られて響は後ろに下がるが、逆に睨み返して、バルバトスイヴィルダーの背後に回る。
「せえぇいいい」
後ろからバルバトスイヴィルダーの腰を両手で掴むと、そのまま後ろにブリッジして地面に叩きつける。
バックドロップを食らったバルバトスイヴィルダーは、衝撃を殺せず地面に突っ伏す。
その隙を逃さずに響はジャンプをすると、膝を突き出して叩きつける。
「かはぁ」
ニードロップを食らったバルバトスイヴィルダーは、苦しそうに地面を転がる。
それを見て響は逃すまいと、レライエマグナムを構えると引き金を引く。
銃声と共に発射された弾丸が、バルバトスイヴィルダーに命中する。
弾丸を受けてバルバトスイヴィルダーは悶ながらも、響から距離を取ろうとする。
「ヒィィィ」
「逃がすかぁ!」
雄叫びと共に響はジャンプをすると、バルバトスイヴィルダーの頭上を越え、そのまま上からタックルを仕掛ける。
両手をクロスさせたタックルを仕掛けた響は、そのままバルバトスイヴィルダーの上に乗っかると、バルバトスイヴィルダーの体を仰向けにする。
そして自分の両足に腕を乗せると、バルバトスイヴィルダーの顎を両手でクラッチする。
「うおおおぉぉぉ、キャメルクラッチ!」
キャメルクラッチを仕掛けた響は、そのままバルバトスイヴィルダーの首をえびぞりにするように引き上げる。
ミシミシとバルバトスイヴィルダーの首から骨が軋む音が鳴ると、苦しむように悶えるバルバトスイヴィルダーであった。
そして首の角度が九十度を越えようとした瞬間、バルバトスイヴィルダーの首からバキっと何かが砕け散るような音が鳴り響く。
「うううぅぅぅ……」
少しのうめき声と共に、バルバトスイヴィルダーからりきむ力が消え、両腕も動かなくなり、声も話さなくなる。
響が立ち上がり意識を確認しようとすると、バルバトスイヴィルダーは光に包まれる。
「何!?」
何の光と驚く響であったが、すぐに光は消え失せて、バルバトスイヴィルダーが居た場所には坂井洋子とバルバトスのイヴィルキーが落ちていた。
イヴィルキーを拾った響は、坂井洋子の意識がないことに気づくと、すぐに体を抱えあげて保健室に向かうのだった。
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