第6話、冒険者登録

シカ2頭を荷車に乗せ、家の直前で子供の姿に戻る。


「ただいま!」


「おや、今日は大猟ですね」


「血抜きは済ませてあるよ」


「なら、焼きましょう」


「それとライア用にアジも採ってきた」


「まったく、どうやって海まで行くんですか」


「空を飛んで」


「はいはい」


空を飛ぶ魔法は一般的ではないらしい。




翌日は、大きい姿で街に行き、取りためた毛皮や魔石を売って服を買った。

そのまま冒険者ギルドで冒険者登録をする。

死ぬ前の名前、シンジ・オオガミで登録する。

ジョブとスキル欄はあったが、授かって無いのでムショク、ムノウと埋めておいた。


「ムショクって、変わった職業ですね」


「ええ、珍しいって言われました」


「スキルのムノウって?」


「オールマイティーのスキルですよ」


この世界では12才で洗礼を受け、ジョブとスキルを授かるらしい。

俺は3才児だから、当然授かってない。


「おいおい、無職って洗礼を受けてねえんじゃねえか」


「俺は、神様と相性が悪いものでな」


「そんなんじゃあ、どこのパーティーにも入れねえぞ」


「問題ない。一人で依頼はこなしてみせるさ」


「はいはい。新人さんにからまないでください。

スタートはFランクからになりますが、金貨1枚入金すればCランクに上がれます。

Cランクならば1回か2回の依頼で回収できる金額ですがどうされますか?」


「よかった、ギリギリで金貨1枚あります。それでお願いします」


「おいおい、その金で武器と防具をそろえた方がいいんじゃねえのか」


「ご丁寧にありがとうございます。でも、武器も防具も必要ありません。

血抜きと解体用のナイフがあれば足りますので」


「では、こちらがギルドカードになります。がんばってくださいね」


「Bランクに上がるには、どれくらい依頼をこなせばいいんですか?」


「ソロですと5回くらいですね。ただ、3回失敗すると降格になりますから注意してください」


「依頼はあそこの掲示板ですか?」


「はい、毎朝6時に新規依頼が張り出されます。

それ以外に緊急の依頼が張り出されることもあります。

あっ、ちょうど緊急依頼があったようですよ」


「ありがとうございます」

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