黒魔術と不思議なシスター

 俺ん家の隣の家には、不思議なシスターが住んでいる。


 不思議だけど、綺麗で、美しくて、とても優しいシスターである。


 そんなこんなで、今日もシスターに教会へとお呼ばれされているので、教会にお邪魔する。


「どうぞ」


「お邪魔しまーす……」


 シスターに手を引かれながら教会へとはいる。今日はなんだかいつもよりも身体的接触が多いなぁとか思いながらも、ちょっとだけドキドキしながら教会へとはいる。


 教会の内装は、外の見た目とは裏腹で、よくよく丁寧に掃除もされてあり、真っ先に目に入るステンドグラスが太陽の光に照らされて凄い綺麗だ。


「こっち」


 軽くいつものようにステンドグラスに見とれていると、左を見ると、シスターが手招きしているので、着いていく。


 教会入って左にあるドアに入ると、そこは居住スペースになっているのか、一般的な家と変わらないような作りになっており、キッチンやダイニングテーブル、テレビ等の電化製品もきちんとある。


 俺は、シスターに誘われて、何度もこの部屋に入ったことがあるが、今日は何故か床になにやらとても不気味な魔法陣が描いてあった。


 シスターはまず手始めにその魔方陣へ近づくと、ポケットから何か赤い液体みたいなやつを取り出すと、魔法陣の中央にぽたぽたと垂れ流し始めた。


「………何してんの?」


 シスターがまぁ、なにやら怪しいことをしているのは知っているが、実際この目で見るのは初めてだったので、ついつい聞いてしまった。


「………っ」


 声をかけると、一瞬体を跳ねさせたシスターは、なにやらおろおろし始めると、顔を赤くさせ、黙って俺を見つめてくる。


「………?」


「……………そ、その……」


 と、顔を赤くさせながらもじもじしていたシスターは言った。


「…黒魔術よ。やってみる?」


「遠慮なくお断りさせていただきます」


 すげなく断ると、シスターはショボーンとした。

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