北の国から

若い衆チームの同僚、仁ちゃんはすぐ切れるから、仲居のおばさんたちは腫れ物に触るようにしている。


でも、そんな仁ちゃんに俺は何故か気に入られていて、昼休みなど寮の部屋で一緒に駄弁っていることが多い。


今日は彼からエレキギターとアンプを安く譲ってもらったのだ。


「ブルーハーツみたいなパンクっぽい音やったらな、こうやれば出んねん」


彼はいくつかあるつまみを回し切り、


じゃおおおおおおん


わはは、すげえ音。

しかし、俺はピックが使えない。


「惣ちゃん、なんでもええから弾いてくれへん。聴いてみたいわ」


右手の指を弦にあてがうと、


「あはは、指でエレキの弦はじく人初めてみたわ。ま、ええから、はよ弾いて」


といっても、俺が満足に演奏できるのは一曲よりない。


北の国から。

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