惣一の日記

味噌醤一郎

送り火

夕方の仕事が始まるとまた、どたばた。


数百名の修学旅行生を収容するこの宿では忙しさのピークを迎える。

特別料金を出したそうだ。今夜のメニューは生徒一人一人に小鍋がついた。

主任さんら4人で大広間にお膳をセットしたあと、チャッカマンで固形燃料に点火して回った。


ふとアイデアが浮かぶ。


「主任。あの。ちょっと電気消してみませんか」

「お」


主任、興味が湧いたようだ。

消灯してみる。


あ。やっぱ。


そこは突然、闇に浮かぶ異界。


それに驚いて息を呑む男4人。


「はじめるか、そろそろ」


そうしてまた俺たちは、仕事に戻った。

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