第15話 孤立



 私とミクリ、その護衛達は厳しい状況の中で、孤立してしまった。


 魔物に囲まれて絶体絶命、となった時。


 ミクリをかばったアスクが、怪我をした。


「アスク! 大丈夫!? よくもアスクを!」


 私は、前世で虐げられていた時と同じかそれ以上の怒りを覚えた。


 ありったけの力を込めて、魔物にぶつけたら、魔物の群れがまとめて消え去った。


 魔物の壁に穴が開いて、包囲網がとけた隙をついて、私達はその場から撤退。


 しかし、素早くこの場を離れるためには馬車が必要だったが、数が足りなかった。


「俺が囮になっているうちに! ミクリ様! おそらく次期聖女はカチュア様になる。だからカチュア様を連れて逃げてください!」

「いやっ、アスクも一緒に!」


 だから、アスク一人が残ってできるだけ時間を稼ぐという事になった。


 全員が逃げ切れる可能性はゼロ。


 だが、誰かが囮になれば、少しは可能性が上がるはずだった。


 護衛騎士達に引き連れらえて逃げる私。


 私の伸ばした手は、ずっと遠くにあるアスクには届かない。


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